逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

輸出戻し税(消費税8%増税)で笑が止まらない

2014年04月03日 | 経済

(消費税8%増税で儲ける企業一覧)

『輸出促進税だった日本の消費税』

『消費に消費税をかければ→必ず消費が低迷する』程度の簡単な経済学のイロハ以前の『大人の常識』がわからぬ政治家や財務官僚、企業経営者は一人もいない。
80年前の世界大恐慌以来、世界経済で不況は繰り返し起きている。ところが恐慌(デフレスパイラス)が1度も起きていない。
近代資本主義では80年間も恐慌が1度も起きない不思議の理由は簡単で『デフレ経済』の特効薬であるケインズ政策が発見されたのお蔭である。
ところがデフレには絶大な効き目があるケインズ政策ではあるが、万能でも無毒でもなくてインフレと言う深刻な副作用が必ず伴う。
このインフレ抑制の為のIMFの痛みを伴う処方箋が、超緊縮財政と消費税の大幅増税である。(消費増税は直接的に税収増を目的としていない)
しかし日本経済だけは世界の例外で、25年前のバブル崩壊後に日本人全体の消費活動が低迷した結果、長いデフレスパイラルのトンネルに入り込み抜け出せないで苦しんでいた。
それなら消費税の即時廃止はあっても、今回のような消費税増税の選択肢は有り得ないのである。
今回の8%増税では、必ず消費が落ち込み経済が崩壊することが最初から分かっているのです。
何の疑いも無いでしょう。必ず日本経済は崩壊します。
事実、17年前の1997年に、たった2%増税しただけで以後の日本国経済はマイナス成長とデフレスパイラルに落ち込み、以後はGDP値も国税税収もピークだった1997年値を超えられない。

『戦後レジームの崩壊』

『戦後レジームからの脱却』の安倍晋三首相の8%消費税増税ですが、まるっきり経済的な日本国の一億玉砕のカミカゼ特攻である。
25年間も穏やかに死につつあった日本経済ですが、今回の消費増税で間違いなく今までの『戦後レジーム』は崩壊するでしょう。
ところが経団連などは消費税増税を歓迎している。理由は簡単で消費税には誰も知らない『輸出戻し税』『還付金』の裏の顔がある。
2012年度の還付金の総額は約2兆5000億円であり、輸出企業上位20社だけでも1兆円以上が濡れ手に粟で、黙っていても政府が還付金として払ってくれる。
今のように経団連が消費税に大賛成なのは当然であり、何の不思議も無い。
輸出企業は客が支払った消費税を一円も国に納めないどころか、税率が上がるほど『還付金』(輸出戻し税)が増え、どんどん懐が潤う。
たとえば自動車メーカーのトヨタ自動車が国内で販売すれば調達した部品の消費税を国庫に納入する義務がある。
ところが同じ車を輸出すれば、実際には下請け企業が払った消費税分でもトヨタ自動車が納めたものと見なされ、全額が還付されるので消費税が上がるほど輸出企業は儲かる。
トヨタ自動車の場合は、今までの税率5%なら差し引きの還付金(輸出戻し税)は1801億円だったが、税率8%なら2882億円に増額する。

『一人勝ちしている「東京」を、わざわざ「特区」に指定する4月馬鹿』

東京オリンピックなどの建設工事等で人出不足が深刻なので外国人雇用を促進する経済特区が計画されています。
10年前に吹き荒れた新自由経済(グローバル化)で小泉純一郎の推進した『非正規雇用の解禁』での賃金の大幅削減でも、『まだ高い』『もっと安い労働力を』との企業側の欲求は止まることを知らない。
この『外国人労働者の解禁』と日本人サラリーマンの『名ばかり管理職』の残業代カット(ホワイトカラーエグゼンプション)は一体のものでしょう。
エイプリルフールの4月1日に、埼玉県が実は『東京圏』じゃなかったことが発覚して埼玉県民は悲嘆にふけっているという。
日本政府の国家戦略特区諮問会議は2014年3月28日に全国の6区域を『国家戦略特区』に指定した。『東京圏』は東京都・神奈川県・千葉県成田市などで、埼玉県が丸ごとすっぽり抜けていた。
我が日本国は悪魔の碾き臼である新自由主義の小泉竹中路線の無制限の規制緩和で、経済環境が極限まで悪化していた。
安倍内閣の国家戦略特区では国際競争力を高めるためとして、最後に残っていた雇用などの基本的分野で規制緩和が進められる。
敗戦後69年間続いていた日本の戦後レジームですが、ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度(white collar exemption)と外国人単純労働の解禁で、間違いなく完全に崩壊する。
世界有数の大都市である東京を特区として再編する『東京圏』には東京、神奈川、千葉の一部が入るが、国家戦略特区諮問会議の答申通り外国人労働者の解禁が行われたら日本社会が根本から一変、日本が欧米のような極めて不安定な社会になるでしょう。

『日本国の絆社会の崩壊と、弱肉強食の新自由主義の完成』

全ての障壁を取り除くTPPでアメリカ経済の活性化を目指すオバマ政権ですが、米連邦議会でTPPに反対している議員は『米国では北米自由貿易協定で18年間で500万人の雇用が失われた』など、米国人の雇用を心配しているのです。外国から安い労働力が入ってくれば、今以上に国内の労働者の待遇が悪くなる。
政府の諮問会議で『東京圏』に千葉が入って埼玉が丸ごと抜けていた事が発覚して県民から不満が出ているというが、話は逆で、『東京圏』から外れた埼玉県民ですが『特区』に入らなくて本当に良かったと喜ぶべきであろう。
地続きのメキシコからの合法非合法の安い労働力が2000万人も入ってきて、物価は上がっているのにアメリカの賃金水準は42年前に下がって仕舞ったのである。
全人口の1%程度の極少数の在日外国人に苛立つ思慮や辛抱が足らない甘やかされたネットウヨですが、欧米先進諸国のような1割以上の外国人比率なら、間違いなく即座に発狂するか悶死する。
過酷な新自由主義が完結した社会では、口先は過激だが中身は善良で大人しい日本独特のネットウヨは生残れずに絶滅して、グローバルスタンダードのネオナチが台頭するので過激なテロとか恐ろしいヘイトクライムが横行する末世の動乱期に突入していくでしょう。

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2 コメント

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安倍ちゃんの民族浄化 (ネプギアソリッド)
2014-04-02 18:05:41
もし移民を受け入れたら、移民の自警団にネトウヨがボコボコにされる未来が見えます。あるいはトルコ華人インド企業に低賃金でこき使われるか。

なんか似非右派の人の中には「日本人は普段は穏健だが、秘めたる強さを持っていていざと成れば団結して勇猛に戦う。」とか言ってる人々も居ますが、戦国時代や帝国時代の勇猛で好戦的な大和民族は過去の話で、今の日本国民は極端に怖がりで平和主義で女性化してしまってる。若者も草食系やオタクが大半。ネットで悪口を言って精神勝利するのが限界だと思います。
私も含めて国民は団結して共通の利益のために闘うなんて出来ないでしょうね・・。
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建設作業員の確保ではなく、原発作業員の確保が目的 (宗純)
2014-04-03 17:00:58
ネプギアソリッド さん、コメント有難う御座います。

作る会系の右翼文化人ですが戦後教育が日本人を駄目にしたと主張しているのですが、一部は確かに根拠がある話なのです。
今の若者たちですが昔の日本人とは別人種ですよ。心が優しいので基本的に人殺しが出来無いのです。もちろん殺されることは大嫌い。
去年2013年度はとうとう年間の殺人数が1000人の大台を割った仕舞ったのです。
殺人の統計学的一考察
2008年02月02日 | 文化・歴史
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/79bb6106736ab90449816bfc7cf5b237
今後この傾向は強まりこそすれ,弱まることは無いでしょう。
普段威勢のよいことを言っているが肝心な時には意気地が無くて震え上がる人間にはたくさん出会ってきたが、今まで逆の例は1回も出会っていません。
普段の発言の何分の1かでも勇気があれば拍手喝采するべきなのですね。

産経新聞によると、
内閣府は、少子高齢化で激減する労働力人口の穴埋め策として、毎年20万人の単純労働者(移民)の大量受け入れの本格的な検討に入った。
経済財政諮問会議の専門調査会を中心に議論を進め、年内に報告書をまとめる方針だと報じています。
現在、日本で働く外国人の届け出数(昨年10月末)は72万人弱であり、しかもこれらの外国人労働者は高度人材などに制限されている。
20万人の単純労働者の大量受け入れとは、事実上の外国人移民であり、、これは今までの国策の大転換となる。当然外国人移民から求められれば日本国籍を付与するのは民主主義の基本原則です。
20万人の労働者には当たり前ですが家族が必ず存在するので実質的な移民の実数は数倍以上に膨らむでしょう。
日本の国家としての姿が大きく変わるのは避けられないでしょう。
但し、政府や産経新聞の言う、『建設作業員の確保目的の移民政策云々』ですが可笑しいと思いませんか。そもそも公共事業が大幅に減らされたので土木建築では請け負う企業や労働者が大幅に減らされていたのですが、大震災の復興事業とかオリンピックなどの限定的な需要が生まれたので、一時的に人手不足が深刻化したのですよ。日本政府の言い分ですが正当でもなければ真面目でもない。
基本的にインチキなのですが、これは米国の移民政策に似ている空洞化策です。
似ているが日本の場合にはもっと深刻で この移民政策は建設作業員云々ではなく、これから本格化する福島第一原発の作業員の確保 が主な目的です。
人間の命は一つしかないので、今のようなヤクザによる人集めが限界まで来ているのです。
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