【ワシントン=大内清、北京=三塚聖平】サキ米大統領報道官は12日、バイデン大統領が中国の習近平国家主席と米東部時間15日夜にオンライン形式で会談すると発表した。バイデン政権の発足後、両首脳がオンラインとはいえ顔を合わせて会談するのは初めて。
バイデン氏は、中国による台湾への威圧や覇権的な海洋進出、急速な核兵器配備、香港や新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害、新型コロナウイルスの起源に関する調査の必要性など幅広い問題を提起するものとみられる。
両首脳の直接対話は、今年9月に行われた電話会談以来となる。サキ氏は「米中間の競争を責任ある形で管理する方法と、両国の利益が一致する分野での協力方法について話し合う」と述べた。
中国国営新華社通信も13日、北京時間16日午前に米中首脳オンライン会談を行うことを報じた。新華社電は「中米関係と、双方が共に関心を持つ問題の意見交換を行う」と伝えている。
中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は12日の記者会見で、米中首脳会談について「中米関係を、健全で安定した発展の正しい軌道に戻す」ことを望むと米側に呼び掛けている。
中国を「唯一の競争相手」と位置づけるバイデン政権にとり、現在の最重要課題は中国軍による挑発的な行動が続く台湾海峡の安定維持。米国は、人民解放軍が創設100年を迎える2027年までに、台湾への軍事侵攻の選択肢を習指導部に提示できるよう準備を進めているとみて、警戒を強めている。