CGやアニメーションに関して、思ったことを書いていく記事1回目です。
今回は、これまでの約6年間の3DCGアニメーション制作経験を生かして、
「
3DCG制作技術の向上に関する壁について」書いておこうと思います。
あくまで、個人的に思っていることなので必ずしも正しいとは限りませんので、
あらかじめご了承下さい。
まず、良い3DCG作品が作れるかどうかと、上手な3DCGが作れるかは別の話です。
上手な3DCGが作りたいならば、恐らく以下の2点を押さえれば、
各々が使用している3DCG制作ソフトでの最大限の3DCGを作れるはずです。
1.手抜きをしようとしない。
2、使っているソフトでできる事を全て知ること1については、ある意味当然なのですが、しいていえば、
上手く作ることができない初心者のうちから
「3DCG制作会社の人達は時間をかけずに早く要領よくCGを作っている、
だから、作品の質よりも早く作ることが大切だ」
と、思って基礎ができてないうちから要領よく作ろうとして結果的に
手抜きになったりすると結構マズイと思います。上達できません。
2Dのデザイン等と同じで上手く作れるようになってから、要領よく作ることを考えたほうがいいと思います。
もっとも、CGを作るのは時間がかかりますので、課題等の締め切りに間に合わせるために
どうしても質を落とさざるをえない事はよくありますし、それはやむを得ないです。
2について、CGは覚えることが非常に多いですので、使っていても
そのソフトでできることが実は分かっていないというのは結構ありがちです。
でも、例えばmental rayのファイナルギャザリングやHDRIを使ったレンダリング方法を
知り、それを使っているか否かでは、最終的なレンダリングの仕上がりに大きな違いが出るはずです。
とりあえず、この2点を押さえれば「3DCGを使いこなせる人」という意味では問題ないかと思います。
しかし、そこに到達した人でもネット上にそれを上回る質を持った3DCGがあったり、
3DCG制作会社・ゲーム会社が作ったCGムービーには何故か全く敵わないと思うはずです。
その理由は、
1.それらは、CG制作の有料プラグインを導入しているから。
2.さらに、CG制作会社では自社製プラグインを開発・導入しているから。と、自分は考察しています。
この2つ、個人ではどうにもならないことが多いはずです。
ただでさえ、ハイエンドな3DCG制作ソフトを買うには10万円近くお金がかかります。
プラグインを導入するには更に1つにつき10万円くらいかかります。
しかも、CG制作ソフトもプラグインも1年くらい経つと最新版が登場し、アップグレードするのに毎年
それぞれに何万円もかかったりします。
どれだけお金持ちな人でも個人でここまでの環境を整えるのは厳しいのではないでしょうか。
また、CGを制作する3DCGデザイナーであっても、それに加えてCGエンジニアとしての能力を持った人は稀なはずです。
自分でプラグインを開発しようと意気込んでも、数学的な知識が全然無くて作るのは無理なのでは。
それに、プラグインを開発している時間があったら新しい作品を沢山作ったほうがデザイナーとしては有益です。
ここで思い浮かぶ選択肢は3つ
1.CG制作会社に就職する
2.独自性で補う
3.力技で何とかする大半の人は1です。就職すればプラグインは使えるようになります。
でも、自分の作品は作れなくなります。裏方になります。自身が有名になることは難しくなります。
メリットはありますが、デメリットも大きいです。
2の独自性で補う。作家やフリーランスならば、これが有効ではないでしょうか。
質ではプラグインを導入したグラフィックには敵わないですが、
柔軟な発想を生かして、他の誰もやっていないことを作品に取り入れる
あるいは、物凄く評価される脚本を書く・演出を加える等。
もっとも、グラフィックの質を追求していくことからは道を外れることになりますが。
3の力技というのは、ひたすら時間をかけて努力して何とかするということ。
mental rayでMax well render並みのグラフィックを作ることは、物凄く頑張って
ひたすら工夫して作り、After Effectsで大量にレイヤーを重ねて補正していけば無理ではないはず。
才能や柔軟な発想は持っていないし、社会性もないけれど諦めたくないならこれしかない。
ただ、それをやっても既にある技術を、それを持ち得ずして作ったというだけなので、
それのみで人に評価してもらえるかどうかというと厳しいかもしれないです。
以上です。改めて言いますが、あくまでも3DCG制作を6年間行ってきた
大学院生の個人的な考察なので、ある程度認識が間違っている場合もあります。
ご了承下さい。
テーマ:3DCG - ジャンル:コンピュータ
- 2013/02/14(木) 00:03:07|
- CG・アニメ考察
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