人権擁護法案5回目の審議の日程について
松浦芳子副会長(杉並区議)より、人権擁護法案反対署名活動の提案がございましたが、第1回幹事会にて、松浦氏より緊急提案を予定しています。
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2005年 4月21日(木)
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□政調、法務部会・人権問題等調査会合同会議
16時(約1時間) 704
議題:人権擁護法案について
さて、第5日回目の審議が行われますが、反対議連は、人権擁護法案反対で押し通す方針です。推進派から、対案要求が頻繁になされていますが、これはいうまでもなく、修正案に持ち込もうとする、推進派のねらいです。
その推進派の提案に対しては、どのような人権侵害があるのか、それを示さない以上、対案を出し様がないことを迫る方針です。
これまでの人権擁護法案でなぜいけないのか、なぜ強大な人権委員会を必要とするのか、そこで、彼らの言う、人権侵害がいかなるものかを暴く必要があります。
彼らは具体的な人権侵害は提案できないようでしょう。出来ない以上対案は対案は出し様がないと突っ撥ねれば良いのです。
以上、あくまでも反対で押し通すことが肝要です。
平成17年4月13日自民党法務部会 議事録要旨
議題:人権擁護法案についての有識者からのヒアリング
●塩野宏東大法学部名誉教授
レジュメの共通認識
1. 差別、虐待に苦しむ人々の迅速な救済の必要性
2. 簡易・迅速・柔軟な裁判外救済制度の整備
3. 救済機関のあらゆる権力からの独立性確保
4. 人権相互の調整の必要性
があると思う。4点目の人権相互の救済が問題となるだろう。国会での参考人発言
のおりの繰り返しではないことを今日は述べる。
・人権委員会は独立性を保つことを前提とし、内閣から独立した機関であることが望
ましい。橋本内閣での行政改革にも合致する。
何処に設置するのか?については、基本法の下、複数の委員会があってもよいし、
包括的委員会があり、必要に応じて委員会を立ち上げても良い。日本の場合、包括
的人権機関と個別救済機関の並立が自分は望ましいと思う。
法案は救済の行なわれない所にアメーバ的に隙間に入ることが重要で、その点では
救済に深みはない。アドホック的なものである。
・パリ原則との関係は、当然これが前提となっているが、パリ原則は各国の状況に合
わせて工夫して然るべきとなっており、我が国人権擁護審議会においては、国内状況
実例を検討して法案が出されたものである。欧米においては、個別に拘束力のあるも
の、被害者に代わり訴訟請求まで出来るという非常に強い権限のある法律もある
が、我が国の法案はそういうものではない。
・人権侵害の定義については重要だとは思うが、人権は憲法で保障され、私人間では
民法・刑法などを通じて適用されるもの、これを間接適用というかどうかは言葉の問題
だが。
本法案は、民刑事は裁判所で確定されることを前提としている。自分で訴えられない人
を裁判所にスムースに案内することが最大の眼目。
・憲法の下に民法刑法等により人権侵害と判断されるが故に、法案はその事象を書き
表したものであり、新たな人権及び侵害の解釈を持ち込んでいるわけではない。故に人
権侵害は不明確ではない。法的解釈、判例で確認されないものは人権侵害とはしない。
・国民の権利に関連して行政作用法のレベルにおいては規律の密度を高めることが、
法治国原理の要請するところである。当該行政作用の侵害の定義によって規律の密度
は高められるべきである、というのが一般論として言える。これを法案についてみると、
第2条一般差別、42条特別救済は、行政作用法の仕様にマッチしている。
これには異論が出ていないと見受けられるので、批判されている所は、仕組みや差別と
いったところにはなく、表現の自由に焦点があると思う。
・私人間の侵害行為が表現上の問題だと衝突があり、線引きを何処にするかと言う問題
になる。
まず国連の人種差別撤廃条約は、被侵害者利益を優先するとしているが、日本はこの条
文は表現の自由の問題からこれを留保している。しかし、これは、差別的言論に全く手出
しをしていないということでは無い。それを受けて答申は出されている。
行政作用法の根拠なしでも行政指導は行なえるし、人権法でも根拠なしにやってきた。当
然差別言動も含んでやってきた。これまでそれが批判でなかった。本法案は独立と一定の
枠をはめることが主旨であり、これが憲法違反というのは言いにくいし、今までやってきた
こと、行政が否定されることになる。表現の自由には反しないと
思う。
今までの人権問題の中心は同和問題であり、糾弾行為が行なわれてきたものを調和的に
処理するのが、課題の一つで、これが重要な眼目の一つである。
特別救済の令状なしの捜査について。正当な理由がないとダメだが、名誉毀損・性犯罪な
ど従来から違法とされてきたものに加えて、畏怖させ困惑させ不快にさせるという明らかに
違法性の強いものを対象としており、過料という刑法上の罪でないものを課すことは、表現
の自由を考慮しても憲法上問題ないと思う。
・正当な理由があるのは当然のこと、比例原則・必要性の原則から見ても、立入り等は必
要性のある場合でないといけないのは当然。
・対象の曖昧性については、法文上例示できない難しさがあるが、差別行為を挙げるのは、
被害者に立法が追い討ちをかけることで、人として私には出来ない。畏怖させ困惑させ不
快にさせ、というのは成人なら分かるだろうし、子供については人権教育の課題であり、過
去すでに述べたことなので、それを見てほしい。
・濫用防止について
問題は2つある。過去、任意調査、説諭ではダメだったので法案が作られたということを考
えるのが必要である。
権限を与えると共にその濫用を戒める手立てが必要。行政法の真髄がそこにあり、比例
原則の厳格な適用をすること。それを立法的に明示する必要があるかもしれない。
また、委員会の透明性をはかることで、濫用防止になるだろう。
・もうひとつは求める側の濫用。新しい権利の濫用の禁止の民法規定にも当て嵌まる。
調査便宜主義ではなく必要的調査義務なので、意図に関わらず、調査対象者の生活を乱
す場合もあるかもしれないので、除外事由などを設けるべき。
その他運用で色々あるかもしれないが、冒頭に挙げたように、差別・虐待に苦しむ人達の
迅速な救済の必要性は共通認識であるので、速やかに立法すべきだと思う。
質問
早川議員
現在の活動でどの程度駄目なことがって法案に結びついたのか。刑務所などの問題もあろ
うが。
個別事案の方が適切だと自分は思う。老人・児童虐待など、平成15年頃よりも司法ネットの
拡充の動きもあるが、どう思われるか。苦しんでいる人とは誰で、どういうケースがあるのか。
柴山議員
共通認識について質問する。中央の委員会が想定されるが、人権委員会は独立性が確保さ
れねばならないと思う。しかし擁護委員がオカシなことをしたらペナルティを課すべきだと思う
が、それは「救済機関のあらゆる権力からの独立性の確保」と矛盾しないだろうか。
訴訟参加権について、被害者本人の意思がどうあろうと訴訟が委員の職権で出来るというのは、
妥当だろうか。
人権侵害の定義について。定義できないと思う。相手が畏怖し、というのは、畏怖したといえば
そうなるわけだが、どうか?
岩尾議員
個別法のほうが狭いが深いと言われたが、自分もそのほうが良いと思う。
今のシステムでは広くて浅い。これは濫用につながるだろう。
古くて新しい同和問題だが、もっと柔らかい形で立法措置は可能だろうか。
回答
・個別立法については、決して否定しないが、個別では日本は動かない。個人情報保護法
でも病院のカルテの問題などがある。困っている人を個別法成立まで待たせられない。
・個別のケースについて。なかなか答えられないが、ハンセンし病、東電OLの写真流出、
加害者の子供時代の写真流出など。
・人権擁護委員へのペナルティについて。情報を広く取ろうという扱いなので、任命権者(首長)
が決定すべきだ。
・調査職権主義について。申出できない人もいるかもしれないのを、ほっておくことが出来るのか?
人権感覚として、人間である以上、そうできないだろう。
●鹿島恒雄 全国人権擁護委員連合会顧問
自分は昭和40年から41年間これに従事しており、昨年まで会長だった。活動の現状としては、
人権思想の普及、擁護活動を目的として発足しており、現在、全国14000人の委員がいる。
現行法では2万人を超えないとなっているが、14000人なのは予算がないからで、なり手がい
ないからではない。
活動の中心は、身の上相談、啓発活動で、役場に赴いて相談を受け、人権週間などに講演会
などを行なっている。小中学生への啓蒙活動では、作文コンテストをやっている。平成16年には
5762校の中学が参加しており、これは全中学校の47.6%。集まった作文の数755390点、
20.5%の生徒が応募。とても誇るべきこと。
人権救済に関しては、子供向けの専門委員がいる。また近隣のトラブルなどにも対処している。
委員は法務局に報告し、その監督の下でやっている。
東京都の人権専門委員は、平成9年から16年まで、8276件の相談を受けている。また子供の
人権カードに電話番号が書いてあり、それを法務局で受けている。救済班というのもあり、訪問
したり面接したり、校長、教育委員会とも話し合ったりもする。
府中市では、フリーダイアルカードがあり、委員1人が専任し、平成9年から16年まで310件の
相談を受けている。
委員の組織体としては、協議会、各都道府県連合会、ブロック連合会などがある。活動について、
その組織で検討答申が出て、事務局が出来、女性ホットラインなどもそれから生まれた。普通の
人が簡単にアクセスできる環境が整ってきている。
昨年、親と子が読める絵本、というのを25万冊配布した。2千万円かかったが、宝くじ協会から
人権委員協力会に寄付があったお金で作成した。作成したのは人権委員。
処遇について、公務員にすべき。お金も必要。公務員の災害保障法も適用されるべき。
(事件があった)情報収集への疑問について。人権委員は法務省に通報するだけ。人権侵犯か
どうかを、人権委員は決めない。
質問
?議員
選挙区の東大阪の人が連合会会長だったので大会を開催したが、予算が不足していて、
大阪で補った。
特定の政治的意見を持つ人は今までにいたか?2万人いればそういう人が入ってくるという
懸念をもつ人もいるが、可能性は?
入ってきたら、その人たちの意見が、反対する勢力の人達から申立てされないだろうか?
藤野議員
賛成の立場から質問。糾弾への対応はどういうものだったのか?
亀井議員
本法案は、三条委員会(*独立行政委員会のこと)で、独立権限を持つ。広島では心配している。
これまでのことで恐怖している。この法律を作る必要あるのか?今までの法律を手直しするだけ
で良いのではないか。
柴山議員
立入り検査を拒否すると30万円の過料を課すのは問題があると思うがどうか。
委員には十分な手当てが必要ではないか。手当てを剥奪することでペナルティを課すことができる。
城内議員
真の人権侵害は何パーセントくらいか。
回答
・特別な政治信条を持つ人が入ってきた場合について。委員を信頼してほしい。識見を持つ人の
集まりだ。特定の人に引きづられることは考えられない。
これから絶対にない、とは言えないが、そのことで組織体が動くとは考えられない。処理する権限
も無いので、中立公正を保っている。もしそうなら、選んだ首長も批判されるべき。
・同和について。糾弾会などへの参加を求められたりするが、これに応えることは戒めている。
60年8月13日に通達が出ている。
・三条委員会の必要性
嘴をはさむことではないが、人権委員会は嘗て、昼行灯と言われた。救済手段がなかったからだ。
当時は、権限を持て、の大合唱だったし、それを受けての、審議会の答申だった。
・立入り検査・令状主義について。このくらいの権限がないと効き目がない。
・手当て・ペナルティについて。1.4万人は手当てについては、是非訴えて欲しいといっている。
ペナルティはつくべきだが、その心配はないだろう。
百地先生 (レジュメを用意し読まれた)
人権擁護法案の問題点
1.人権の定義がなく、人権侵害の定義も曖昧・不明瞭ならめ、人権侵害の美名のもとに不当な
人権侵害や逆差別がなされる危険が大きい。
2.「不当な差別的言動」とか、「相手を畏怖させ、困惑させ、著しく不快にさせるもの」などといった
曖昧・不明瞭な基準のもと、行政権力が国民の言論・表現を広汎に取り締まるのは、表現の自由
を保障した憲法21条に違反する。
3.人権委員会は、「差別的言動」を含む人権侵害の「予防」のため「必要な調査」ができ、人権侵害
を行なう「おそれのある者」に対して、「指導」を行なうことができる。たとえ「差別的言動」であれ、
発表に先立って行政権力が規制するのは「事前の抑制の禁止」に反し、憲法違反である。
4.曖昧・不明瞭な基準のもと、「差別的言動」を規制するのは、平成7年、人種差別撤廃条約の
批准にあたり、我が国政府が「人種的優越・憎悪に基づく思想の流布」等を処罰することは憲法の
表現の自由に抵触するとして「留保」したことと矛盾する。
5.憲法35条の令状主義は刑事手続きだけでなく、行政手続きにも適用されうるとするのが最高裁
の立場である。とすれば、表現の自由・思想の自由などが侵害される恐れのある本件立入り検査には、
事柄の重大性に鑑み、令状が必要と考えるべきである。
解説
(1)
1、法務省によれば、「人権とは、人がその固有の尊厳に基づき当然に有する権利言い換えれば、
各人に生まれながらに備わる権利をいい、実定法的には、憲法により保障された権利・自由が、
その中核となる」とされている。
しかしながら、法案には「憲法により保障された権利・自由」といった限定は付されていないし、
そのような権利・自由が、その「中核」になるとはいっても、果たして「外延」がどこまで及ぶのか、
法務省は明言していない。そのため、憲法に明記されておらず、しかも学説や判例上争いのある
新しい人権、たとえば「自己決定権」
や、靖国参拝訴訟で原告らが主張している「宗教的人格権」の侵害が問題とされた時など、
明確な判断は困難となり、濫用される恐れが極めて大きい。それどころか、そもそも「人権」に価しない、
つまり「人権」とは縁もゆかりもない不当な要求が「人権」の名において正当化される危険さえある。
ちなみに、人権擁護法制定の推進団体であると思われる「部落解放・人権政策確立要求中央実行
委員会」の山崎公士・新潟大学教授でさえ、本法案では「人権」そのものの定義がなされていないこ
とを問題とし、「明確な『人権』の定義が必要である」と批判しておられる(緊急出版人権擁護法案・
抜本修正への提案』解放出版社)。
これは本法案の欠陥を、当事者自らが告白したものと言えよう。
2、法案によれば、「人権侵害」とは「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」であり、
「人種等(この中には民族や信条も含まれる)の属性を理由としてする侮蔑、嫌がらせその他の
不当な差別的言動」まで「人権侵害」とされる(第3条2項1号)。しかしながら、この人権侵害の
中には「差別」や「虐待」だけでなく、
「その他の人権を侵害する行為」などといった極めて漠然とした具体性を欠く行為まで含まれて
いる。
しかも法案では「侮蔑」以外に「嫌がらせその他の不当な差別的言動」をしてはならないとか、
「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」で「文書の頒布、掲示」その他
「公然と摘示する行為」をしてはならないなどといった極めて曖昧な言い方、で広汎に言論・表現
の自由を規制している。
さらに、人事委員会には、人権侵害等について必要な調査を行うため、「出頭要請権」、「質問権」
、「文書の提出要求権」などの「処分」権まで付与している(第44条1項)。
3、この点、法務省は、「人権侵害」とは「特定の者に対して、その有する人権を侵害する行為
であり、本法案第3条1項において、禁止される人権侵害行為の範囲を明確に規定している」
という。しかし、これはただの強弁ないしまやかしにすぎない。というのは、同項で具体的にあげ
られているのは「不当な差別的取扱い」「侮辱
」「嫌がらせ」「虐待」および「性的な言動」だけであり、それ以外に「その他の人権侵害行為」など
といった如何ようにでも解釈可能な不明確な文言が付せられているからである。それに、法務省
がいくら「その他の人権侵害」とは「犯罪あるいは民法上の不法行為にあたるものである」などと
言っても、そのことが法案に明記され
ていない以上、保障の限りでなく、運用上恣意的な解釈がなされる危険がある。
4、実はこの点についても、山崎公士教授は「『人権侵害』を明確に定義すべきである」として、
次のように批判しておられる。すなわち「法案第2条1項は(略)『人権侵害』を定義するにあたり、
差別についても『不当な』という形容詞をつけただけで、不当か否かの判断基準は何も示していない。
この規定では、結局のところ、そ
の判断は全面的に人権委員会に委ねられることになる。しかし、『人権侵害』の定義は、これを
受けた者にもわかりやすいものでなければならない」と。
(2)
1、本法案では、「差別」や「虐待」だけでなく、「差別的言動」つまり「表現の自由」まで規制の
対象とされている。つまり憲法21条の表現の自由が制限されるわけであるから、その当否を
判断する際には、より厳格な基準(明確性の理論)と慎重な取り扱いが要求される。なぜなら、
表現の自由は人格の形成発展や民主主義的な
政治過程の存立維持のため不可欠な権利であり、しかも一度侵害されたならば回復すること
の極めて困難な自由の代表に属するものえだるため、最大限尊重されなければならないから
である。それゆえ、学説や判例は、「表現の自由」を制限する際には、「明確性の理論」「事前
抑制の禁止」などの厳格審査基準を適用して、規制の合
憲性を判断してきた(例えば、芦部信喜『憲法新版』)。
2、最高裁は札幌税関検査訴訟判決の中で、次のように述べている。「表現の自由は、(略)
憲法の保障する基本的人権の中でも特に重要視されるべきものであって、法律をもって表現
の自由を規制するについては、基準の広汎、不明確の故に当該規制が本来憲法上許容される
べき表現にまで及ぼされて表現の自由が不当に制限される
という結果を招くことがないように配慮する必要があり、事前規制的なものについては特に然
りというべきである(最大判昭和59・12・12)
3、ところが、本法案では、単に「不当な差別的言動」であるとか、「相手方を畏怖させ、困惑させ、
又は著しく不快にさせるもの」(第42条1項2号)などといったどうにでも解釈できる極めて曖昧・
不明確な基準のもと、裁判手続きを経ることもなく、直接、行政権力が介入調査してその当否を
判断し、国民の言論・表現を広汎
に取締ろうとしているわけである。このような言論統制は、前述の学説・判例に照らし、表現の
自由を保障した憲法21条に違反するといわなければならない。
(3)
1、本法案が禁止する「不当な差別的言動」(その中には、当然のことながら、単なる「発言」だけ
でなく「文章その他の著作物」も含まれる)は、憲法21条の保障する「表現の自由」にかかわる事柄
であるから、その当否は本来、裁判所が慎重に判断すべきである。また、仮に事前規制をする
にしても、行政権力ではなく、裁判所
による「事前差止め」を限度としなければならない(北方ジャーナル事件、昭和61年6月11日最
高裁大法廷判決)。にも関わらず、行政権力の行使者である人権委員会が、「差別的言動」の
「おそれがある」だけで、「予防」的にこれを一方的に規制するというのは、明らかに違法な
「事前抑制」に当たり、表現の自由を侵害するも
のであって、憲法違反といわなければならない。
2、この点、北方ジャーナル事件では、公職選挙の立候補予定者に対して罵詈雑言を浴びせ
誹謗中傷した雑誌の記事が問題となったが、最高裁は、このような表現であっても、原則として
事前抑制は許されず、「重大にして著しく回復困難な損害」が予見される場合に限り、裁判所に
よる「事前差止め」が許されるとした。にもかかわ
らず、本法案では、単に「不当な差別的言動」の「おそれ」があるというだけで、「予防」的に、
つまり事前に行政権力がこれを調査したりして表現活動を規制するわけだから、これは憲法
違反であると考えられる。
(4)
1、人種差別等を内容とする「差別表現」や「ヘイト・スピーチ」(憎悪、侮辱、著しい不快などを
掻き立てる言動)の規制をめぐっては、アメリカでも論争が続いているようだが、連邦最高裁は
このような規制を違憲としている。
例えば、「人種、出身国もしくは宗教を理由として、人に敵対して憎悪をかきたてるそそのかす
種類の文書を街なかで配布すること」等を禁止した条例を違憲とした判決(スコーキ裁判)や、
人種、皮膚の色、信条、宗教あるいは性別(ジェンダー)にもとづき「他人に怒り、驚愕、あるいは
憤慨を惹き起こさせること」を知ったうえ
で、十字架焼却、スワスティカ(ナチのかぎ十字シンボル)その他の象徴を表出することを禁止」
した条例を違憲とした判決(R.A. .事件)などがそれである(奥平康弘『「表現の自由」を求めて』、
戸松秀典「表現の自由と差別的言論」『ジュリスト』1993年5月1‐15日号)。
2、この点、わが国政府も「差別的表現」の規制については、従来、慎重なはずである。にもかか
わらず、今回、このような曖昧な基準のもとで「差別的表現」を規制し、正当な理由もなく「立入り」
や「文書等の留置」を拒否したものに対して過料まで課すというのは、矛盾であると思われる。
3、他方、わが国の憲法学者の間では、条件つきで「差別的表現」の規制を認める。「条件つき
合憲説」が有力であるとされる(市川正人『ケースメソッド憲法』)。
しかしながら、仮に条件付合憲説に立つとしても、本法案では規制の対象が「人種等の属性を
理由としてする」「不当な差別的言動」となっており、内容、範囲とも、あまりにも曖昧不明確である。
このことは、先にアメリカのケースと比較しただけでも明らかであろう。したがって、このような
「差別的表現」の規制は、正当な表現
の自由(客観的、合理的な論評や批判など)まで封殺してしまう恐れがあることから、やはり
憲法違反であるといわざるを得ない。
4、ちなみに、「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本
政府の意見の提出」の中で、「我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑圧
することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種
差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、
人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない。」と名言しているのではないか
と思われるが、このことと本立法とは矛盾しないだろうか。
(5)
1、この点、法務省は、立入りおよび物件の留置について、「相手方が立入り等を拒否した場合
には強制することはできないから、令状主義に反するものではない」と説明している。しかしなが
ら、「強制できない」というのは正しくない。というのは、本法案では正当な理由なく立入り等を拒
否した場合には30万円以下の過料が課
せられることになっており、これによって間接的、心理的にかなりの強制が加えられるであろう
ことは間違いないからである。
2、また、ここで問題とされているのはあくまで憲法で保障された「表現の自由」や「思想の自由」
を直接抑圧ないし侵害しかねない立入り検査や物件の留置等であって、法務省のあげている
独禁法違反の事実や公害紛争の調査のための立入り検査あるいは物件の留置などとは、
全く性質が異なる。それゆえ、「令状主義に反するもの
ではない」との理由だけでこのような表現の自由の侵害を正当化してしまうのは、詭弁である。
3、ちなみに、前述の川崎民商事件判決の中で、最高裁は次のように述べている。「憲法35条
1項の規定は、本来、主として刑事責任追及の手続きにおける強制について、それが司法権に
よる事前の抑制の下におかれるべきことを保障した趣旨であるが、当該手続きが刑事責任追及
を目的とするものでないとの理由のみで、その手続
きにおける一切の強制が当然に右規定による保障の枠外にあると判断することは相当でない。」
質問
早川議員
7割賛同。しかし折角の法案を無にすることはどうか。拙速に結論出さないで欲しいとは思う。
委員は高齢化していて、交代するときが問題。身分保障されるべきだ。
以前とは違って、人権救済が改善されてきているし、対応も違ってきている。
一方、今までの制度で、フィリピン女性の子供の問題、広島の校長さんたちの自殺など、機能
してきてない問題もあり、チェック必要。
新しい事案への対応が必要だと思う。
田中議員
法案は必要だろう。指摘されたように問題はあるが、それを超えてやるべき。
人権擁護の法が必要ないと思うか?何か対案はあるのか?
亀井議員
広島では人権制度は機能しなかった。「緊密な連携を以て解決をはかる」という文言があった
ばかりに、教育・行政へ解同が入った。この文言について。
自味議員
自分は内科医。医学は人種関係なく平等。福岡4区は炭鉱の町。同和地区が7割だ。道路が
狭い、狭い地域に人が大勢住んでいる、就職できない、不当な差別で守られないのは問題だ。
郵政の仕事をしたとき、放送法に関わった。21条表現の自由の前に12条の自由の濫用の禁
止があるんだ。日本は公共の範囲の中で自由だ。エイズ・ハンセン氏病、これらのことを救済
するのは常識的なこと。百地先生の意見は極端すぎるよ。
鶴輔議員
問題点は確かにあると思うが、百地先生の主張は(レジュメの)1(人権侵害の意味、定義が
曖昧・不明瞭であり、恣意的な解釈がまかり通る危険がある)にしかない。じゃあどうすれば
よいのか?先生の考えはあるのか?
中川議員
8割程は賛同。納得できないのは、公取のこと。公取は人権侵害を行なっている。旭川では
公共事業で談合が行なわれたと令状なしで調査が入り、実名があげられた。指名停止が行
なわれた。その際小企業が、余裕がなくて何もしなかったことで談合に加担したとされて、
大変なことになった。誰が名誉回復してくれるのか。警察・検
察当局に相談したら、令状なしでこんなことをするのは怖いといっていた。
回答
早川議員へ。廃案になったものをそのまま持ってくるのには反対。個別法の必要性はこれか
ら勉強したいが、きめ細かいものをつくるべきだし、今の人権擁護法を改善すべき。法案は、
立法者が出すべきだ。今は対案はない。この法案には反対。
自味議員へ。表現の自由の基準は明確でなければならない。この法案では権限強力になる
と危険だ。
中川議員へ。確かに問題がある。しかし、公取のことを持ち出したのは、それを持ってきて
立入り調査を正当化することがオカシイという意味でいった。
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2005年 4月21日(木)
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□政調、法務部会・人権問題等調査会合同会議
16時(約1時間) 704
議題:人権擁護法案について
さて、第5日回目の審議が行われますが、反対議連は、人権擁護法案反対で押し通す方針です。推進派から、対案要求が頻繁になされていますが、これはいうまでもなく、修正案に持ち込もうとする、推進派のねらいです。
その推進派の提案に対しては、どのような人権侵害があるのか、それを示さない以上、対案を出し様がないことを迫る方針です。
これまでの人権擁護法案でなぜいけないのか、なぜ強大な人権委員会を必要とするのか、そこで、彼らの言う、人権侵害がいかなるものかを暴く必要があります。
彼らは具体的な人権侵害は提案できないようでしょう。出来ない以上対案は対案は出し様がないと突っ撥ねれば良いのです。
以上、あくまでも反対で押し通すことが肝要です。
平成17年4月13日自民党法務部会 議事録要旨
議題:人権擁護法案についての有識者からのヒアリング
●塩野宏東大法学部名誉教授
レジュメの共通認識
1. 差別、虐待に苦しむ人々の迅速な救済の必要性
2. 簡易・迅速・柔軟な裁判外救済制度の整備
3. 救済機関のあらゆる権力からの独立性確保
4. 人権相互の調整の必要性
があると思う。4点目の人権相互の救済が問題となるだろう。国会での参考人発言
のおりの繰り返しではないことを今日は述べる。
・人権委員会は独立性を保つことを前提とし、内閣から独立した機関であることが望
ましい。橋本内閣での行政改革にも合致する。
何処に設置するのか?については、基本法の下、複数の委員会があってもよいし、
包括的委員会があり、必要に応じて委員会を立ち上げても良い。日本の場合、包括
的人権機関と個別救済機関の並立が自分は望ましいと思う。
法案は救済の行なわれない所にアメーバ的に隙間に入ることが重要で、その点では
救済に深みはない。アドホック的なものである。
・パリ原則との関係は、当然これが前提となっているが、パリ原則は各国の状況に合
わせて工夫して然るべきとなっており、我が国人権擁護審議会においては、国内状況
実例を検討して法案が出されたものである。欧米においては、個別に拘束力のあるも
の、被害者に代わり訴訟請求まで出来るという非常に強い権限のある法律もある
が、我が国の法案はそういうものではない。
・人権侵害の定義については重要だとは思うが、人権は憲法で保障され、私人間では
民法・刑法などを通じて適用されるもの、これを間接適用というかどうかは言葉の問題
だが。
本法案は、民刑事は裁判所で確定されることを前提としている。自分で訴えられない人
を裁判所にスムースに案内することが最大の眼目。
・憲法の下に民法刑法等により人権侵害と判断されるが故に、法案はその事象を書き
表したものであり、新たな人権及び侵害の解釈を持ち込んでいるわけではない。故に人
権侵害は不明確ではない。法的解釈、判例で確認されないものは人権侵害とはしない。
・国民の権利に関連して行政作用法のレベルにおいては規律の密度を高めることが、
法治国原理の要請するところである。当該行政作用の侵害の定義によって規律の密度
は高められるべきである、というのが一般論として言える。これを法案についてみると、
第2条一般差別、42条特別救済は、行政作用法の仕様にマッチしている。
これには異論が出ていないと見受けられるので、批判されている所は、仕組みや差別と
いったところにはなく、表現の自由に焦点があると思う。
・私人間の侵害行為が表現上の問題だと衝突があり、線引きを何処にするかと言う問題
になる。
まず国連の人種差別撤廃条約は、被侵害者利益を優先するとしているが、日本はこの条
文は表現の自由の問題からこれを留保している。しかし、これは、差別的言論に全く手出
しをしていないということでは無い。それを受けて答申は出されている。
行政作用法の根拠なしでも行政指導は行なえるし、人権法でも根拠なしにやってきた。当
然差別言動も含んでやってきた。これまでそれが批判でなかった。本法案は独立と一定の
枠をはめることが主旨であり、これが憲法違反というのは言いにくいし、今までやってきた
こと、行政が否定されることになる。表現の自由には反しないと
思う。
今までの人権問題の中心は同和問題であり、糾弾行為が行なわれてきたものを調和的に
処理するのが、課題の一つで、これが重要な眼目の一つである。
特別救済の令状なしの捜査について。正当な理由がないとダメだが、名誉毀損・性犯罪な
ど従来から違法とされてきたものに加えて、畏怖させ困惑させ不快にさせるという明らかに
違法性の強いものを対象としており、過料という刑法上の罪でないものを課すことは、表現
の自由を考慮しても憲法上問題ないと思う。
・正当な理由があるのは当然のこと、比例原則・必要性の原則から見ても、立入り等は必
要性のある場合でないといけないのは当然。
・対象の曖昧性については、法文上例示できない難しさがあるが、差別行為を挙げるのは、
被害者に立法が追い討ちをかけることで、人として私には出来ない。畏怖させ困惑させ不
快にさせ、というのは成人なら分かるだろうし、子供については人権教育の課題であり、過
去すでに述べたことなので、それを見てほしい。
・濫用防止について
問題は2つある。過去、任意調査、説諭ではダメだったので法案が作られたということを考
えるのが必要である。
権限を与えると共にその濫用を戒める手立てが必要。行政法の真髄がそこにあり、比例
原則の厳格な適用をすること。それを立法的に明示する必要があるかもしれない。
また、委員会の透明性をはかることで、濫用防止になるだろう。
・もうひとつは求める側の濫用。新しい権利の濫用の禁止の民法規定にも当て嵌まる。
調査便宜主義ではなく必要的調査義務なので、意図に関わらず、調査対象者の生活を乱
す場合もあるかもしれないので、除外事由などを設けるべき。
その他運用で色々あるかもしれないが、冒頭に挙げたように、差別・虐待に苦しむ人達の
迅速な救済の必要性は共通認識であるので、速やかに立法すべきだと思う。
質問
早川議員
現在の活動でどの程度駄目なことがって法案に結びついたのか。刑務所などの問題もあろ
うが。
個別事案の方が適切だと自分は思う。老人・児童虐待など、平成15年頃よりも司法ネットの
拡充の動きもあるが、どう思われるか。苦しんでいる人とは誰で、どういうケースがあるのか。
柴山議員
共通認識について質問する。中央の委員会が想定されるが、人権委員会は独立性が確保さ
れねばならないと思う。しかし擁護委員がオカシなことをしたらペナルティを課すべきだと思う
が、それは「救済機関のあらゆる権力からの独立性の確保」と矛盾しないだろうか。
訴訟参加権について、被害者本人の意思がどうあろうと訴訟が委員の職権で出来るというのは、
妥当だろうか。
人権侵害の定義について。定義できないと思う。相手が畏怖し、というのは、畏怖したといえば
そうなるわけだが、どうか?
岩尾議員
個別法のほうが狭いが深いと言われたが、自分もそのほうが良いと思う。
今のシステムでは広くて浅い。これは濫用につながるだろう。
古くて新しい同和問題だが、もっと柔らかい形で立法措置は可能だろうか。
回答
・個別立法については、決して否定しないが、個別では日本は動かない。個人情報保護法
でも病院のカルテの問題などがある。困っている人を個別法成立まで待たせられない。
・個別のケースについて。なかなか答えられないが、ハンセンし病、東電OLの写真流出、
加害者の子供時代の写真流出など。
・人権擁護委員へのペナルティについて。情報を広く取ろうという扱いなので、任命権者(首長)
が決定すべきだ。
・調査職権主義について。申出できない人もいるかもしれないのを、ほっておくことが出来るのか?
人権感覚として、人間である以上、そうできないだろう。
●鹿島恒雄 全国人権擁護委員連合会顧問
自分は昭和40年から41年間これに従事しており、昨年まで会長だった。活動の現状としては、
人権思想の普及、擁護活動を目的として発足しており、現在、全国14000人の委員がいる。
現行法では2万人を超えないとなっているが、14000人なのは予算がないからで、なり手がい
ないからではない。
活動の中心は、身の上相談、啓発活動で、役場に赴いて相談を受け、人権週間などに講演会
などを行なっている。小中学生への啓蒙活動では、作文コンテストをやっている。平成16年には
5762校の中学が参加しており、これは全中学校の47.6%。集まった作文の数755390点、
20.5%の生徒が応募。とても誇るべきこと。
人権救済に関しては、子供向けの専門委員がいる。また近隣のトラブルなどにも対処している。
委員は法務局に報告し、その監督の下でやっている。
東京都の人権専門委員は、平成9年から16年まで、8276件の相談を受けている。また子供の
人権カードに電話番号が書いてあり、それを法務局で受けている。救済班というのもあり、訪問
したり面接したり、校長、教育委員会とも話し合ったりもする。
府中市では、フリーダイアルカードがあり、委員1人が専任し、平成9年から16年まで310件の
相談を受けている。
委員の組織体としては、協議会、各都道府県連合会、ブロック連合会などがある。活動について、
その組織で検討答申が出て、事務局が出来、女性ホットラインなどもそれから生まれた。普通の
人が簡単にアクセスできる環境が整ってきている。
昨年、親と子が読める絵本、というのを25万冊配布した。2千万円かかったが、宝くじ協会から
人権委員協力会に寄付があったお金で作成した。作成したのは人権委員。
処遇について、公務員にすべき。お金も必要。公務員の災害保障法も適用されるべき。
(事件があった)情報収集への疑問について。人権委員は法務省に通報するだけ。人権侵犯か
どうかを、人権委員は決めない。
質問
?議員
選挙区の東大阪の人が連合会会長だったので大会を開催したが、予算が不足していて、
大阪で補った。
特定の政治的意見を持つ人は今までにいたか?2万人いればそういう人が入ってくるという
懸念をもつ人もいるが、可能性は?
入ってきたら、その人たちの意見が、反対する勢力の人達から申立てされないだろうか?
藤野議員
賛成の立場から質問。糾弾への対応はどういうものだったのか?
亀井議員
本法案は、三条委員会(*独立行政委員会のこと)で、独立権限を持つ。広島では心配している。
これまでのことで恐怖している。この法律を作る必要あるのか?今までの法律を手直しするだけ
で良いのではないか。
柴山議員
立入り検査を拒否すると30万円の過料を課すのは問題があると思うがどうか。
委員には十分な手当てが必要ではないか。手当てを剥奪することでペナルティを課すことができる。
城内議員
真の人権侵害は何パーセントくらいか。
回答
・特別な政治信条を持つ人が入ってきた場合について。委員を信頼してほしい。識見を持つ人の
集まりだ。特定の人に引きづられることは考えられない。
これから絶対にない、とは言えないが、そのことで組織体が動くとは考えられない。処理する権限
も無いので、中立公正を保っている。もしそうなら、選んだ首長も批判されるべき。
・同和について。糾弾会などへの参加を求められたりするが、これに応えることは戒めている。
60年8月13日に通達が出ている。
・三条委員会の必要性
嘴をはさむことではないが、人権委員会は嘗て、昼行灯と言われた。救済手段がなかったからだ。
当時は、権限を持て、の大合唱だったし、それを受けての、審議会の答申だった。
・立入り検査・令状主義について。このくらいの権限がないと効き目がない。
・手当て・ペナルティについて。1.4万人は手当てについては、是非訴えて欲しいといっている。
ペナルティはつくべきだが、その心配はないだろう。
百地先生 (レジュメを用意し読まれた)
人権擁護法案の問題点
1.人権の定義がなく、人権侵害の定義も曖昧・不明瞭ならめ、人権侵害の美名のもとに不当な
人権侵害や逆差別がなされる危険が大きい。
2.「不当な差別的言動」とか、「相手を畏怖させ、困惑させ、著しく不快にさせるもの」などといった
曖昧・不明瞭な基準のもと、行政権力が国民の言論・表現を広汎に取り締まるのは、表現の自由
を保障した憲法21条に違反する。
3.人権委員会は、「差別的言動」を含む人権侵害の「予防」のため「必要な調査」ができ、人権侵害
を行なう「おそれのある者」に対して、「指導」を行なうことができる。たとえ「差別的言動」であれ、
発表に先立って行政権力が規制するのは「事前の抑制の禁止」に反し、憲法違反である。
4.曖昧・不明瞭な基準のもと、「差別的言動」を規制するのは、平成7年、人種差別撤廃条約の
批准にあたり、我が国政府が「人種的優越・憎悪に基づく思想の流布」等を処罰することは憲法の
表現の自由に抵触するとして「留保」したことと矛盾する。
5.憲法35条の令状主義は刑事手続きだけでなく、行政手続きにも適用されうるとするのが最高裁
の立場である。とすれば、表現の自由・思想の自由などが侵害される恐れのある本件立入り検査には、
事柄の重大性に鑑み、令状が必要と考えるべきである。
解説
(1)
1、法務省によれば、「人権とは、人がその固有の尊厳に基づき当然に有する権利言い換えれば、
各人に生まれながらに備わる権利をいい、実定法的には、憲法により保障された権利・自由が、
その中核となる」とされている。
しかしながら、法案には「憲法により保障された権利・自由」といった限定は付されていないし、
そのような権利・自由が、その「中核」になるとはいっても、果たして「外延」がどこまで及ぶのか、
法務省は明言していない。そのため、憲法に明記されておらず、しかも学説や判例上争いのある
新しい人権、たとえば「自己決定権」
や、靖国参拝訴訟で原告らが主張している「宗教的人格権」の侵害が問題とされた時など、
明確な判断は困難となり、濫用される恐れが極めて大きい。それどころか、そもそも「人権」に価しない、
つまり「人権」とは縁もゆかりもない不当な要求が「人権」の名において正当化される危険さえある。
ちなみに、人権擁護法制定の推進団体であると思われる「部落解放・人権政策確立要求中央実行
委員会」の山崎公士・新潟大学教授でさえ、本法案では「人権」そのものの定義がなされていないこ
とを問題とし、「明確な『人権』の定義が必要である」と批判しておられる(緊急出版人権擁護法案・
抜本修正への提案』解放出版社)。
これは本法案の欠陥を、当事者自らが告白したものと言えよう。
2、法案によれば、「人権侵害」とは「不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為」であり、
「人種等(この中には民族や信条も含まれる)の属性を理由としてする侮蔑、嫌がらせその他の
不当な差別的言動」まで「人権侵害」とされる(第3条2項1号)。しかしながら、この人権侵害の
中には「差別」や「虐待」だけでなく、
「その他の人権を侵害する行為」などといった極めて漠然とした具体性を欠く行為まで含まれて
いる。
しかも法案では「侮蔑」以外に「嫌がらせその他の不当な差別的言動」をしてはならないとか、
「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発する目的」で「文書の頒布、掲示」その他
「公然と摘示する行為」をしてはならないなどといった極めて曖昧な言い方、で広汎に言論・表現
の自由を規制している。
さらに、人事委員会には、人権侵害等について必要な調査を行うため、「出頭要請権」、「質問権」
、「文書の提出要求権」などの「処分」権まで付与している(第44条1項)。
3、この点、法務省は、「人権侵害」とは「特定の者に対して、その有する人権を侵害する行為
であり、本法案第3条1項において、禁止される人権侵害行為の範囲を明確に規定している」
という。しかし、これはただの強弁ないしまやかしにすぎない。というのは、同項で具体的にあげ
られているのは「不当な差別的取扱い」「侮辱
」「嫌がらせ」「虐待」および「性的な言動」だけであり、それ以外に「その他の人権侵害行為」など
といった如何ようにでも解釈可能な不明確な文言が付せられているからである。それに、法務省
がいくら「その他の人権侵害」とは「犯罪あるいは民法上の不法行為にあたるものである」などと
言っても、そのことが法案に明記され
ていない以上、保障の限りでなく、運用上恣意的な解釈がなされる危険がある。
4、実はこの点についても、山崎公士教授は「『人権侵害』を明確に定義すべきである」として、
次のように批判しておられる。すなわち「法案第2条1項は(略)『人権侵害』を定義するにあたり、
差別についても『不当な』という形容詞をつけただけで、不当か否かの判断基準は何も示していない。
この規定では、結局のところ、そ
の判断は全面的に人権委員会に委ねられることになる。しかし、『人権侵害』の定義は、これを
受けた者にもわかりやすいものでなければならない」と。
(2)
1、本法案では、「差別」や「虐待」だけでなく、「差別的言動」つまり「表現の自由」まで規制の
対象とされている。つまり憲法21条の表現の自由が制限されるわけであるから、その当否を
判断する際には、より厳格な基準(明確性の理論)と慎重な取り扱いが要求される。なぜなら、
表現の自由は人格の形成発展や民主主義的な
政治過程の存立維持のため不可欠な権利であり、しかも一度侵害されたならば回復すること
の極めて困難な自由の代表に属するものえだるため、最大限尊重されなければならないから
である。それゆえ、学説や判例は、「表現の自由」を制限する際には、「明確性の理論」「事前
抑制の禁止」などの厳格審査基準を適用して、規制の合
憲性を判断してきた(例えば、芦部信喜『憲法新版』)。
2、最高裁は札幌税関検査訴訟判決の中で、次のように述べている。「表現の自由は、(略)
憲法の保障する基本的人権の中でも特に重要視されるべきものであって、法律をもって表現
の自由を規制するについては、基準の広汎、不明確の故に当該規制が本来憲法上許容される
べき表現にまで及ぼされて表現の自由が不当に制限される
という結果を招くことがないように配慮する必要があり、事前規制的なものについては特に然
りというべきである(最大判昭和59・12・12)
3、ところが、本法案では、単に「不当な差別的言動」であるとか、「相手方を畏怖させ、困惑させ、
又は著しく不快にさせるもの」(第42条1項2号)などといったどうにでも解釈できる極めて曖昧・
不明確な基準のもと、裁判手続きを経ることもなく、直接、行政権力が介入調査してその当否を
判断し、国民の言論・表現を広汎
に取締ろうとしているわけである。このような言論統制は、前述の学説・判例に照らし、表現の
自由を保障した憲法21条に違反するといわなければならない。
(3)
1、本法案が禁止する「不当な差別的言動」(その中には、当然のことながら、単なる「発言」だけ
でなく「文章その他の著作物」も含まれる)は、憲法21条の保障する「表現の自由」にかかわる事柄
であるから、その当否は本来、裁判所が慎重に判断すべきである。また、仮に事前規制をする
にしても、行政権力ではなく、裁判所
による「事前差止め」を限度としなければならない(北方ジャーナル事件、昭和61年6月11日最
高裁大法廷判決)。にも関わらず、行政権力の行使者である人権委員会が、「差別的言動」の
「おそれがある」だけで、「予防」的にこれを一方的に規制するというのは、明らかに違法な
「事前抑制」に当たり、表現の自由を侵害するも
のであって、憲法違反といわなければならない。
2、この点、北方ジャーナル事件では、公職選挙の立候補予定者に対して罵詈雑言を浴びせ
誹謗中傷した雑誌の記事が問題となったが、最高裁は、このような表現であっても、原則として
事前抑制は許されず、「重大にして著しく回復困難な損害」が予見される場合に限り、裁判所に
よる「事前差止め」が許されるとした。にもかかわ
らず、本法案では、単に「不当な差別的言動」の「おそれ」があるというだけで、「予防」的に、
つまり事前に行政権力がこれを調査したりして表現活動を規制するわけだから、これは憲法
違反であると考えられる。
(4)
1、人種差別等を内容とする「差別表現」や「ヘイト・スピーチ」(憎悪、侮辱、著しい不快などを
掻き立てる言動)の規制をめぐっては、アメリカでも論争が続いているようだが、連邦最高裁は
このような規制を違憲としている。
例えば、「人種、出身国もしくは宗教を理由として、人に敵対して憎悪をかきたてるそそのかす
種類の文書を街なかで配布すること」等を禁止した条例を違憲とした判決(スコーキ裁判)や、
人種、皮膚の色、信条、宗教あるいは性別(ジェンダー)にもとづき「他人に怒り、驚愕、あるいは
憤慨を惹き起こさせること」を知ったうえ
で、十字架焼却、スワスティカ(ナチのかぎ十字シンボル)その他の象徴を表出することを禁止」
した条例を違憲とした判決(R.A. .事件)などがそれである(奥平康弘『「表現の自由」を求めて』、
戸松秀典「表現の自由と差別的言論」『ジュリスト』1993年5月1‐15日号)。
2、この点、わが国政府も「差別的表現」の規制については、従来、慎重なはずである。にもかか
わらず、今回、このような曖昧な基準のもとで「差別的表現」を規制し、正当な理由もなく「立入り」
や「文書等の留置」を拒否したものに対して過料まで課すというのは、矛盾であると思われる。
3、他方、わが国の憲法学者の間では、条件つきで「差別的表現」の規制を認める。「条件つき
合憲説」が有力であるとされる(市川正人『ケースメソッド憲法』)。
しかしながら、仮に条件付合憲説に立つとしても、本法案では規制の対象が「人種等の属性を
理由としてする」「不当な差別的言動」となっており、内容、範囲とも、あまりにも曖昧不明確である。
このことは、先にアメリカのケースと比較しただけでも明らかであろう。したがって、このような
「差別的表現」の規制は、正当な表現
の自由(客観的、合理的な論評や批判など)まで封殺してしまう恐れがあることから、やはり
憲法違反であるといわざるを得ない。
4、ちなみに、「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本
政府の意見の提出」の中で、「我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑圧
することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種
差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、
人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない。」と名言しているのではないか
と思われるが、このことと本立法とは矛盾しないだろうか。
(5)
1、この点、法務省は、立入りおよび物件の留置について、「相手方が立入り等を拒否した場合
には強制することはできないから、令状主義に反するものではない」と説明している。しかしなが
ら、「強制できない」というのは正しくない。というのは、本法案では正当な理由なく立入り等を拒
否した場合には30万円以下の過料が課
せられることになっており、これによって間接的、心理的にかなりの強制が加えられるであろう
ことは間違いないからである。
2、また、ここで問題とされているのはあくまで憲法で保障された「表現の自由」や「思想の自由」
を直接抑圧ないし侵害しかねない立入り検査や物件の留置等であって、法務省のあげている
独禁法違反の事実や公害紛争の調査のための立入り検査あるいは物件の留置などとは、
全く性質が異なる。それゆえ、「令状主義に反するもの
ではない」との理由だけでこのような表現の自由の侵害を正当化してしまうのは、詭弁である。
3、ちなみに、前述の川崎民商事件判決の中で、最高裁は次のように述べている。「憲法35条
1項の規定は、本来、主として刑事責任追及の手続きにおける強制について、それが司法権に
よる事前の抑制の下におかれるべきことを保障した趣旨であるが、当該手続きが刑事責任追及
を目的とするものでないとの理由のみで、その手続
きにおける一切の強制が当然に右規定による保障の枠外にあると判断することは相当でない。」
質問
早川議員
7割賛同。しかし折角の法案を無にすることはどうか。拙速に結論出さないで欲しいとは思う。
委員は高齢化していて、交代するときが問題。身分保障されるべきだ。
以前とは違って、人権救済が改善されてきているし、対応も違ってきている。
一方、今までの制度で、フィリピン女性の子供の問題、広島の校長さんたちの自殺など、機能
してきてない問題もあり、チェック必要。
新しい事案への対応が必要だと思う。
田中議員
法案は必要だろう。指摘されたように問題はあるが、それを超えてやるべき。
人権擁護の法が必要ないと思うか?何か対案はあるのか?
亀井議員
広島では人権制度は機能しなかった。「緊密な連携を以て解決をはかる」という文言があった
ばかりに、教育・行政へ解同が入った。この文言について。
自味議員
自分は内科医。医学は人種関係なく平等。福岡4区は炭鉱の町。同和地区が7割だ。道路が
狭い、狭い地域に人が大勢住んでいる、就職できない、不当な差別で守られないのは問題だ。
郵政の仕事をしたとき、放送法に関わった。21条表現の自由の前に12条の自由の濫用の禁
止があるんだ。日本は公共の範囲の中で自由だ。エイズ・ハンセン氏病、これらのことを救済
するのは常識的なこと。百地先生の意見は極端すぎるよ。
鶴輔議員
問題点は確かにあると思うが、百地先生の主張は(レジュメの)1(人権侵害の意味、定義が
曖昧・不明瞭であり、恣意的な解釈がまかり通る危険がある)にしかない。じゃあどうすれば
よいのか?先生の考えはあるのか?
中川議員
8割程は賛同。納得できないのは、公取のこと。公取は人権侵害を行なっている。旭川では
公共事業で談合が行なわれたと令状なしで調査が入り、実名があげられた。指名停止が行
なわれた。その際小企業が、余裕がなくて何もしなかったことで談合に加担したとされて、
大変なことになった。誰が名誉回復してくれるのか。警察・検
察当局に相談したら、令状なしでこんなことをするのは怖いといっていた。
回答
早川議員へ。廃案になったものをそのまま持ってくるのには反対。個別法の必要性はこれか
ら勉強したいが、きめ細かいものをつくるべきだし、今の人権擁護法を改善すべき。法案は、
立法者が出すべきだ。今は対案はない。この法案には反対。
自味議員へ。表現の自由の基準は明確でなければならない。この法案では権限強力になる
と危険だ。
中川議員へ。確かに問題がある。しかし、公取のことを持ち出したのは、それを持ってきて
立入り調査を正当化することがオカシイという意味でいった。
- 関連記事
-
- 人権擁護法案について (2005/05/10)
- 法務部会にて人権擁護法案審議 (2005/04/26)
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- 人権擁護法案関連記事(平成17年~) (2005/01/04)
- 拙速な人権救済機関の設置を目的とする法律の制定に反対する意見書 (2000/01/01)
- 「人権侵害救済法案」国会提出に反対をもとめる意見書(案) (2000/01/01)
- 人権侵害救済法案の問題点 (2000/01/01)
■緊急事態条項の国会審議を求める意見書採択
■22府県/4政令指定都市
(令和5年1月10日現在)
■宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県、新潟県、石川県、福井県、滋賀県、大阪府、和歌山県、島根県、山口県、徳島県、愛媛県、福岡県、熊本県
■千葉市・川崎市・大阪市・堺市
■夫婦同姓を維持し、旧姓の通称使用の拡充を求める意見書採択
■6府県/1政令指定都市
(令和4年5月4日現在)
■熊本県、福島県、栃木県、群馬県、石川県、長野県
■神戸市
■本会FACEBOOK■
美しい日本の憲法をつくる国民の会結成 http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-6361.html
■日本会議の動画を見る■
●日本会議のyoutubeを見る
■日本会議書籍コーナー■
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プロフィール
- Author:日本会議地方議員連盟
- 日本会議(会長 田久保忠衛・杏林大学名誉教授)は、平成9年5月、各界代表や都道府県代表が参加して設立されました。元気で誇りある国づくりをめざして、超党派の国会議員懇談会(会長 古屋圭司)の皆さんとともに全国で国民運動を推進しています。
このたび、日本会議に所属する全国の地方議員が連携し、地方議会から「誇りある国づくり」を発信するため日本会議地方議員連盟を設立しました。(平成17年3月6日)
議員連盟では、外交、防衛、教育、文化などの国の根幹に関わる基本問題に連携してとりくむネットワーク作りを進め、「憲法・教基法」の改正をめざします。
議員会員(年間1万円)には、会員専用サイトを設け、国会の動き、時局問題に対する見解、全国地方議会の動きなど国民運動情報を提供します。
皆さんどうぞご入会ください。
入会はこちらから
●日本会議地方議員連盟へのご入会の案内
■設立趣意書
戦後わが国は、日本の弱体化を企図した占領政策の桎梏から抜け出せないまま、外交、防衛、教育、文化などの国の根幹にかかわる基本問題について、多くの病弊を抱えたまま今日に至っている。
近年、新教育基本法の制定、国民投票法案の成立、さらには防衛賞昇格など、戦後体制を脱却する動きは注目すべきである。しかしながら、その潮流はまだ大きなものとはなっていない。
この時にあたり、今こそ発言し行動する真正保守の結集が問われている。ここに志しある地方議員は「誇りある国づくり」をめざす日本会議と連携し、地方議会よりその動きを起こし、日本の国柄に基づく新憲法制定へ向け日本会議首都圏地方議員懇談会を設立する。
全国の良識ある地方議員が我々の趣旨に賛同され、あまたの先人が築いてこられた、この祖国日本を再建するため、我々は、下記の基本方針を掲げて献身することを誓うものである。
(平成十九年十月六日)
〈基本方針〉
1、皇室を尊び、伝統文化を尊重し「誇りある日本」の国づくりをめざす。
2、わが国の国柄に基づいた「新憲法」「新教育基本法」を提唱し、この制定をめざす。
3、独立国家の主権と名誉を守る外交と安全保障を実現する。
4、祖国への誇りと愛情をもった青少年の健全育成へ向け、教育改革に取り組む。
私たちはめざします。
全国に3000名議員集団を!
「誇りある国づくり」を掲げ、皇室・憲法・防衛・教育等の課題に取り組みむ日本会議と連携し、地方議会を拠点に、次のような運動を推進します。
①改正された教育基本法に基づき、国旗国歌、日教組、偏向教科書問題など、教育改革に取り組みます。
②青少年の健全育成や、ジェンダーフリー思想から家族の絆を守る運動を推進します。
③議会制度を破壊しかねない自治基本条例への反対など保守の良識を地方行政に働きかけます。
【役員紹介】
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緊急事態条項を求める意見書
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通称使用の拡充を求める意見書
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(令和4年5月4日現在)
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憲法改正早期実現国会議員署名
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憲法改正の国会論議を求める意見書採択可決
地方議会にて43都道府県 /112市区町村(令和4年5月4日)
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辺野古移設賛同 地方議員署名
■現在署名数 1812名(231議会)
私たちのめざす 方針と活動
一、新教育基本法に基づいた教育改革と教科書採択を推進する
一、議場への国旗掲揚を推進し、地方から誇りある国づくりを提唱する
一、議会否定につながる自治基本条例を阻止し、議会活動を活性化する
一、ジェンダー思想を相対化する、家族の絆を守る運動を推進する
一、時局問題への対応を敏速に行う
一、研修会、講演会を開催し、会員相互の見識と親睦を深める
一、全国に3千名の地方議員ネットワークを形成する
…………………………………………………………………………
■【人権救済法案問題】
●人権侵害救済法案に反対する意見書案
※人権侵害救済法案の問題点について
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■【自治基本条例問題】
●議会否定につながる自治基本条例の阻止を
①自治基本条例の問題点について
②外国人に対する住民投票権の付与について
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■【議場の国旗掲揚推進】
●地方議会議場での国旗掲揚について
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■【外国人参政権問題】
●外国人参政権に反対する意見書採択について
①反対決議は362市町村議会(H22年9月1日現在)
②慎重議員署名4071名・535議会(同年9月1日現在)
③慎重首長署名568自治体(7県知事221市区340町村長・同年9月1日現在)
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