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プレップ租税法



本屋で気になったので買って読んでみた。面白い。

ビジネススキームを考えたり、契約書のドラフトとかをする際に、税務的な観点からのチェックが必要なことになる。税金が与えるインパクト如何ではビジネスが成り立つかどうか、話が変わってくることもままある。そういう意味で、細かいところまで追いきれないにしても、ある程度の理解があった方がいいのだろう、そういう意味で得るものがないかと思って買って見た。

そういう期待にはこたえる本ではない。
そもそもちゃんと前書きとか読まずに勝手に買ったんだから仕方がない。はしがきに「租税法の観光名所案内」とか「0冊目に読む租税法の本」って、書いてあるし。ちゃんと確認してから買え>自分。そういう本としては良くできていると思う。ライトノベル(ラノベとか略すらしい)風な書き方らしいが、そういうのを読まないので、そういうものとしてみた場合にどうなのか、は分からないが、何箇所かで、それらしい仕掛けというかそういうのがあって、それはそれで良い味出していると思う。こういうお陰で堅苦しくないので、読みやすい。その割に、きちんと書くべきところは書いているように見受けられる(税法も知らないので論評できないが)。

狂言回しの2人に名前がついていないので、どっちがどっちなのかところどころ分かりにくいとか、片方が博覧強記の学生というのは、何だかご都合主義的とかいうことを感じる。意味ありげな展開が先に進まないうちに終わるのは、続編を書きたいという作者の意向か?

個人的には第7章の辺りで、話が証券化に行きそうなのに、それまでに手間がかかりすぎでもたついている感じがした。まあ、学生の方々が主たる読者の場合はこのくらいがいいのかもしれないが。

最後の章の税法と司法との距離感の話は面白かった。税法を悪者視する見方に対する、しっかりした反論の必要性は理解するが、その一方で、やはり税法は悪者というか、善いものとして捉えきれるものではないということは押えていないといけないのだろうと思う。税それ自体が、私人間の経済活動に対する公権力による介入である以上、謙抑的に考える必要はあると思うし、税法においてもその視点は軽視されるべきではないと思うので。

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