はてなキーワード: 線香花火とは
最初に気づいたのは黒猫で、香箱座りのまま「にゃ」とだけ言って、まるで前から知っていたみたいな顔をした。
私は半信半疑でSuicaではなく豆大福をかざしてみたが、改札機は律儀に「ピンポーン、残高不足です」と答えたので、どうやら本物らしかった。
困ったのは、その日から家の中の移動すべてに改札が必要になったことだ。トイレへ行くにも改札、冷蔵庫を開けるにも改札、ちゃぶ台返しをする前にも改札である。
母は最初こそ怒っていたが、「台所―縁側間は定期券があったほうが便利ね」と言い出し、ついには炊飯器の横に駅長みたいな顔で立つようになった。
父はもっと深刻だった。朝、会社へ行こうとして玄関のドアで引っかかり、「この切符では屋上までしか行けません」と言われてしまったのだ。父は一度も屋上に用事などない人生だったので、その場でかなり落ち込んだ。
しかたなく私は、裏庭の秘密基地にいるという噂の駅員を探しに行った。竹林の奥、石灯籠の横、やぶ蚊だらけの小径を抜けた先で、その駅員は本当にいた。麦わら帽子をかぶった柴犬だった。しかも名札にはきちんと「助役」と書いてある。
「あなたの家は先月から、軽く異世界線に接続されています。よくあることです」
「解決方法は簡単。今夜、満月の下で線香花火をしながら、冷やし中華に謝ってください」
意味はひとつもわからなかったが、これまでの人生で改札機がこたつから出てきた経験もなかったので、私は従うことにした。
その夜、庭で家族全員が無言で線香花火を持ち、ちゃぶ台の上の冷やし中華に向かって「このたびは本当にすみませんでした」と頭を下げた。すると風鈴がちりんと鳴り、遠くで踏切が開き、こたつの中から小さく拍手が聞こえた。
翌朝、改札機は消えていた。
速いテンポで変化する現在、1つのブランドの生命力は、製品そのものだけでなく、成長し続け、突破し続けるコアにある。BeYourLoverは、常に進化の道を歩んでいるライフスタイルブランドであり、既定の枠組みを固守せず、過去の成績に溺れず、持続的な革新をベースに、生活温度を伝えると同時に、新しい価値と良質な体験を用いて、現代人のためにより質感のある生活図を描いている。
本当に時間の試練に耐えられるブランドは、永遠に「上に成長する」姿勢を持っており、BeYourLoverの魅力は、この永遠に止まらない進化力に由来している。
ディルドの反復から理念のアップグレード、サービスの最適化から体験革新まで、BeYourLoverは常に生活ニーズの変化に追いつき、固有の境界を打破し、探索の中で突破し、革新の中で成長している。それは線香花火のような流行の追従者ではなく、長期主義を初心として、進化のたびにブランドの基礎を沈殿させ、「持続的な進歩」を遺伝子に刻み込まれた堅持にし、ブランドを常に生き生きとした生命力を維持させ、時代と同じ周波数で、生活に同行させる。
生活の素晴らしさは、新しい可能性を発見し続けることに由来し、BeYourLoverは常に新しい生活価値の提案者になることに力を入れている。
それは伝統的なブランドの思考定式化から飛び出して、現代人の生活シーンと感情の需要に立脚して、満たされていない期待を掘り起こして、もっと現在の生活理念に合うことを伝えます。シンプルで快適な生活態度であれ、洗練された実用的な生活様式であれ、品質と温度を考慮した生活の追求であれ、BeYourLoverは革新的な視点で生活を再定義し、新しい価値主張を用いて、人々に生活を見る新しい視点を開き、日常を平板にしないようにし、生活により良い選択を持たせる。
進化と革新の最終的な着地点は、ユーザーにより良い体験をもたらすことであり、BeYourLoverが一貫して守ってきた初心でもある。
ラブグッズの製造において、ブランドはますます精進し、材質の選択から技術の磨きまで、設計の工夫から実用的な性能まで、すべての細部に工夫を凝らし、よりニーズに合った、より品質感のある製品を提示するためだけに、サービス体験では、常にユーザーを中心に、サービスプロセスを最適化し、サービスの質感を向上させ、親切で専門的で効率的なサービスで、すべての選択が心を込めて扱われるようにしています。
良いブランドは、生活の同行者であり、より素晴らしい創造者である。BeYourLoverは持続的な進化を原動力とし、価値革新を導きとし、品質サービスを基礎として、前進の道で絶えず自己を突破している。未来、それは依然として初心と愛を持って、生活のより多くの可能性を探索し続け、より良い製品、より良いサービス、更新の価値を用いて、一人一人がより理想的な生活に出会い、自分だけの生活美学を生きることに付き添う。
良くも悪くもワナビー初心者が書く掌編小説みたいな映画だったな55点。
様々な境遇――受験に人生を支配される主人公、学校でいじめにあうはるか、病気で余命幾許もない諒――の3人はとあるオカルト情報を元に集まる。それは夏に廃飛行場で花火をするとサマーゴーストと呼ばれる幽霊に出会えるという噂。廃飛行場で花火を行い、最後の線香花火に火をつけたとき彼女は現れる。死を意識する人にしか見えないという彼女と少年たちのひと夏の思い出。
みたいな話。
40分の短編アニメーション映画で初期の新海誠監督作品、例えば「ほしのこえ」みたいな作風になってる。美しい背景にラフ画や絵コンテみたいなキャラクターがアニメーションするみたいな感じで2020年代、after成長した新海、鬼滅の刃時代にこのクオリティはかなり厳しいと感じる人もいると思う。まぁ見てるとあんま気にならなくなるし、監督はイラストレーターやキャラデザを行う方で原画なども担当しているとのことで、文字通り「絵になる」シーンも多い。
途中、サマーゴーストに連れられて幽体離脱し空を飛びそこから落下し地面に激突するかと思いきや地面という名の海の中に沈没していくシーンなんかは粗削りだからこそのダイナミックさやCG処理の美しさなどがあった。まぁ今どき空飛んで落下してドボンかぁというのはあるが。
だがストーリー面に関しては申し訳ないけど圧倒的に尺が足りないと言わざるを得ない。
あらすじでも書いたような重いバックボーンを抱えた3人が幽霊との出会いによって人生を少し変える話、としては最低でも後20分。できれば40分くらいはほしい。ただこれはだから悪い映画だと言いたいのではなくて、それくらいの長尺にも耐えられるだけの映画であるはずだという意味でもある。
まぁ、イラストレーターさんが中心に作った制作会社の初めての商業作品。原案はともかく脚本は乙一さんなのでもっと詳細な話も書けただろうけど、そうしなかったのは予算が厳しかったのか純粋にマンパワーが厳しかったのか、監督としての力量が厳しかったのかはわからないが、描けているところは素晴らしいがゆえに様々な欠落が目についた。
例えば死を意識した人にしかサマーゴーストは見えない。苛烈ないじめを受け実際に自殺未遂を図るはるかや、大好きだったバスケもできなくなり、後輩に春を迎えられないと語るも冗談にしてしまう諒はわかる。しかし主人公は母親に受験のために厳しく生活を制限され本当は描きたい絵も封印しているというところは伝わるが、他の2人に比べると動機があまりに薄く見える。ノベライズ版では母親の毒親描写がドチャクソに増えているらしいが本作では「厳しい教育ママ」という印象から抜け出さない。おそらくシングルマザーで父親は死んだのか出ていったのかは作中では明かされないが、そこに彼が本心では求めている絵を描くという行為を絡めて深みを出すこともできたはずだが、そこまでは触れない。
またこの3人が集まり、そこにサマーゴーストが加わることで4人のケミストリがおきそれぞれの意識が変わるというのがおそらくあるべき作劇だと思うのだが、3人はそれほど深く話し合ったりもしないしサマーゴーストと深くかかわって変わっていくポジションはほぼ主人公に託されてしまっている。
そんな様々な欠落を抱えながらも透明感のある画面と青春のみずみずしさや、乙一による「きっとおそらくここでは何かがあったんだろう」とは思わせてくれる話運びの巧みさはあるので「なんだこれ意味わからんおもんない」とは俺はならなかった。
特に自殺した女の霊だと思われていたサマーゴーストが実は殺されて埋められていたことがわかり、主人公は彼女の死体探しに没頭する。(おそらく)死を求めていた主人公が、死を探すことで自身の生を見つめ直す。そしてスタンドバイミーよろしく3人で死体を探し、それを発見し、いざ対面する時に主人公は自分の中の死と出会い「死者の国への最後の招待状」を突き付けられる。そこで彼を生に引き戻すのがもう招待状を受け取ってしまっている諒の声だというのは作劇としてあまりに美しい。
1年後の夏、母親を説得しおそらく芸大か美大の受験を決心した主人公、まだいじめは終わっていないが戦うことを決めたはるか、そして諒が3人揃ってまた廃飛行場で花火をしているシーンに移るがそこにはもうサマーゴーストはいない。そうして花火が終わると諒は消える。
決してハッピーエンドではないし自体は大きく好転もしない。それでもひと夏を通じて何かが終わり、何かが始まる。
そういう映画だった。
ちなみに劇伴はいかにもキレイ目なアニメ映画劇伴ですよ!って感じのピアノと弦楽器多めのメロディアスな曲が多くてあぁアニメってやっぱ曲と絵で盛り上げるエンタメだよなと最近は実写ばっかり見てたので強く思わされた。
俺は学生時代に小説投稿サイト(まだ小説家になろうとかが出てくる前か黎明期)に入り浸っていてその時に、学生さんが書く「イメージ先行」の掌編小説を山ほど読んだ。彼ら、彼女らの小説は情報や描写は足りず話はめちゃくちゃで「ちゃんとした小説」を目指す人から散々叩かれたりしていたけれど、ただちゃんとした小説を書いて商業に乗せたいというだけの人にはない「絶対にこのシーンが書きたい」という思いが見えたり「この文章を書きたい」という文章自体への高い熱量がある作品も少なくなかった。
中年男性の苦い思い出話なので花火ソムリエの人は読まなくていいやつ。
二十年は昔の話だけど、抱え込んでると心理的負荷が一向に下がらないというかむしろ記憶が結晶化して死ぬまで恨み続けるのだろうなという気がしてきたのでこういう形でテキストとして吐き出す。
高校の頃、気の合う人(異性)がいた。(以降、「その人」とよぶ)
文化系の部活で一緒で、どちらも対人関係があんまり積極的ではない感じだったのだけれどなんとなく馬が合い、放課後に部室で2人~4人ぐらいでのんべんだらりとしたり、たまに一緒に帰ったり、あれやこれやは略。で、恋愛関係では無かったけど、「周囲からは付き合っているのでは?」と言われ、たびたびそういう噂も立っていた。
まあでも、当人からは何か噂が立つたびに「一緒に居るのは楽しいけれど、それはそれとしてあなたのことは異性と見れないし、噂が立つのはものすごく 迷惑なのだ」と繰り返し言われ続けていた。その一方で、誤解を受けてもしょうがないような、友達と言うにはちょっと近すぎる距離感でもあった。
当時はそういうふうに言われるのもしょーがないと思っていた……けれど、やっぱり向こうが望むような距離感を保つことに疲れたのと、「自分自身が迷惑な存在であること」というのを繰り返し言われ続けることがかなり辛かった。いや一緒に居るのは楽しかったけどそれはそれとして。
高校を卒業してからは積極的に連絡を取ることはしなかった。ついでに、大学は東京を挟んで日本の反対側ぐらいの地域に行って、物理的な距離も取った。もうこれで「自分が迷惑な存在であること(を繰り返し思い知らされること)」という思い出から脱することが出来た……と思っていた。
のだけれど、大学卒業したタイミングで高校の同窓会があって。田舎なので一次会が終わったあとは川辺でみんなして花火となり、なんとなくその人と二人きりで向き合ってひたすら線香花火を消費する流れになってた。
なんでそんな(外見上だけは)エモいシチュエーションになってるのだ。意味が分からない。
しかも、いつの間にか線香花火の玉が落ちそうになったら相手の玉と融合して延命みたいなルールまで(向こう主導で)生えていた。なんだそのエモさ。訳が分からないよ。
向こうの恋愛感情に火がついてるみたいなことはなく(双方共に「今付き合ってる人が~」という話をしてた)、その人はむかしどおり「お前は迷惑な存在なのだ」と思っているのだろうけれど、それでそんな距離を縮めるのやめれ……「そういうの恋人とやればいいでしょ俺じゃなくて」という気持ちと「でもそれはそれとして楽しい」という気持ちがせめぎ合ってこちらの情緒が壊れる。というか壊れた。高校の頃から壊れていたけれど、決定的に壊れた。
それから20年ぐらい経つけど、未だにぽっかり時間が空いたときとかにいつも心の中で「それはそれとして、お前を異性として見られないのだ」みたいな言葉が延々と反芻されてるし、その人とは最大限距離を置き続けている。
「男女間の友情が成立しうるか否か」的な問いに一般解は無いけれど、しかし一方が辛みを持ち続けてしまう関係性になってしまうとちょっと辛すぎる。そして、若い頃はストレートに「こちらはこんなに辛いのだ」みたいなことを言えなかったし、痛みを率直に言えるような(擦り切れた)年齢になってしまうと今度は「わざわざ合う機会を作って辛みを訴える」というヤバい人になってしまうので言う機会がない。
ぐるぐる。
https://anond.hatelabo.jp/20220401215805この記事以降で自分が個人的に見かけたやつを記憶を頼りに書く。全体の動向を反映するとは限りません。
774inc.が新しいサーバーをスタート。ソニー箱のVEEもマイクラを始める。にじさんじの各サーバーが接続された。
・ARK
774inc.が新(
・Vampire Survivors
飽きられると言われながらも300円は強い
・Phasmophobia
コラボホラゲーの王
・原神
見ているVが偶然やってる感じ
・Euro Truck Simulator 2
某新人V一人の影響
・RAFT
・Cooking Simulator
セールの影響あり。初プレイのチュートリアルから★5出してビビる。
・パワプロ
・スプラトゥーン2、3(new)
3の発売でブーム再燃。追記:勘違いしていたが3はまだ発売していなかったので見たのは2のみ。
・Cult of the Lamb(new)
・Stray(new)
猫サイバーパンクゲー。あざとい
・おじさんと遊ぼう(new)
・RUST(new)
自分が見ているのはPvP苦手なVが多くて、あまり見かけず残念
・PowerWash Simulator
・The Forest
・オーバークック2
箱間の交流に向いている気がする。
・fall guys
思い出したようにやるVがいる。ステージ増えた。
・Unpacking
新人が登竜門的にやるパターンあり?壺おじポジションに入ったか。
・雀魂
一度くらい参加型に出てみたい
フリーゲーム。同じ作者の作品の中でも息の長い強さ。最近更新があったようだ。
・Yakiniku Simulation(new)
・Takoyaki Party Survival(new)
手が止まらなくなる新顔の作業ゲー。焼肉シミュとは違い雑談には意外と向いていないらしい。
・流しマッチョメン(new)
体に油塗ってんのかーい?
・もろだし相撲(new)
ノーコメント(保身)
・Pacify
Phasmophobiaとニッチが被る。コラボには参加者全員が持っている必要があるので特定のゲームに集中しやすい傾向が出てしまう?
本体より主題歌「INTERNET OVERDOSE」のカバーが旬?カバーするのに未プレイはマズいので実績解除しておかないとね
やるとアークナイツ民が配信を見に来るらしい。数字を出せる代わりにチャットの管理は難しいのかも。
・GTA5
・壺おじ(Getting Over It with Bennett Foddy)
罰ゲームにされてた
・龍が如く
暴行モーションのエグさにVが引いてた
おれは新幹線に乗り、家へ帰る途中だ。
通路を挟んで隣の席のモンキー・ボーイ達は、乗り込んでからずっとしゃべりっぱなしだったが、話すことが無くなったのか、やっと静かになった。
やれやれ、とおれはトイレに立つ。あと1時間、席に座り続けるには、途中でトイレに行って、ついでに通路で少し足腰を伸ばす。これが一番だ。
男用のトイレには鍵が無く、ガラス越しに通路から背中が見える。少し不安なポジション。だが臆せず、おしっこの放物線をイメージする。アクション。初め、勢いがない日本のラインを描きながら、徐々に回転し、ついに一本の美しい弧を描くことに成功する。
トイレのライトは真上から、おしっこを照らす。そして気づく。おしっこの影。おしっこが便器に当たる直後、弾け飛び水滴が周りに散る。おしっこと水滴の影。まるで線香花火だ。形を変えながら弾け続ける、儚い夏の夢。美しい。
新幹線の外は激しい雨だ。窓の水滴は、真横に流されて尾を引く。右から左へ、時間の流れを表す直線、タイムライン。この夏は一度きり、過ぎ去った時間は戻らない。
日曜日の、遠方から来たらしい客が店の前で堂々と大麻のようなものを吸って店内に激臭いにおいが充満した件は、結局オーナーに伝えずじまい。
オーナーはいつもイライラしているが、昨日もかなりイライラしていて、こちらから余分な口を利けるような状況ではなかった。大麻らしき悪臭事件が「余分なこと」なのかはしらないけど。そもそも、私とAさんどちらも本物の大麻のにおいをそれと知って嗅いだことはないので、大麻かも? というのは推測に過ぎない。激臭いという噂の煙草「ガラム」や葉巻の臭いだったかもわからない。ただガラムだと火を点けたら線香花火のような火花が散るというので、客が何かを吸ってる所をわざわざ見に行ったAさんがそれについて何も言わなかったから、ガラム説は無しかもしれない。
ともあれ、オーナーが私の話にまるで聞く耳持たない感じだったので、報告しても余計な口を利くなと怒り出すだけだろうと思って口を噤んだ。いいんだ、どうせこの店はコイツの持ちもんだ、と思って知らなかったことにする。
オーナーのイライラの原因はたぶん夕方から入っていたバイトの面接だと思う。面接に来たのはすごくガタイのいい(柔道かレスリングやってそうな類い)女子高生だった。オーナーは若者相手にダラダラくっちゃべるのが好きなのだが、今回は何時もの面接通りくっそ長かった(毎度一時間はかかる)が、あまり盛り上がってる感(毎度オーナーが一人で盛り上がってる)がなく、イライラした様子で事務所を出、すごくガタイのいい女子高生もそそくさと帰っていったので、不採用だったのかもしれない。
オーナー相手に老婦人客がキレにキレて帰っていった。老婦人客は煙草のKOOLのパッケージにペンギン描いてあるやつの色が薄い方をオーナーに注文したのだが、その注文の仕方が独特だった。この煙草を所望のお客様が煙草の名称を言うことは普段ほとんどない。
とか、
などと言うお客様がほとんどなのだ。だが、キレた老婦人のお客様は、
と言った。しかも煙草棚の特定の部分をじっと見ながらとかいうこともなく、ただ、
と繰り返すので、オーナーは棚をざっくり見渡して、
「ないはずがないでしょう、あなたすぐそこにあるのに見えないの!?」
とかなんとか、店じゅうに響きわたるほど怒鳴り散らし、でも煙草の番号を言ったりある場所を指差したりしたくはないらしく、レジの前でオーナーを罵り倒していたが、オーナーが「ない」の一点張りで通そうとしたのでやがて痺れを切らし煙草棚のループドキングのある場所の前まで行ってカウンターから身を乗り出すようにして、
「そこにあるでしょう!!!!!」
と金切声を上げていた。
だがオーナーは老婦人客がキレまくってることなんか意に介していない様子でのろのろ歩いていくと、エメラルド色の箱を取って、
「ふーん、これがループドキングっていうのかぁー。初めてしったなー」
なんて呑気に言った。
老婦人客は帰る時に私が「ありがとうございました」と言うとなんかすごい早口で怒鳴り散らして店を出ていった。
と命令したので、私は「わかりました」と答えてすぐに「ラテのマシン“から先に”」洗い初め、次にラテは作れないマシン洗ったらオーナーがキレた。
「僕はラテマシンを洗えと言ったんです! それは洗えなんて言ってないです! 洗わなくていいです!」
こんな理不尽は何時ものことなので、私は「わかりました」と答えた。謝ると余計に面倒臭くなるので謝らない。
そんなこともあったので余計に先日の大麻疑惑の件を話す気がなくなった。
トイレ掃除をしている時に、ふと、当店によく来るお客様に大麻は違法だが事実上取り締まられていない国から来たアジア系の人と、どこの国出身か不明の白人の二人組がいることを思い出した。二人組のうち白人の方が日本の悪しき文化である「いじり」を軽々しく使ってコミュニケーションを図ろうとしてくるクソめんどい人なんだけれども、そのぶんこっちから話しかけても鬱陶しがりはしない人なのだ。
もしもあの大麻疑惑事件の時にあの二人組がたまたま来店していたら、「これって何の臭いか分かります?」って聞けば、ガチで大麻だった場合「大麻だよ」って教えてくれただろうけど、
「日本、大麻違法なのになんで君たちはあいつら捕まえないんですか?」
とか苦言を呈されそうだなと思った。
ところで、数年前、当店に勤めるまえに勤めていたコンビニで、深夜店番をしていたらパトカーが数台やって来て、店の駐車場に止まっていた軽自動車を警察官が取り囲んで運転手と同乗者を捕まえたということがあった。車に乗っていた人達が麻薬を持っていたらしい。
その時店番をしたのは私と底意地の悪いシルバー人材の人だけだったのだけど、何が起きたかわからず二人揃って震え上がり、物理的戦闘力では定評のあるイケメン正社員氏を電話で叩き起こして早めに出勤して来てもらったのだった。早めに来いと言ったのに遅刻してきたけど。
そんなこともあった。