もう4月に入りましたね、何と言いましょうか、バルバルと言うところでしょうか。
どういう意味やねん。
それでは東京大学2015年度文系第3問、図形と方程式の問題の解説をしたいと思います。
第3問
lを座標平面上の原点を通り傾きが正の直線とする。さらに、以下の3条件(i),(ii),(iii)で定まる円C_1,C_2を考える。
(i)円C_1,C_2は2つの不等式x≧0,y≧0で定まる領域に含まれる。
(ii)円C_1,C_2は直線lと同一点で接する。
(iii)円C_1はx軸と点(1,0)で接し、円C_2はy軸と接する。
円C_1の半径をr_1,円C_2の半径をr_2とする。8r_1+9r_2が最小となるような直線lの方程式と、その最小値を求めよ。
[解答と解説]
直線lをy=mxとおいて
まず平面図形的にわかることとしては、点Oから2つの円に引いた接線の線分の長さは等しいから全部1やろ。
そしたら接点の座標が求まるから、接点を通るlに垂直な直線の式が求まるな。
a^2+b^2=1より(a,b)=(1/√(m^2+1),m/√(m^2+1))
で
y=-1/m・(x-1/√(m^2+1))+m/√(m^2+1)
=-1/m・x+(√(m^2+1))/m
r_1はこの直線のx=1でのy座標やからr_1=(-1+√(m^2+1))/m
r_2はこの直線のy=1でのx座標やからr_2=√(m^2+1)-m
よっしゃこれで計算や
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8r_1+9r_2=8(-1+√(m^2+1))/m+9(√(m^2+1)-m)
あれやな。
これはあれやな。
最小値を求めるには…
ちゃうねん、ちゃうねん、このときのために数Ⅲを勉強しとんねん。
f(m)=9√(m^2+1)+8(√(m^2+1))/m-9m-8/mとおいて微分して
f'(m)=(-9m^2√(m^2+1)+8√(m^2+1)+9m^3-8)/(m^2√(m^2+1))
分子の-9m^2√(m^2+1)+8√(m^2+1)+9m^3-8=0とすると
(8-9m^2)√(m^2+1)=8-9m^3
で両辺二乗して
m^2(3m-4)(21m-20)=0
やから…
ってやってると、隣で解いてるやつのとこに行って、何の前触れもなく
オウゥルアァー!!!
って太ももに膝蹴りをかまして
「ちょ、ちょっ!!
イッタ!イッタ!
何しよんねん!」
って足をバタつかせてるところを容赦なく、膝蹴り入れまくって、警備員にパイプ椅子でおもくそどつかれて試験会場から強制退去させられることになります。
答えは出てるけどさすがに文系でこれはないかもしれんな。
しかも東大の場合は、微分しないと最小値だせないようなものは相加平均相乗平均の関係で求めることが多いやろうしな。
そこで、計算が複雑なりすぎたりして上手くいかなったときは変数をかえてみるねん。
今度は東大の円の問題でよくやる解き方
中心間の距離=半径の和
を使ってr_1とr_2の関係性でやってみよか。
まず
C_1とx軸との接点をS,C_2とy軸との接点をT,C_1とC_2とlの接点をPとすると
OS=OP=OT=1
やな。
それでC_1の中心をO_1(1,r_1)
C_2の中心をO_2(r_2,1)
と名前をつけて
O_1O_2=r_1+r_2より
(1-r_2)^2+(r_1-1)^2=(r_1+r_2)^2
⇔
r_1r_2+r_1+r_2=1
⇔
(r_1+1)(r_2+1)=1
ってr_1+1とr_2+1の積が一定やねん!
積が一定やと相加平均相乗平均の関係を使って最小値を出すんちゃうかって感じやな。
まあ実際にはそこまで先を読めないことが多いから、どっちかを消去したらええねんけど最後に書くわ。
と言うことで
8r_1+9r_2=8(r_1+1)+9(r_2+1)-17
ってr_1とr_2の和にしてから、相加平均相乗平均の関係を使って
8r_1+9r_2≧2√(8(r_1+1)9(r_2+1))-17
=2√(8・9・2)-17
=24-17
=7
でこれが最小値と言うためには、等号成立をしないといけないねん。
等号成立は8(r_1+1)=9(r_2+1)
これと(r_1+1)(r_2+1)=1を使って
r_1+1=3/2からr_1=1/2
r_2+1=4/3からr_2=1/3
と言うように、7以上で実際に等号が成立して7になる場合があるから最小値が7と言えるねん。
このときの傾きはO_1O_2の傾きを求めて、それに垂直と言うことでlの傾きを求めたらええやろな。
O_1O_2の傾きは(1/2-1)/(1-1/3)=-4/3
だから
l:y=4/3・x
って求まりました。
さっき言ったように
東大やから相加相乗やろ、だから積が一定のがあるはずで
ってこんなに先を読んで変形もしていられないとこもあるので
もっと泥臭く文字消去でやると
r_2=(1-r_1)/(1+r_1)
だから
8r_1+9r_2=8r_1+9(1-r_1)/(1+r_1)
この形を見たら、相加相乗が使えるなって言うところまで経験値を積んでいてほしいねん。
分母にr_1+1があるから
r_1は(r_1+1)+(定数)の形にできる
(1-r_1)/(1+r_1)は割り算すると(定数)+(定数)/(1+r_1)の形にできる
そして(定数)(r_1+1)と(定数)/(r_1+1)の積は定数になって一定やって言う感じでな。
8r_1+9r_2=8(r_1+1)-8+(9-9(1+r_1)+9)/(1+r_1)
=8(r_1+1)+18/(1+r_1)-17
≧2√(8(r_1+1)・18/(1+r_1))-17
=2√(8・18)-17=7
って最小値が求まります。
東京大学の入試の数学の過去問の解説
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