環境法入門 第2版 (有斐閣アルマ) /交告 尚史 (著), 臼杵 知史 (著), 前田 陽一 (著), 黒川 哲志 (著)
行きの移動中に読み始めて、ようやく一通り目を通したので、雑駁だけど感想をば。
環境法という分野の全体像を要領よくまとめた本、ということになるのだろうか。学際的な要素があることもあって、一人の著者が無理に全部書くよりも、複数の著者がそれぞれの専門性を活かして書くことが上手く作用したのではないだろうか。一人で全部について説明をするにはあまりにも内容が広範過ぎると思われるので。
最初に主なトピックスについての説明をしてから、環境法の基礎知識について説明するというスタイルは、普段目にする事例から話に入るので、とっつきやすく、そのおかげで読みやすく感じられた。
とはいうものの、あまりにもグローバルすぎる話については、正直ピンと来なかった。こちらの業務との関連で関心を抱いている以上、その辺はやむを得ないのだろう。
学問的にも新しい分野(その点に関係するが、巻末の歴史年表は興味深い)だし、不確実性を扱う分、はっきりしないところが多々あるというのが偽らざる印象だが、そこに面白さを見出す人もいるのだろう。