今日は、R-1でしたね。
急いで帰ってきたんですが、バカリズムの途中からになっちゃいました。
すでにmixi で記事になってましたね。
元記事はこちら。
『R-1ぐらんぷり』あべこうじが初優勝 ピン芸人日本一に男泣き「やっとここまで…」>毎年恒例の“一人話芸”日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2010』決勝戦が23日、東京・台場のフジテレビであり、ピン芸人・あべこうじが悲願の初優勝。今年から初めて上位3名によるファイナルステージが設けられ、なだぎ武(ザ・プラン9)、エハラマサヒロ、あべの3名が最終決戦に臨み、あべがピン芸人No.1の称号と賞金500万円を獲得。優勝が決まった瞬間、たまらず男泣きしたあべは「やっとここまで…」と声をしぼりだした。 ということで、結果はこちら。
【決勝戦順位】
得点 決勝出場回数(所属事務所 ※よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
■1st Round
1.なだぎ武(ザ・プラン9) 661点=2年ぶり3回目(※)
2.あべこうじ 658点=3年連続6回目(※)
3.エハラマサヒロ 655点=2年連続2回目(※)
4.川島明(麒麟) 645点=初出場(※)
5.いとうあさこ 641点=初出場(マセキ芸能社)
6.グラップラーたかし 639点=初出場(トップ・カラー)
7.バカリズム 630点=2年連続4回目(マセキ芸能社)
8.我人祥太 628点=初出場(ワタナベエンターテインメント)
9.COWCOW山田與志(敗者復活) 627点=3年連続3回目(※)
■ファイナルステージ
1.あべこうじ(審査員6票)
2.エハラマサヒロ(審査員1票)
3.なだぎ武(審査員0票)
以前、M-1については、いかのようなエントリを書いたのですが、
新しい漫才が見られなかったM-1(追記アリ)R-1は今までちゃんと見ていませんでした。
初めてなので、歴史的な流れでは語れないのですが、
もともと、R-1のRは落語だったわけで、
「ピン芸人」の意味をどう捉えるかというのもひとつの意味かなと思います。
今年のR-1を見て、
サンキュータツオが何を言うかは気になります。
で、見終わった感想だけど(ここから口調が変わります)
まさに「ピン芸人とはなにか」それを問う決勝戦だった。
三人三様の芸風。
エハラマサヒロの赤ちゃんへのインタビューと言う設定、
赤ちゃんが言わなそうでいて、思ってそうなことを答え、
最後に1本目の「ウザイ塾の先生」同様に器用に踊ってみせた。
いや、無駄に上手に踊ることで、それまで作った世界観をぶち壊して終わった。
あべこうじは、1本目はドレミの歌、2本目は言葉の言い方でシーンが変わるという、
現代落語ともいうべき完璧な話術で4分間をひとつのストーリーにした。
なだぎ武は、1本目は目線を隠す衣装、マイクで声を変えるという飛び道具で、不思議な世界を造り、
2本目では、変なドラえもん目覚ましのクレーム客と言う設定で、4分を作った。
エハラとなだぎが似ているように見えて、その存在感、アプローチは
同様なコントと言う範疇といえども全く違っていた。
そして、あべこうじが制した。
審査員の好みという意味で、板尾があべこうじに投票しなかったことが興味深いなあ。
あとの審査員を見れば、エハラマサヒロはあの踊りがいらなかった気がする。
でも、予定調和を壊す笑いを好む板尾はエハラを押した。
なだぎ武は、結局、偽ドラえもんの模型が笑いを取っているに過ぎない、
と判断される構成自体が審査員の好みではなかったのではないだろうか。
個人的には、あべこうじの話芸に感心し、これがまだ成立するのかと言う事に感動した。
だけど、好き嫌いでいうとエハラマサヒロが好きだった。
なだぎ武は、技に溺れたと言うか、自分の思い込みを伝えるだけに終わった。
4回転にこだわったプルシェンコが、すべてを高レベルにまとめたライサチェクに負けたように、
一芸を放ったなだぎもエハラも今回トータルで優れていたあべに負けた。
実は本人も言うように
「たいしたことは言っていないのに、言葉遣いと言い方だけで面白そうに見せてる」(スポニチのコラム)
ことが「ピン芸の原点」を見た思いがした。
それが、R-1のRが、もともと「落語」のRだった(
wikipedia)ことを思い出させたのだ。
全体を見た感想では、「4分持たせる芸の難しさ」を感じた。
芸人が4分の長さでネタを作れなくなっているのではないか?
1分ネタの番組ばかりになり、4分笑えるネタではなく、
短いネタを数打つか、複数のネタを組み合わせるか、
要は1本のネタで4分もたせられ無くなっているのだ。
これは、瞬発力の訓練ばかりしていると、マラソンができなくなるのに似ている。
昔のやすきよの漫才のように元は2分半のネタを30分かけたり出来ないのではないか?
複雑だけど、いとうあさこの「朝倉南39歳」はなんども見ても笑える。
でも、4分は本人の体力がきつそうだった。
これが、そういう状況を象徴していた。
さらに、その時は面白いけど、繰り返し見られる笑いが減ったなあと思う。
もっと寄席芸人がでられる演芸番組がないと、
芸人の厚みがでないのではないだろうか。
まあ、テレビがそんなことを考えるわけも無いだろうけど。