昨日ツイッターでも拾ったけど、新潟市と新潟県がこんなことを言い出した。
新潟県と新潟市が合併構想 二重行政解消@47News>新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長は25日、共同で記者会見し、県と市の二重行政の解消や自治体の権限強化を図ることを目的とした合併構想を発表した。新潟市を解体し、東京都のような特別区に再編することを目指すとしている。
要は、東京都と特別区のような関係に自治体再編したいということのようだ。
周辺自治体も参加して、広範な特別区になるかもしれない。
早速、こうした政治的な話では良く参考にするモジログでこの話題を取り上げている。
新潟県と新潟市が合併する「新潟州」構想@モジログ>これが具体化したら、道州制あるいは連邦制へ向けた大きな一歩になりそうだ。このところの大阪や名古屋の動きとの連動という点から話を肯定的に捉えている。
>大阪府は橋下徹知事、名古屋市は河村たかし市長という名物首長がいるので、こういう新しい動きが出てきても不思議はない。しかし新潟というのは、個人的にはノーマークだった。新潟県の泉田裕彦知事は、まだ48歳と若く、支持率も高いとのこと。地域主権の新しいキーパーソンかもしれない。ところで、この話を聞いて「ポカン」としてしまうのは、
私たちが(私だけかもしれないけど)
政令指定都市と県の仕事にどの程度重なりがあるのか知らないからだろう。
政令指定都市って、一体何が違うのだろうか?
指令都市とは@指定都市市長会>指定都市とは、地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことです。
「政令指定都市」、「政令市」、「指定市」などといわれることもありますが、ここでは地方自治法にしたがって、「指定都市」という名称を使っています。政令指定都市の市長が集まって作った団体(どの程度機能しているかは別として)のサイトがあった。
それによれば、法律(地方自治法他)と政令で決められたように、いろいろ県と同等の働きをするらしい。
>指定都市のような大都市は、住民にもっとも身近な自治体(基礎自治体)として一般の市と同様の行政サービスの提供に加え、都市圏における中枢都市(母都市)として広域的な効果をもつ行政や、全国の都市をリードする先駆的な行政も行っています。
また、指定都市は、地方自治法の中の「大都市特例」という規定によって、一般の市では都道府県が行っている事務のいくつかを、指定都市の事務として行っています。これにより例えば、児童福祉・生活保護・母子保健・食品衛生・結核予防など市民の健康や福祉に関する多くの事務について、総合的かつ迅速な行政 サービスの提供が可能となったり、また、都市計画や区画整理事業についても、市レベルでの地域の実情に応じたまちづくりを進めたりすることができます。それにしても、政令指定都市って19もあるんですね。
政令指定都市@wikipediaこのうち、日本海側にある唯一の政令指定都市が「新潟市」だ。(
wikipedia)
しかし、多くの政令にも見られるように、行政の分担は効率よく分けられているわけではない。
県と政令指定都市でかぶるものもあれば、お互いに手を出さないポテンヒットもあるだろう。
そこで、県>政令指定都市>区 という3段階の状況から
州(または都)>特別区
という二重の段階に再編したらどうかという問いなのだ。
それでも、東京都がうまくいっていない点があるように、
行政のムダや力関係の排除はなかなか難しいのだろうなとは思う。
そこは、新潟は大丈夫と言いたいようで共同発表の形をとったのが大阪や名古屋と違う。
県と新潟市が「新潟州」構想@新潟日報>両者は、国における地域主権改革の動きが停滞し、指定都市市長会の提案した政令市が県の役割も担う「特別自治市」の検討が進まないため、独自の地方再編案を検討することで一致。「新潟州(新潟都)」構想について共同会見で発表する泉田裕彦知事(右)と篠田昭新潟市長=25日午前11時30分ごろ、新潟市役所
47Newsの方でも
>会見で泉田知事は「(地域の)統治は国ではなく住民の意思で決めるべきだ」と構想の意義を訴えた。篠田市長は「(同様の構想を掲げる)ほかの地域と比べ、県と政令指定都市との仲は良好。協力して進めたい」と述べたと「良好な関係」を強調している。
たしかに、道州制、地方分権という流れの中ではエポックとなるかもしれないと思う。
大阪は府知事、名古屋は市長の独走で、議会や手を組むべき相手との齟齬が見られるが
新潟は阻むものはないようだし。
阻むとすれば、議会と「合併効果」を恐れる県と市の官僚かもしれない。
地域主権には民意向上が不可欠 “新潟州”で経団連会長@MSN産経ニュース>ただ「経済3団体も道州制の実現をめざし国民会議を立ち上げて活動しているが、経済界と官側の意識に温度差がある」と指摘。「実際に実施するとなると首長や地方議会の数が減るので官側のインセンティブが働かない。実現には住民の意識をかきたてることが大事だ」と話し、「(地域主権で)どれだけ政治行政が改善され、住民の生活がどれだけ便利になるかを示すことが大事だ」と語った。県と市で行き来もあるだろうし、椅子の数が少なくなるのは嫌がられるだろう。
でも、こうした「中間組織の廃絶」というのは、経済ではとっくに起きていることで、
行政でも管理部門の統合や出先機関の廃絶で効率化を図らなければならないだろう。
ただ、それで行政効率が上がるかといえば別の話ではないかとも思う。
行政の効率化を補完する民間組織の台頭によって、地域社会を再興しないと
情報弱者、移動弱者(交通弱者ともいえる)は救われないだろう。
ヘッド部門の統一と末端の廃止は別の論理で進めないといけない気もする。
ただ、この動きに札幌市と北海道とか、仙台市と宮城県などは、どう動くのか興味がある。
広島県も広島市長のほうが目立っているし、岡山県と岡山市も一緒でもいいんじゃないのと思う。
さらに言えば、県のサイズを超えた再編によってできた「州」の中心に
政令指定都市と県の機能を合わせ持った「州」の首都ができるというような動きにならないだろうか。
新潟と長野と群馬と福島の一部とか、フォッサマグナから東側とか。
これを気に大きな地方再編と地方分権の動きになり、霞が関の力が弱まるような
中央政府の仕事が少なくなるような動きになってほしいと思う。