【科学】JSTは科学コミュニケーションもセンター化で生き残りを狙ったのか?:2012年4月25日
4月1日付で組織変更があったみたいですね。
特に大きな発表があったようではないのですが、JSTに気になる2つのセンターができていました。
JST復興促進センター
JST復興促進センターは、東日本大震災からの復興に向けて、JSTがこれまでに蓄積してきた知見や産学連携のノウハウ、強みを最大限に活用し、被災地発の科学技術イノベーション創出に貢献することを目指します。
科学コミュニケーションセンター
科学コミュニケーションセンターでは、下記の活動を実施しています。
リスクコミュニケーションを含む科学技術コミュニケーションに関する調査・研究
科学技術コミュニケーション活動の実施者の支援、科学技術コミュニケーション活動のネットワークを構築するための支援
サイエンス チャンネル、サイエンスポータル等による科学技術に関する情報発信
サイエンスアゴラの開催等、科学技術コミュニケーションの場の運営
これら活動は相互に連携しつつ、また大学・研究機関等とも積極的に協力を図り、実施していきます。これにより国民と研究機関、研究者等との間の双方向の科学技術コミュニケーション活動の一層の推進を図ります。
復興促進センターは、JSTがこれまで行なってきた産学連携とか、研究ニーズとシーズのマッチングといったノウハウを生かして、東北の復興に資するのが目的。
決して、事業仕分けでなくなった組織があるからではありません。
JSTイノベーションプラザ・JTSイノベーションサテライト・JSTイノベーションブランチの業務終了のご案内
平素より当機構の業務に関しまして格別の御高配を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、平成21年11月13日の行政刷新会議事業仕分けの結果などを踏まえ、JSTの「地域イノベーション創出総合支援事業」は各公募事業の新規採択は平成21年度を持って終了し、継続課題は平成25年度までに段階的に終了することとしております。
でも、こうした事業で蓄積されたノウハウというは、使い道によっては実に有効なわけで、地域の活性化に科学技術の産業化で生かせることはあるはずというJSTの気概の現れとも言えますね。
東北の復興のために知識を活かしたい人には、マッチングプランナーの公募が始まっています。
え、組織が立ち上がってから、という方もいるかも知れませんが、そうしないと募集もできないのが公的財団というものです。
任期制契約職員(マッチングプランナー)を募集いたします。
・大卒以上
・大学等の研究機関や企業の研究部門等で研究開発などに従事した経験またはこれら研究開発の支援業務の経験があり、特定技術分野の専門知識を有している方
・以下のいずれかの経験・資格またはこれに類する経験・資格をお持ちで、企業における製品開発~事業化に関して、市場性、知財、生産体制、販売体制等について一定レベルのアドバイスが出来る知識を有している方
・企業において、または産学共同研究において新商品の製品開発、事業化等に従事した経験がある
・ベンチャー企業等の起業の経験がある
・産学共同研究の支援業務の経験がある
・中小企業診断士の資格を有している 等
・OA操作が可能な方(Windows,Microsoft,Word/Excel,及びOutlook等メーラーソフトの使用経験があり、業務遂行上支障がない方)
平成24年5月9日(水)必着 ということですから、連休中に書類を書いてみてはいかがでしょうか?
課題の受付もしてますね。
マッチングファンド方式で費用が出るものとか、分野を限ってテーマを募集しているようです。
こうした公募案件の実現にマッチングプランナーなどが必要なわけですね。
出来る事を始めて、いろんな手が尽くされれば良いのですが、それが省庁間の縄張り争いなどにならないようにして欲しいと願います。
一方の科学コミュニケーションセンターは、科学コミュニケーションの推進というJSTの事業の一つの柱を担ってきた科学ネットワーク部という部署があるのですが、その拡張なのでしょうか。
それに応えるのは、センター長の毛利衛さんの言葉でした。
科学コミュニケーションセンターでは、これまで科学ネットワーク部として取り組んできた活動の他、新たに科学コミュニケーションに関する調査・研究をはじめます。これは、今まで行ってきた活動分野全体を俯瞰、分析し、日本各地でのさらなる実践に繋げ、その実践結果を調査・研究に再び還元する、長期的な戦略に基づく事業を推進するためです。
科学ネットワーク部がセンターとして外部化?もしくは拡大して、さらに調査・研究もするみたいです。
日本科学未来館やサイエンスアゴラも、このセンターの傘下となるようですね。
よくわからないのが、科学とつながるポータルサイトです。
科学とつながるポータルサイトは、JSTが運用する科学技術に関する情報サイトから効率的に興味のある情報をナビゲーション・提供する『総合検索サイト』です。
(平成24年度試験公開)
たくさんあるサイトを検索するためのサイトなのでしょうか?
JSTの各部署、各担当が作るうちに、情報がさまざまに行き来してわからなくなってしまうことはありますからね。
こんなサイトが一気に検索できると便利!(なのだろうか?)
サイエンスポータル
研究動向やイベント情報を網羅する科学技術の全てを伝えるサイト
サイエンス チャンネル
科学技術の無料動画ライブラリ
サイエンス ニュース
科学技術の無料動画ニュース
JSTバーチャル科学館
科学技術の体験型コンテンツライブラリ
日本の科学館めぐり
日本の科学館・博物館約600館の最新情報を一括検索
理科大好きボランティアデータベース
科学技術ボランティアをしたい人、探す人のサイト
かがくナビ
科学技術・自然を親子で楽しむサイト
サイエンス・リンクス・ジャパン
日本の科学技術の動向を英語等で発信
屋上屋という気もしますが、今後の展開が注目されますね(棒読み)
それにしても、気になるのは「なぜセンター化したのか」ということです。
科学ネットワーク部のままではいけないのか?
復興促進も、産学連携とか研究成果展開事業の中で進められなかったのか?
その辺が、鍵なのではないかと思うのですが、今後のJSTのあり方、いま置かれているポジションを考えるとなんとなく頷ける点もありますね。
はっきりと目立つ場所において実行して行かないと、埋もれてしまう事業はセンター化しようというのは時代の流れなのかなと思います。
組織内でまとめるのではなく、もう少し組織横断的な人事や評価が必要だということでしょうね。たぶん。
今後どうなるのか、今年の動きに注目していたいと思います。
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