トップの仕事はリスクの掘り起こし
私などが言うまでもないことだけど、
企業でも政府でもトップの仕事というのがある。
トップになればしなければならない仕事というか、
トップしか出来ない仕事というか。
それは、自分の組織のリスクが何かを捉えて、それに対応することだと思う。
前任者が、そのリスクへの対応をミスってやめたならばわかりやすい。
その対応が仕事だということが、自分にも周囲にもわかるからだ。
でも、それまでうまくいっていたとしても、潜在しているリスクがあるはずで、
それを掘り起こし、顕在化させ、その対応でさらに組織を強化するのが
トップの仕事というものだろうと思う。
そこには、前任者が目をつむったリスクもあるだろうし、
長年人間関係や、創業者一族が関係しているからとか、手を付けにくいリスクもあるだろう。
でも、結局、名経営者と言われる人は、そういうリスクに立ち向かった人だった。
松下電器で言えば、創業者が絡む問題に手をつけた中村さんだろうし、
企業買収しては、その企業のリスクに目を向けて再建する日本電産の永守社長もいる。
成長スピードのために自分が決めた後継社長をクビにしたユニクロの柳井社長は
新経営陣のリスク対応が不満だったに違いない。
まあ、こんな言わずもがなのことを書いているのは、今リスク対応を誤った経営者が矢面に立っているから。
東京電力の清水社長と、みずほ銀行の西堀利(さとる)頭取のことだ。
各社が報じているからリンクも貼らないけど、当人は運が悪かったと思っているかもしれない。
どちらの問題も、以前から指摘されていながら、彼らの任期中に偶然起きた事故だから。
前任者が対応していれば起きなかったかもしれないし、あと2年後に起きれば別の人が社長だったかもしれない。
彼らの就任期間中に起きたのは、運が悪い、と思っているOBもいそうな気がする。
でも、彼らの問題は、自分がトップに立ったときに何がリスクなのか考えて対応しなかったことだ。
みずほは、システム障害でトップが辞任した前歴もあるし、
さらにシステムを強化するために見直しの号令をかけることはできたはず。
東電は、柏崎刈羽で問題が起きて社長が変わったのに、福島を再強化しようとしなかった。
それどころか、ここ数年の数々の指摘に無視をキメこんできた。
それは、トップが原子力を別扱いし続けてきたからだろうし、
そこで大きくかじを切る役割はトップのものだったはずだ。
でもできなかった。
なぜかというと、自分の時に前任者の「あらを探す」ような真似はできないから。
前任者に引き上げてもらったという恩義があったり、
前任者がまだ会長で実力を持っていて主体的な発言がはばかられるから。
トップまでが、そういう感覚では組織は大きく改善することはないだろうね。
そして、それが大銀行であり、電力会社だったということは、
このトップが潜在的なリスクに切り込めないというのは
日本の大きな組織に共通した問題だと考えていいんだと思う。
松下電器の中村さんが大胆な改革をしたのは、
それが創業者の精神に則っていると信じていたからという話がある。
つまり、やったことは創業者が作った組織の改革や資本関係の整理だったけど、
そうした「リスクに手をつけるという行為」が創業者の精神を継いでいるものだということ。
こういう「精神の継承」が昨今「◯◯ウェイ」とかいって、
世界の従業員に浸透させようとしている国際企業が多いけど
まずしなければいけないのは、経営陣だったりするんだね。
ベンチャー精神とか、攻めの経営姿勢とか、大事にするものをはっきりさせれば
自ずと自分の組織に足らないもの、危ないところが見えてくるはず。
それでも手をつけないのならば、トップになっちゃいけないと思う。
手をつけない人はトップとして向いていないわけだから、
災いが起きるのもむべなるかなということ。
まあ、やたら手をつけて整合性がないままで、
なんだか混乱ばかり助長するのもトップの器とは言えないけどね。
誰のこととは言わないけど。
企業でも政府でもトップの仕事というのがある。
トップになればしなければならない仕事というか、
トップしか出来ない仕事というか。
それは、自分の組織のリスクが何かを捉えて、それに対応することだと思う。
前任者が、そのリスクへの対応をミスってやめたならばわかりやすい。
その対応が仕事だということが、自分にも周囲にもわかるからだ。
でも、それまでうまくいっていたとしても、潜在しているリスクがあるはずで、
それを掘り起こし、顕在化させ、その対応でさらに組織を強化するのが
トップの仕事というものだろうと思う。
そこには、前任者が目をつむったリスクもあるだろうし、
長年人間関係や、創業者一族が関係しているからとか、手を付けにくいリスクもあるだろう。
でも、結局、名経営者と言われる人は、そういうリスクに立ち向かった人だった。
松下電器で言えば、創業者が絡む問題に手をつけた中村さんだろうし、
企業買収しては、その企業のリスクに目を向けて再建する日本電産の永守社長もいる。
成長スピードのために自分が決めた後継社長をクビにしたユニクロの柳井社長は
新経営陣のリスク対応が不満だったに違いない。
まあ、こんな言わずもがなのことを書いているのは、今リスク対応を誤った経営者が矢面に立っているから。
東京電力の清水社長と、みずほ銀行の西堀利(さとる)頭取のことだ。
各社が報じているからリンクも貼らないけど、当人は運が悪かったと思っているかもしれない。
どちらの問題も、以前から指摘されていながら、彼らの任期中に偶然起きた事故だから。
前任者が対応していれば起きなかったかもしれないし、あと2年後に起きれば別の人が社長だったかもしれない。
彼らの就任期間中に起きたのは、運が悪い、と思っているOBもいそうな気がする。
でも、彼らの問題は、自分がトップに立ったときに何がリスクなのか考えて対応しなかったことだ。
みずほは、システム障害でトップが辞任した前歴もあるし、
さらにシステムを強化するために見直しの号令をかけることはできたはず。
東電は、柏崎刈羽で問題が起きて社長が変わったのに、福島を再強化しようとしなかった。
それどころか、ここ数年の数々の指摘に無視をキメこんできた。
それは、トップが原子力を別扱いし続けてきたからだろうし、
そこで大きくかじを切る役割はトップのものだったはずだ。
でもできなかった。
なぜかというと、自分の時に前任者の「あらを探す」ような真似はできないから。
前任者に引き上げてもらったという恩義があったり、
前任者がまだ会長で実力を持っていて主体的な発言がはばかられるから。
トップまでが、そういう感覚では組織は大きく改善することはないだろうね。
そして、それが大銀行であり、電力会社だったということは、
このトップが潜在的なリスクに切り込めないというのは
日本の大きな組織に共通した問題だと考えていいんだと思う。
松下電器の中村さんが大胆な改革をしたのは、
それが創業者の精神に則っていると信じていたからという話がある。
つまり、やったことは創業者が作った組織の改革や資本関係の整理だったけど、
そうした「リスクに手をつけるという行為」が創業者の精神を継いでいるものだということ。
こういう「精神の継承」が昨今「◯◯ウェイ」とかいって、
世界の従業員に浸透させようとしている国際企業が多いけど
まずしなければいけないのは、経営陣だったりするんだね。
ベンチャー精神とか、攻めの経営姿勢とか、大事にするものをはっきりさせれば
自ずと自分の組織に足らないもの、危ないところが見えてくるはず。
それでも手をつけないのならば、トップになっちゃいけないと思う。
手をつけない人はトップとして向いていないわけだから、
災いが起きるのもむべなるかなということ。
まあ、やたら手をつけて整合性がないままで、
なんだか混乱ばかり助長するのもトップの器とは言えないけどね。
誰のこととは言わないけど。