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わんこら日記
甘くて切ない日記。わんこら式数学の勉強法、解説記事

整数問題、ab+1≦abc≦ab+bc+ca+1(c<b<a、a,b,cは自然数)の時のa,b,cは?
整数問題は甘くて切ないことで有名ですが、今回は整数問題を取り扱いたいと思います。
質問された問題なので出題は不明です。



[問題]
a,b,cはc<b<aを満たす自然数とする。
ab+1≦abc≦ab+bc+ca+1
が成り立つ時a,b,cを求めよ。




[解答・解説]
この問題は整数問題でよく使うパターンを上手く使えば意外に結構簡単に解けます。


まずは
ab+1≦abc
について考えてみましょう。


080516_3.jpg
ab+1≦abc

ab<abc

1<c

2≦c


これは整数ならではの変形です。


整数でよく使うのが

m、nを自然数とすると
n+1≦m⇔n<m

です。

具体的に言うとエンピツが3本以上ってことは2本より多くて、
エンピツが2本より多いってことは3本以上ってことです。


当たり前のようですが、これを上手く使うと
ab+1≦abcがab<abcになって余計な1が消えてabで両辺割れます。

こうやって不等式が不明な文字で割れるように持っていくと
1<c
が出ます。

1より大きいってことは2以上つまり2≦cです。


もっかい言おか?
m、nを自然数とすると
n+1≦m⇔n<m
をよく使います。


今の場合必要十分な変形でしたが、整数特有の変形をして必要条件な範囲を出していって答えの候補を絞っていくのがコツです。


次は右側の不等式abc≦ab+bc+ca+1を変形してみます。
080516_4.jpg
abとbcとcaではabが一番大きいです。
と言うことは右側は3abで抑えられるかもしれません。
そうなればabc<3abになってabで割れます。

まず
ca+1<ab
です。
これはc<b<aだから当たり前かもしれませんがちゃんと計算するには
ca+1よりはca+aの方が大きくて
ca+a=(c+1)a
またbはc+1以上なので
ca+1<ab
とやればやれます。
ちょっと複雑なことやってますがca+1<abのはずとわかるところが大切です。

またbc<abは当たり前です。
と言うことは、

ab+bc+ca+1<3ab
になるから

abc<3ab
でabで割れて
c<3

となって2≦c<3だからc=3と決まります。
こうやって一番大きな文字の項abで抑えていくとabで割っていくのがコツです。

整数特有の変形で必要条件から出た範囲で答えを絞るどころか、答えが出ました。



c=2を代入しましょう。
080516_1.jpg
左の不等式に代入しても何も出ないので、右の不等式を考えます。
すると
ab≦2b+2a+1
になります。

またここで同じように一番大きな文字の項2aで抑えていってaで割ったら何か範囲が出ると思われます。
だから
2b+1<2a
にならないか考えます。
これはb<aだから当たり前ですが一応さっきのように
2b+1<2b+2=2(b+1)≦2a
とやれば計算で出来ます。

よって
ab<2a+2a=4a
になってaで割れて
b<4つまりb≦3とわかります。
c<bつまりbは2より大きいので、b=3と決まります。


さて、
m、nを自然数とすると
n+1≦m⇔n<m
をよく使うことを頭の片隅に入れてください。


c=2、b=3と決まりました。
もう後は簡単です。
080516_2.jpg
代入すると
3a+1≦6a≦5a+7
でこれを解いてa≦7だから3=b<aとあわせて
a=4,5,6,7
とわかりました。



この問題は答えが決まりましたが、だいたい範囲を出すと整数だから候補は絞られて後は実際に代入して調べてみるって感じになります。


実はm、nを自然数とすると
n+1≦m⇔n<m
をよく使います。

もうええわ!


他の解き方には
2≦c<b<aのところから


2≦c<b<a⇔0≦c-2≦b-3≦a-4

と全部≦の形にしてこの前の問題1/(a+b-c) + 1/(b+c-a) + 1/(c+a-b) ≧9/(a+b+c)を示せ。(a,b,cの三角形の辺の長さ)みたいにx=a-4、y=b-3、z=c-2と置くと0≦z≦y≦xと条件が簡単になってabc≦ab+bc+ca+1に代入してxyzで表すとそこそこ解けます。

こっちの方がどっちかと言うと機械的に解けるから、解けない時はこれもためしてみましょう。


もうひとつの解き方はまた2≦c<b<aのところから
f(c)=ab+bc+ca+1-abc=(b+a-ab)c+ab+1
2≦c<b
とcの一次関数と考えてb+a-ab=-(a-1)(b-1)+1<0だから減少関数だからf(c)≧0(←示すべき不等式)であるにはf(2)≧0であることが必要で
f(2)=2b+2a-ab+1
またf(2)を
g(b)=2b+2a-ab+1=(2-a)b+2a+1
3≦b<a
とbの関数と考えてこれは2-a<0だから減少関数だからf(2)≦0であるにはg(3)≦0が必要であるとわかります。

g(3)=-a+7よりa≦7
でaの考えられる候補は4≦a≦7よりa=4,5,6,7とわかります。

まあこういう感じで、しんどいですが機械的にいつかは解けます。
孤独との戦いです。

これは解析的な解き方ですね。

高校数学の問題と解説

整数問題の解法の解説と問題演習

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