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住民投票は代議制を壊す? 政治学者が警告する「民意」のリスク

待鳥聡史・京都大教授=京都市左京区で2024年6月27日、川平愛撮影
待鳥聡史・京都大教授=京都市左京区で2024年6月27日、川平愛撮影

 政治への不満が高まると有権者は民意を直接、政治に反映したくなる。

 デジタル技術も発達し、直接民主主義的な動きは強まっている。

 国民が投票で代表者を選び、その代表者が政治を行う「代議制民主主義」の優位性は失われつつあるのか。

 政治学者の待鳥聡史・京都大教授(53)は「代議制民主主義はタフ。簡単に他の仕組みに取って代わられはしない」との見方を示す。【聞き手・畠山嵩】

 この記事のなかでは、次のことを語っています。
 ・直接民主主義はなぜ代議制を「壊す」のか?
 ・代議制が批判されながら生き残ってきた理由
 次の関連記事があります。
 「政治家」、必要ですか?
 オードリー・タン氏インタビュー

代議制への不満、いつの時代も

 ――直接民主主義を求める声が強まっています。どうしてでしょうか。

 ◆政党や政治家を介する代議制は、イライラするメカニズムです。民主主義としての純度も高くありません。

 現行のメカニズムでは、政党や政治家は有権者の考えていることを政策に変換するとき、何かを切り捨てる。

 一方、有権者は切り捨てられている感覚が強くなると介在者を外したくなります。

 このため有権者は不満が高まってくると、「民主主義の純度を高めたい」となる。そこで直接民主主義に期待するわけです。

 新型コロナウイルス禍の時に「権威主義体制の方がうまくやれるのではないか」といった議論があったように、振り子が振れるような議論はいつの時代もあります。

 ――直接民主主義的な動きは代議制民主主義を補完するのでしょうか。

 ◆私は補完機能にはならないように思います。

 住民投票が典型的です。勝った方は非…

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