ご注意
改造にはリスクを伴います。また、下記の内容は動作を保証するものではありません。自己責任でお願いします。
パネルヒーターには気の利いた外部インターフェースなど存在しない。ネットワーク経由で遠隔操作するためにはパネルヒーターの操作盤の回路に割り込むような仕組みを入れ、遠隔コントローラーとなるPandaboardと接続する必要がある。せっかく遠隔操作をするのであれば、電源ON/OFFに加え、水温のUP/DOWN、そして操作盤に表示されている設定水温と現在の水温、各種LEDの状態も回路的に読み取るようにしたい。
先ずはこの操作盤がどのような回路構成なのかを解析してみる。モノを見ながらテスターを使うのが定番だが、今は手元には無い。こんなこともあろうかと、写真だけは撮影しておいた。下記は部品面とハンダ面の写真である。基板を見る限りは、2層基板。Pandaboardの様に多層基板でブラインドビアとか使われたら解析は不可能だが、この程度なら写真だけで調べるのはそれほど難しくもない。
Photoshopを使うと、更に解析は楽になる。下記はハンダ面をミラーリングして透過率を50%にし、部品面と合成したもの。見易いようにハンダ面のパターンは色を変えてみた。プリント基板のビアを通してのパターンが読み易くなる。流石に部品の下のパターンまでは見えないので、解析した回路は一部想像が含まれている。
この写真を元に操作ボタンとLED周りの回路を解析し、回路図にしたものが下記。
4bitマイコンのGPIOを節約したかったのか、7セグLEDのダイナミック点灯回路のセグメント点灯用ポートとキースキャン回路の入力ポートが兼用になっているようだ。
LEDだけの回路構成であれば、LEDのアノード側に接続されたGPO2でセグメントの点灯/消灯を決める。点灯であればダーリントントランジスタアレイ2が駆動され、GPO3がHighになればコモン用のダーリントントランジスタアレイ1の引き込み電流でLEDが点灯する。表示する桁に対応したセグメントのLEDが灯ることになるので、これを桁毎にコモン側、即ち桁毎のGPO3を切り替えながら順番に繰り返せば、残像で全ての桁が同時に表示されているように見える。
この回路では、この点灯周期の一部の期間に、キースキャンも行っていると思われる。キースキャン時はマイコン内のGPO3をドライブしてGPI1経由でPUSH-SWの状態を読み出しているようだ。
最初はGPIOが足りないが故に、LEDの点灯回路のポートとキースキャン回路のポートを兼用にしていると考えたが、ハンダ面を見るとGPIOが余っており、空きピン処理であるプルダウン抵抗が多数見える。ネット数は増えるかもしれないが、素直にLEDとキースキャン回路を分割した方が部品点数や基板面積の削減に寄与し、全体のコストは下がると思う。既存のソフトを修正せずにマイコンを置き換えたい、即ちソフトにハードを合わせた結果なのかもしれない。
次は仕様を具体的に考え、どんな回路を後付けするか検討する。スイッチ操作だけなら単純な回路で済みそうだが、設定温度をモニタリングするとなるとFPGA/PLDの出番か。
theme : 自作・改造
genre : コンピュータ