確か春休みは位相について勉強しなあかんとかオレは書いてたな。
やっぱり、みんながみてるこのブログに書こうとするとやる気になって一番勉強になるな。
確かにこの方法では、勉強をしながら人とコミュニケーションもできて、かつ
「かずゆき先生はなんでそんなに数学できるんですか?」
「いやいや、そんなことないって」
「それじゃあ、この問題教えてください」
「う~ん、これ何って読むんやったっけ?」
「それは、れんしゅうもんだいって読むんですよ」
「そうやそうや、もうオレ数学以外のこと何もかもできへんから助かるわ」
「もぉ~仕方ないなぁ~。私が先生の面倒見てあげる」
という禁断の領域の補集合の内点のうちAの集積点になるものも考えられるやろ。
またわけのわからんこと言いだしたでこの人。
じゃあ、無理矢理位相の話をするか。
物理の波動関数の位相(phase)じゃないで。
数学の位相(topology)な。
やっぱり、集合と位相の講義は一限目やったから一回も授業行かずに勉強時間がテスト当日の朝の電車の中だけで単位とったのがまずかった。
まず位相の定義は
Xを空でない集合とする。
Xの巾集合P(X)として
O∈P(X)が、次の三つの条件を満たす時位相という。
1、X∈O、Φ∈O
2、U1、U2…Uk∈O⇒U1∩U2∩…∩Uk∈O
3、Uλ∈O(λ∈Λ)⇒∪Uλ∈O(λ∈Λ)
でこの位相Oがあたえられた集合Xを位相空間(X,O)と言いOに属すXの部分集合を位相空間(X,O)の開集合という。
相変わらず意味がわからんこの定義。
ここで話は変わって、実数Rを話をしよう。
実数Rにおいて、Rのすべての開集合からなる集合系をOとする。
1、R∈O、Φ∈O
2、U1、U2…Uk∈O⇒U1∩U2∩…∩Uk∈O
3、Uλ∈O(λ∈Λ)⇒∪Uλ∈O(λ∈Λ)
が成り立つ
1はR自身はどんな点aに対しても|a-1|⊂Rだから開集合で、空集合ΦもΦの内点はΦだから開集合。
2は有限個の開集合の共通部分も開集合
3は任意の集合系Uλ∈O(λ∈Λ)の和集合は開集合
まあそら開集合の和集合も共通部分も開集合やろ言うこの性質で、しかも別に開集合じゃなくてもどんな集合でも成り立つやろ思うとこやけど、よく見ると2と3の違うところは2は有限なのに対して3は無限個の集合系の和集合も開集合でないといけない。
もしOがすべて閉集合からなる集合系としてOの元の無限個の集合系
Un=[-1+1/n,1-1/n](n∈N)
を考えると、U1={0},U2=[-1/2,1/2]…Un=[-1+1/n,1-1/n]…って言うどんどん開区間(-1.1)にむかって大きくなる閉区間だからこのすべての和集合は
∪Un(n∈N)=(-1,1)
と開集合になってしまって3は満たされなくなってしまう。
そこでこのすべての開集合からなる集合系の三つの性質だけをとりだして、この実数の開集合全体の集合系からもっと拡張した位相と言う概念を考えて、この三つの条件を満たす集合族を位相と定義し、その元(集合)を開集合と定義する。
とりあえず空でない集合Xを考えて、そのXの部分集合の集合(つまり部分集合の族)Oをうまく都合がいいように選んで
1、X∈O、Φ∈O
2、U1、U2…Uk∈O⇒U1∩U2∩…∩Uk∈O
3、Uλ∈O(λ∈Λ)⇒∪Uλ∈O(λ∈Λ)
が成り立つように決める。
これを位相を入れるという。
そして、この位相Oに属する集合を開集合(O-開集合)と呼ぶ。
つまり普通の開集合ではなく、O-開集合と言う新しいOに対する開集合が決められている。
つまり、Xの部分集合のうちどの集合を開集合とするか決めているねん。
そして、それは三つの条件を満たさなければならない。
(X,O)と対で書いて位相空間と呼ぶ。
だから例えXが実数Rとしても
Ua=(-∞,a)
と置いて、
O={Ua}(a∈R)∪{Φ,R}
と集合族Oを定めると、三つの条件を満たし位相となる。
この場合、普通の意味では(a,b)は開集合でも、この位相Oを入れた意味でのO-開集合においては
(a,b)はOに属さないからO-開集合ではない。
閉集合はXの部分集合Fでその補集合F^cがOに属する時つまり補集合がO-開集合となる時Fを閉集合と呼ぶ。
だから上の
Ua=(-∞,a)で
O={Ua}(a∈R)∪{Φ,R}
と位相を定めていると、[a,∞)は普通の意味では閉集合ではなくても位相Oを入れた意味でO-閉集合になる。
さらに
X={1,2,3}
という集合にも、普通開集合やら閉集合やら無いけど
O={Φ,{1},{1,2},{1,3},X}
と集合族Oを定めると、Oは位相となって
{1,2}は開集合となる。
{3}は補集合が{1,2}だから閉集合。
位相空間のおいて開集合と閉集合が一致する場合もある。
位相空間(X,O)では常にΦの補集合はX,Xの補集合はΦだから、XとΦは開集合であり閉集合である。
またX=[1,2]∪[3,4]で普通の位相、つまりOを普通の開集合全体からなる集合系とすると
[1,2]は開集合だから、その補集合の[3,4]は閉集合で
[3,4]は開集合だから、その補集合の[1,2]は開集合。
X、Φ以外に開集合であり閉集合である部分集合が無い位相空間を連結であるという。
こうやって位相を入れることで次々新しく定義できて
近傍の定義
位相空間(X,O)でXの部分集合Aがaの近傍であるとは
x∈U,U⊂A
となるあるO-開集合Uがあること。
連続の定義
位相空間(X,O1)と(Y,O2)で写像
f:X→Y
がXの点xで連続であるとはYの任意の開集合Vに対して逆像f^-1(V)がXの開集合となることである。
収束の定義
位相空間(X,O)でXの点列{xn}と点x∈Xのどんな近傍Aに対してもあるn0があって
n>n0ならばxn∈A
となるようにできるとき、点列{xn}はxに収束するといい
x=lim(n→∞)xn
とあらわす。
このように位相を定めることで距離空間と同じように近傍や収束や発散、連続など近さや繋がりかたなどを定義できる。
それで、こういう位相という概念を新しく考えたからには、変な位相も多く何か意味がある位相を考えて応用していくわけやけど例えば幾何学の多様体への応用を考えてみると、
まず
位相空間(X,O)の任意の異なる2点p,qに対してp∈U、q∈Vとなる開集合U,Vで
U∩V=Φ
となるものが存在する位相空間をハウスドルフ空間という。
位相空間(X,O1)と(Y,O2)で写像
f:X→Y
が全単射でfもf^-1も連続である時fを同相写像という。
位相空間(X,O)の開集合Uからm次元実数空間R^mのある開集合Vへの同相写像
φ:U→V
が存在する時、(U,φ)をm次元座標近傍といい、φをU上の局所座標系と言う。
ここまで定義しといて、
多様体の定義
位相空間Mが次の条件をみたす時、Mをm次元位相多様体と言う。
1,Mはハウスドルフ空間である
2,Mの任意の点pについて、pを含むm次元座標近傍(U,φ)が存在する。
このハウスドル空間は2点が交わらない開集合でわけられるとか言うなんでこんなこと考えるかわかりにくい概念やけど、
(U,φ)と局所座標近傍をとった時、関数の値によって点が区別ができなくなるからこの条件がいるねん。
ただ普通はハウスルドルフ空間になるけど。例えば商空間を考えた場合
普通の位相を持つRを考えて
R/Q
はハウスドルフ空間ではないな。
R/Qがハウスドルフと仮定すると
QはRの閉集合になるので矛盾。
有理数Qは連分数みたいに無理数へ収束する点列がとれるから閉集合ではない。
こうやって多様体を考えて微分構造を入れた微分可能多様体を考えていくと、相対性理論やら数理物理でもよく使うな。
そういえばコンパクトは重要やから
コンパクトの定義は
位相空間(X,O)でXの部分集合Aに対して、位相Oの部分集合Sが
A⊂∪S
と被覆できると時開被覆と言い、
この任意の開被覆SがSに属す有限個の開集合U1,U2…Unを選んで
A⊂U1∪U2∪…∪Un
とできる時、コンパクト集合といいAはコンパクトであると言う。
わかりにくいかもしれへんけどコンパクトは
有限個の開集合を選んで被覆出来るのが
「任意の開被覆Sに対して」
って言うとこポイントかな。
要するに位相とはどれが開集合かを決めると近傍や収束や発散、連続など近さやつながりかたの概念が一般的に定義できることやな。
これは、かずスクールに書くべきかどうか難しいなあ。
まあ今のとこ大学受験までの範囲の予定やけど、書くとなるとこれをもっと正確にしなあかんから難しいな。
数学、物理
京都大学の学生生活
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