参政党の吉川里奈衆院議員は18日の衆院法務委員会で、選択的夫婦別姓に反対の立場を示し、「姓を選択できるのは夫婦だけ。子供は選択の自由が奪われる。必然的親子別姓という課題が生じる」と危惧を示した。「家族で姓が分かれることで家族のまとまりや絆を弱め、特に親子別姓は子供のアイデンティティー形成に影響を与える懸念もある」とも語った。
内閣府の令和3年12月調査は、夫婦の姓が違うことによる子供への影響の有無について「子供にとって好ましくない影響がある」と回答したのが69%にのぼった。ただ、「家族の一体感・絆に影響がない」とする回答は61・6%となっている。
見解を問われた鈴木馨祐法相は「建設的な議論を深めていくためにも、さまざまな情報提供をしていきたい」と述べるにとどめた。
世論調査は3択と2択で結果逆転
吉川氏は選択的夫婦別姓への考えを尋ねる世論調査についても、「賛成」「反対」の2択は「賛成」が多くなる一方、「賛成」「反対」「同姓維持+旧姓通称使用」の3択だと現行維持派が多数を占める傾向を挙げ、「マスメディアも3択の答えを出していくべきでは」と提起した。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が7月に選択的夫婦別姓について賛否を尋ねたところ、「賛成」が66・6%と「反対」の25・5%を大きく上回った一方、9月に「賛成」「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用を広げる法整備をする」「反対」の3択で質問すると、「賛成」は38・9%にとどまり、「反対」を含めた「維持派」が計58・5%だった。
吉川氏は「日本だけが同姓の制度だとよく報じられているが、世界に例をみない唯一の制度として、文化や伝統を守りながら、通称使用の法制度を作っていくことも大切だ」と述べ、選択的夫婦別姓の推進を巡っては「背景に過激なジェンダー運動の影響が指摘され、文化破壊の戦略として家族制度が標的にされていると警告される」と指摘した。