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「アメリカ弁護士のクラス・アクション戦略」/浅香吉幹

日本のロースクールのローレビューの記事を読んでみようと思い、ネット上にあったものをいくつか眺めてみたうえで、これにしてみた。訴訟について、どのように戦略を立てて対応するか、というのは興味があるところなので。

東京大学法科大学院ローレビュー第3巻収録

アメリカの訴訟の中でも、手続き的な意味で複雑な要素を持つ、クラスアクションにおいて、弁護士が如何なる戦略を立てているかを分析している。特に訴訟手続におけるコスト負担の問題、なかでも、弁護士報酬の決められ方が戦略に大きな影響を及ぼすことがよく分かる。冷静に考えれば、費用について、一旦は立て替えるケースも少なくないのだろうから、手持ちの資金力がないとクラスアクションも始められないし、受けられないというのも納得が行く(この点がよく分かるのは、A Civil Actionだろう(僕は留学中のサマースクールで映画化されたものを見たけど)。クラスアクションを始めたせいで、firmが潰れるのだから)。また、弁護士報酬がContingencyベース(負けたら払いなし)になっているときとhourly chargeになっているときとで、弁護士が同じ行動をとるわけがないということも、難しい話とは思われない。

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「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」 東京都写真美術館

20100131HCBKIMURA.jpg

活動期間が重なったり、親交があったということなどもあって、2人の作品を比較展示したということらしい。木村伊兵衛分は、カラー作品でインクジェット出力のものも含めて両者合計で150点以上というから、それなりの分量があった。個人的にはブレッソンの有名な「サン・ラザール駅裏」とかを見ることができたのは、良かったし、コンタクトの展示も、何を撮るか、撮ったものから何を選ぶかという辺りを窺うことができて面白かった。

比較という意味ではブレッソンの方が、絵を描くような感じで、如何にも構図を計算しているという印象が強かった一方で(晩年は写真ではなく絵に専念していたようだし)、木村伊兵衛の方は、もう少し融通無碍で、寧ろ空気感優先という印象を受けた。

「外国語上達法」/千野栄一



「ぼくらの頭脳の鍛え方」で取り上げられていた一冊。新本で見つからず、某古本屋で発見。古本探しもたまには良いものです。

今の勤務先では、中国との関係が深いので、中国語を学んでみようかと思っているのだが、どうやったものか、と悩んでいたので、ヒントになるところがあった。目的と目標、何をどれだけ、学ぶかをきちんと考えること、語彙(重要な1000語を身につけることが重要)と文法が重要、繰り返すことが重要、発音ははじめが肝心で、最初で間違えると矯正不可能、という辺りは肝に銘じる必要があると考えたところ。読み易いし、実例を上げて主張を展開されているのだけど、実例に上げられているのが言語学者とかのプロの方の話が多く、素人にどこまで適用可能かどうかについて疑問が残る。

僕の場合、目的としては、中国語のビジネス文書の読み書きできるようになりたい、というところだが…できるかどうか謎だけど…。実際に始めるかどうかも含めて、もう少し考えてみよう(弱気)。

最後の授業

大学時代、法学部の演習(半年単位のもの)で2年連続お世話になった、政治思想史の教授(以下「教授」とする)が定年で3月末で大学を退官されるということになった。僕にとっては、留学時に推薦状を書いていただいた先生でもある。大学で学部長やその上のポストも経験されているので、仰々しく「最終講義」というようなものをしてもおかしくはないのだろう。しかしながら、ご本人のご意向もあってか、単に補講として行う授業が、事実上の最終講義ということになった。

演習時代の先輩からその旨を伝えるメールが届き、平日の午後の授業を聞きに行こうというのは、カタギには難しいよね、という話だったのだが、連絡を受けた人間が全員カタギではなかった…のではなく、先生の人徳により、7人が出席?するという話になった。7人のうち、1人は近接分野の研究者として同じ大学に残っており、もう一人、教授と同じ分野の研究者で、非常勤講師をしているという人がいるが、あとは、公務員1名、マスコミ関係者2名、銀行員1名とメーカー勤務(僕)、という組み合わせ。

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Hi Five/Superfly



ラジオで聴いて、しばらく頭の中でずっと鳴っていた曲。サビで「上の上へ」と言っているのが、音だけだとwent awayと言っているように思えて、何故そういう歌詞なんだろうと悩んでいたのだった。なんとなく、若い頃の?吉田美和を思い出す真っ直ぐなパワフルさを感じてしまう。聴いていて気持ちが良い声。この後どうなって行くのかな?と思ってしまう。

「基本講義 債権各論〈2〉不法行為法 (ライブラリ法学基本講義)」/潮見佳男



債権各論について基本講義を2分冊にしたものの2冊。こちらは不法行為のみを対象としている。前に、もう一冊についてコメントしたのと同じように、非常に読みやすいし、ここまでは書くけど、ここから先はもっと詳しい本に当たってほしい、という線もきっちりしている。それによりやたらに分厚くなるのが避けられており、不法行為の全体像がつかみやすくなっている。末尾で、特論のような形で、自賠責法や、医療過誤、プライバシー権などに関する記述があるのも、有用と思われる。

…という程度で、堅実なのだろうけど、あっと驚くような感動はしなかった。別に感動を求めているわけではないから、これはこれで構わないはずなのだが。

出張から帰ってきた

日帰り出張から帰ってきました。研究所の偉い人に挨拶して、研究所をざっと案内してもらうという感じで、フツーに終了。作っている製品および製品を作っているテクノロジーについて、理解がまったくできていないので、ロクに質問もできず、時間をとってもらって申し訳ないという気もしたのですが、忙しくなる前に見て置くのも重要、詳しい話は業務上疑問が沸くようになったら都度訊くということで…(弱気)。事務所の机に座っているだけでは分からない、雰囲気がわかっただけでも価値があると思うことにする。

大したことは何一つしていないのですが、「はじめてのおつかい」状態だったのと、移動距離が長かった分だけは疲れて、帰りの電車では東京駅まで爆睡してしまいました。

四ヶ国語麻雀

You tubeネタやめぃ!(by明○家さんま?)…って、某ラジオ番組知らないと通じないか。
ネタ切れですいません。


こういうことをするタモリさんのことを、最近の若い衆はどこまで知っているのだろう?とアラフォーのオジサンは思う。こういうネタに含まれる毒気が、最初の頃のタモリの売りだったとおぼろげに記憶しているけど、今は何だか無害な感じで、つまらない気がする。たまにはこういう毒気を堪能したいところ(タモリ倶楽部でのマニアックさも面白いんだけどね…)。

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寄付

webで寄付、寄付、寄付。寄付、寄付、寄付。どこへもどこまでも~(Shangri-La風)。…って思いついたので(爆)。

twitter上で@tatsurotさんの次の23日のつぶやき

JALとANAの両社に、マイルをハイチに寄付したいと要望を送ってみた。JALの回答:「そのようなサービスはございません」、ANAの回答:「過去にもお客様ご要望で四川大地震などで臨時対応したことがあり、早速担当部署に検討させます」。ユーザーと向き合う姿勢がまるで違う。


が反響を呼んで、25日には次のようになった。

JALグループは、(財)日本ユニセフ協会とともに、JALマイレージバンク日本地区会員がハイチ大地震で被災した子ども達をマイルで支援できる「ハイチ大地震・子ども支援マイル・フォー・ユニセフ」を実施することを決定いたしました。この企画はお客さまからお寄せいただいた善意の声をもとにJALグループ内で検討し、実現させたものです。

凄いねえ。

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説明と説教の間

冷麺とジャージャー麺の間(謎)。

いやその(汗)。ギャグは難しいですね。センスが無いから余計に。

えーと、何が書きたいのかというと、シンガポールの営業さんから、契約書のドラフトを送ってきて「見ておくれ」と言ってきた。部内でデータを検索すると、同じ相手先と似たような契約を以前結ぼうとして昔ドラフトをチェックしたのが見つかった。ただし、そのドラフトが結局どうなったのか分からないので、確認を依頼するメールを書いた。前にこちらから修正提案をしたドラフトがそのまま締結されたのか、締結されたなら何故今回同じような文面の契約書が要るのか(おそらく適用製品が異なるのだろうが、その説明がないので)、もし締結されていないなら、それは何故か(こちらの修正案が蹴られてそれっきりになっているなら、先方が何を嫌ったのか確認したいところ)、というような質問を丁寧に書いたメールを送った。そのメールを部内にCCで落としたら、メールが長すぎて彼らは読まないよ、との指摘。うーむ。

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Girl Goodbye/TOTO

固いばかりが能じゃない…って。年明け最初のyou tubeネタですいません。あまりに感動したのでメモ。you tubeなので、削除されてたらごめんなさい。



佐藤竹善Twitterでのつぶやきで紹介されていたもの。途中どうでもいい(というと失礼だけど)日本語のナレーションが入るけど、音の迫力に比べればたいしたことではない。確かにデビューして2年とかのバンドとしてはスゴすぎかもしれないけど。あと、映像的には、何か口に加えてながらパーカッションをやっている人が気になった。

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「基本講義 債権各論〈1〉契約法・事務管理・不当利得 (ライブラリ法学基本講義)」/潮見佳男



債権法改正について勉強しようにも、自分の債権法の(債権法に限った話ではないけど)知識・理解に問題があると痛感したので、復習をしたほうがいいと思い、買って読んだ。一応大学でも民法の財産法部分は、全部可だったけど(核爆)単位は取ったし、その後も何もやっていないわけではないから…復習という言い方をしても良いと思うことにする(自信なし)。債権法の本といっても、総論から入るよりも各論から入ろうかなと思ったので、amazonのレビューとかを見て、評判が良さそうで、かつ、分量が多すぎないこの本にした。

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「債権各論I上-契約総論」/平井宜雄



出たときに、「はしがき」の内容に驚いたのだが、何故か買わなかった。今回は、正月明けに神保町の古本屋で見かけてつい買ってしまった。
(読み終わってから、エントリをまとめるのに何故か時間がかかってしまった)

「はしがき」の頭から「なによりもまず読者にお断りすべきなのは、本書の内容が基本的にはほぼ10年前に執筆されたままである、という点である。」と来る。そんな内容で何故出すのかと三時間くらい問い詰めたくなったのだが、その後を読むと、要するに死ぬかもしれないから、その前に出せる分だけ出すということらしい。どこまでネタなのか本気なのか、とわかったものではないが…。

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BUSINESS LAW JOURNAL (ビジネスロー・ジャーナル) 2010年 03月号

kataさんから、エントリを上げるのが遅いって言われたし…早めにしてみた。



第一特集のADRの件は、うーん、という感じ。何をいまさらという感じの記事が多いような。各仲裁機関の担当者の話はそれはそれで有用だけど、企業の法務担当者としては、経験された方の生の声をもっと聞きたかったと思う。三井物産の方の体験談をもっと聞きたかったと思う。個人的には、企業の担当者の方に、仲裁人の選び方、仲裁機関の選び方という辺りでもっと細かい話を聞きたかったと思う。

ワークショップは、株主間協定とかの話に関与したことがないので、正直見当もつかなかった。発言にもあったがこういう形で仮想体験とかしておかないと、実際に巻き込まれた時に頭が真っ白になりそう。ネタバレをさける必要はあるが、株券とは何か、ということを忘れてはいかんな、と思った次第。当たり前のことほど忘れがちなので。

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花粉症対策記録

「アバター」と呼べば「アバター」と答える...って、すでに他のところで使ったネタの二番煎じですいません。
(そもそもこれネタがわからんか…)思いつかないので。

花粉症対策で薬(クラレチン)を飲んでいるが、切れたので(薬切れ)、医者に行く。30分待って3分以下の応待だが、別に問題はない。で、また1月分もらう。前は夕食後に服用と言われたのだけど、飲みに行ったりすると忘れるので朝食後ではいけないかと訊くと眠くなるかもしれないが、構わないとのこと。明日からそのようにする予定。

クラレチンが効いているのかいないのかわからないが、とりあえず継続ということで。

顔見せキター!?

ギャクが思いつきません(滝汗)。見習う(コメント欄参照)のはむずかしいと実感。

それより、ピス兄キタ━━━(゜∀゜)━━━!!!

それはさておき、過分なお褒めの言葉をいただいて、恐縮というか、迂闊なことが書けなくなった(今までは書いたことの大半は迂闊なわけで…)という気がするが、気にしないことにする。

でもって、来週、北のほうにある、研究所への出張が決まった。何をしに行くかというと、顔見せである。興業はない。見に行くだけ。研究所でどんなことをやっているのか、ということを僕が多少なりとも理解する、というのもある。研究所の総務にお願いして、技術について説明してもらう。思わず「小学生に教えるつもりで教えてください」と言ってみた。でも、分かんないんだよね。恥ずかしながら。

行くのは、こちらが現地を見て、理解を深めるというのもあるけど、現地の人達に、こちらを理解してもらうということもある。少なくとも上の方の部長クラスには会う予定。イントラネットとかで法務にこういう人間がいるということが分かっても、話をしたことがないと、どうしても相談とかしにくいだろう。それを解消するための手段となると、やはり直に顔を合わせるのがいいし、相手が出張に来た時よりも、相手のところに行った方が良いのだろうと思う。相手にとってawayのところで会うよりも相手のhomeで会う方が、相手の警戒感を解きやすいのではないかという気がする。一旦警戒感が解ければ、あとはメールだろうと電話だろうとそれなりになんとかなるような気がする。最初が肝心。

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何かと思ったら…

senri4000さんの質問を誤読して落ち込んでいたら、気がつくと、カウンターが見たこともないような数字をたたき出している。どっかで笑いものになっているのか、とさらに凹みつつもtwitterのTLを見たら…。

おおすぎ先生のところで、先日のFJneo1994さんとのやり取りをご紹介いただいていた。
(ろじゃあさんの呼び出しまでしていただいたのは恐縮です)

おおすぎ先生とFJneo1994さんにいじっていただいたおかげで、アクセス数が倍増していて、びっくりです。どうもありがとうございます。

どうもすっきりしない

NDAの雛形を見ていて、はっきりしないところがあるので、書いておくと、偉い人が教えてくれないかと思って書いてみる。投げやりですいません。実際に仲裁に関与したことがないこともあり、どうもよく分からないのです。

NDAで、国をまたぐ形で、異国の相手方と取り交わすケースを想定した場合、紛争解決手段としては、仲裁ということにするのが通常なのではないかと思う。国をまたいだケースで決定の執行まで考えるとニューヨーク条約が使えると便利だし、裁判公開の国とかもあるから(日本は非公開にする手段があるけど)…と理解している。

一方で、守秘性の特に高い情報の漏洩を考えると、仮処分のようなものがとれた方が便利な気がする。仲裁は、仲裁廷ができるまでに時間がかかるのではないかと思うから、仲裁開始後に現状維持のためのorderを出してもらうとかそういうことはできるだろうけど、仲裁廷ができるまえに、何らかの迅速な措置を求めるのは難しいのではないかと考える。

これって、仲裁と両立するのだろうか?上記のような仮処分を求める余地を残すことが、仲裁合意の効力を妨げたりしないのか、気になる。

実はものすごい初歩的な話かもしれないのだが、ご存知の方がいたら、ご教示いただけると幸甚です。

メモ:(社)日本監査役協会のサイト

twitterのisologueさんのつぶやきから。忘れると嫌なのでメモ。知っている人は知っているのだろうが、知らなかったのでメモ。

(社)日本監査役協会

文字通りbrowseしているのだが、「役員人材バンク」とかもある。

役員人材バンクとは、協会登録監査役・監査委員及びそのOBで、社外役員に就任する意思のある方のリストを掲載し、社外役員等を必要とする会社が無料且つ自由にリストを検索閲覧できるシステムです。

とのこと。一体どれくらい登録があるのかと思ったら500人(いつの時点の話か不明だが2008年か2009年のどこかの時点?)は登録があるらしい。社外取締役とかって、どうやって探すのか?と思っていたのだが、こういうところから探す手もあるということか。なるほど。

電子図書館のところに、様々な資料がおいてある。

ケーススタディ委員会のところには、「新任監査役ガイド」とか、「企業の不祥事防止と監査役」という事例研究とかも出ている。新任監査役さん向けの研修のネタの宝庫かもしれない。

質問:契約書原本の保管義務期間

知財渉外にて、のsenri4000さんから、法務の人宛の質問なので、とりあえず答えを考えてみることにする。

で、法務の皆様に質問。日本の会社的には、契約書は原本にサインされたものを保有しておくのが必須なんでしょうか? pdfサインでも構わないでしょうか? どちらの場合でも、根拠とともにご教示頂けると大変ありがたいんですが・・・。



(追記:以下、質問の内容を誤読(「保有」を「保管」と空目してしまった。)して書いており、その旨訂正してお詫びする。詳細はコメント欄をご覧あれ。エントリごと消そうかと思ったが、一応残しておきます。ああ、恥ずかしい(汗))

おそらくプラクティカルには、永久保管を推奨(ただし、どこかの時点で電子化もアリ)ということになるのではないかと思う。不法行為も含めた時効(20年)とかを考えるとそういう話になると思うが、それってやったほうが良いと言う話であって、義務ではない。となると、義務は…?ということで調べ始めることにする。

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「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト/酒井穣



NED-WLTの酒井穣さんの本。twitter上でも好評なようなので、買って読んでみた。全部が参考になる人は稀ではないかと思う一方で、どこかが参考になる人は多いと思うし(もちろん、一番読んで欲しいのは経営者の方なのだが)、その意味で買って読む価値はあるのではないかと思う。ネット上で好評だからといっても好みに合わなかったりするケースも多いのだが、これはそうではなかった。

緻密な構成に基づき、自らの考えを具体的な人の発言や具体的事例で裏打ちしていて、分り易いし、読み易い。僕は、本を読むのが必ずしも早くはないのだが、それでも、会社からの帰り道の電車の中の1時間ほどで読み終わってしまった。平易な文章と読ませる力の所以だろう。

個人的に一番印象に残ったのは、冒頭で書かれている次の発言。

すべての日本人がグローバルな人材市場に投げ出されようとしている現在、きちんとした人材育成を打ち出せない日本企業は、従業員の多くを路頭に迷わせることになります。


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追伸?

またもや、FJneo1994さんからお返事をいただいた。小倉先生の記事に対する話は、うかつにコメントすると大変そうなので(謎)、脇において、ついで、ということで補足させてください。この種の話をする資格には疑問の余地があるものの、嫌いじゃないんで。
(特に反応を求めているわけではないのでお気遣いなく>FJneo1994さま)

「有資格者が法務と全く縁のなさそうな部署に配属される」という前提も、自分の中にはなかった

というコメントと、対応する注の

よほど社内の法務部門の層が厚い会社でなければ、有資格者が永久に法務部署に行けないような人事をするはずはないし、1年くらいの期間であれば、法務と無関係な部署に行くことが本人にとってプラスになることも多いと思うのだけれど・・・。


という部分について補足。

(この手の話題には、最近エントリを書いてくれないけど、やはりろじゃあさんが出てきてほしいのだけど…)

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「憲法入門」/長谷部恭男



本屋でカバーを見て購入。ジャケ買い(?)というところ。固くて、白っぽいカバー。縦書きで下に余白の多いレイアウト、というあたりから故芦部教授の「国家と法(1)」を思い出した。とはいうものの、末尾に日本国憲法の本文部分が全文出ているので、それ以外の本論部分は140ページ程度とコンパクト。
(どうでもいいが、2010年1月17日21時現在ではamazonの商品紹介のところは著者名が出ていない。何故だろう?)

憲法の入門ではあるけれど、判例がどうのこうのという話は控えめで、政治学とかで取り上げるような話が多め。全体と通して素っ気なく、物足りない感じもしなくはないが、あまり熱く語られても読者が引くだけかもしれないし、シニカルな芸風のようなので、こんなものなのかもしれない。

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15年

阪神淡路の震災から15年。

時がたつのは早いもんです。あの時は右も左も分かっておらず、オタオタするばかりの新入社員だったのが、2度の転職を経て、入社してひと月経ってなくても、右も左も分かっているかのように、エラそうに能書きくらいは言えるようになるくらいの時間があったということなんだろう。

そうかと思うと、ハイチで地震。トイレが大変だという話も聞こえてきたけど、それって阪神淡路のときもそうだったよな、と思い出す。当時は、住んでいた西宮の寮が前線基地みたいになって、関西エリアに諸々の手伝いに来られる方々が寝泊りをしていた。僕は、庶務課の社員として、そういう方々のお相手をしていて、神戸エリアには結局足を踏み入れなかったが、神戸エリアに行かれた方々からは、報道では伝わらないが、トイレやその臭いの問題について指摘があった。実際、僕の住んでいたその独身寮でもトイレ問題はあったし…(僕も含め、大阪エリアに出勤する人間はそっちで済ませるという手があったが)。風呂に入らないのは僕は4日しか耐えられなかった(耐えきれずに、会社で枠で抑えた某ホテルに泊めてもらって、風呂に入った…)。

(地震関連ではさとなおさんの次のエントリをご覧あれ。
地震が起こったら、まずこれをしろ!
地震が起こる前に、これだけはしておけ!
震度7の朝、妻は妊娠9ヶ月だった。)

ともあれ、遅ればせながら、ハイチ向けに少額とはいえ寄付をしてみた。こういうときに、どこに寄付をすべきか、寄付がきちんと現地の役に立つ形で届くのか、いつもながらに不安ではあるが、今回は医師不足が聞こえてきていることもあり、国境なき医師団に寄付をしてみた。きちんと役立つことを祈るばかり。

お返事、のようなもの。

企業法務戦士の雑感のFJneo1994さんからコメントいただいた件についてお返事をば。きちんとしたお返事になっていると良いのだが。まずはコメントをありがとうございました。多忙そうなFJneo1994さんが、こちらのようなグダグダなblogまでご覧いただいているとは思わなかった…。

次に、そもそものこちらのエントリでネタにした方々(共に元同僚だが)に失礼をお詫びする。読み返すと、自分の意図したものではないものの、何だかとても失礼なことを書いたように思えるので。


さて、ご指摘いただいた点について、今一度考えてみたのだけど、僕の書いたものは、自分の経験を過度に一般化しすぎたかもしれないと反省する。前の職場(2社目)では、別に禁止されているわけでなく、上司は寧ろ推奨していたものの、直接法務が「外」と交渉する経験を持つ法務の人はそう多くなく、寧ろ「中」相手に追われているという認識でいたので、ああいうコメントを聞いてなるほど、と思った原因だろう。

また、「幻想めいたものが混じっている」とご指摘いただいた部分については、「良い面」と「悪い面」がある場合に、前者だけ見過ぎているということだろうし、それは否定できない。

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101未満あるいは顔見世興行について

なんのことやら分からんタイトルですいません。一応意味はあるのです。

ぼちぼちと仕事も始まった。昨日は、「契約書が来たので見てください」とだけ書いてあるメールが来た。添付ファイルの文案を見ると、商社との間での取引基本契約で、売り買い双方を想定したものなので、こちらの会社が売り主になる話か買い主になる話かも判断できない。送り主は営業の人なので、こちらが買う話であれば購買担当から話が来ると思われることからすると、こちらが売る側だろうと善解できなくはない。ただ、社内ルール上は、如何なる取引をしようとしているのか、その相手先の信用状況を調べたかどうかとか、その相手先との今までの取引状況とか書いた申請書類を出してもらうことになっている。そこで、そのルールがある旨と、ルール上求められているような情報のインプットもなく、右から左に書類を流されるだけでは、どこをどう見たら良いのか分からず、見ようがないという趣旨のことを、丁寧目に書いて返信(遠隔地でつかまらないのでメールにて返信)した。

色々な事情で(さすがに書くと気まずいので略)、日々の取引に忙しいということもあり、契約のこととかあまり考えてくれない営業の人もそれなりにいるようなので、こちらの自己紹介も兼ねて契約についての研修とかしたほうが良いのだろうとぼんやり思っていると、法務の社内での宣伝も兼ねて、英文契約とかについての研修をしたらどうか、という声が出てきた。前に契約についての研修をしてから3年以上経過しているという状況を考えると、契約入門をイントロにくっつけたうえで、英文契約のすっごい大雑把な入門をして、英文っていうだけで反射的に法務に投げないようになってもらうことを期待して、最後に法務に投げる際には最低限これくらいはしてくれ、ってことを説明して、全部で1時間くらいに…なるわけないか。無理にやるとしても1時間半とかが聞く側の忍耐力の限度だろう。

入門というか入門以前で、だから101以下ってところ…と書いても訳が分からないが、アメリカの大学では入門講義を「科目名101」で表現するようなので、入門以下というと101以下というか101未満と思って…まあ、こういうタイトルなわけだ。

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そこまでするか?

契約書とかで、最近は反社会的勢力の排除に関する条項があったりする。この条項が出てきた背景とか、見るときのポイントに付いては、「契約審査研究所」のサイトの記載が簡潔にまとめてくれていて参考になる。

この種の条項の中には、時として、会社またはその実質的経営者について、反社会的勢力ではないことのみならず、過去においてもそうでなかったということを表明保証されたり、そういうのに該当すると契約解除とかになったりすることもある。たまたま、ある契約書のドラフトを見ていたら、そういうものに行き当たったわけだ。

しかしながら、過去までチェックの対象になるってことは、一旦その道に入ったら、「その道の人」というレッテルが貼られて、社会から排除されて、しかもその排除が「足を洗った」後もついて回ることになるということだ。となると、そこまでやる習慣が広まってしまったら、結果的に「足を洗う」ことに対するマイナスのインセンティブとして機能し得るわけで、それは誰のためにもならないと思う。

この話の出所になっている、企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針においても、そこまでのことは求めていないと思う。過剰反応しすぎという所なんだろう。こういうのも郷原弁護士の言う「思考停止」社会のひとつの現われなのかもしれない。何だか嫌がする。

最初は?

まっとうなエントリの数々を拝読している、企業法務戦士の雑感、でのエントリを見て、思い出したのでメモ。
追記)当のFJneo1994氏からコメントのエントリもいただいてしまった。びっくり。それについては、別途返信のエントリをば立てる予定。

前職(要は2社目の会社)で同僚だった弁護士さん(修習修了後に入社、1年ほど勤務して退社し、弁護士事務所に入られて今3年目)と先日(前職を退職する前)酒を呑みながら話をしていたときに、企業の法務部に勤務しているのと、弁護士事務所にいるのとの違いについて話が及んだ。その時のコメントが印象的だった。概略次のとおり。酒呑みながらの話だから、記憶が定かでないかもしれない。

企業内部にいると、接しているのは内部の人が中心で、そうなると同じ企業の中にいて、共通の目標に向かって動いているから、見解が対立するとしても限度がある。それに対して、弁護士事務所の場合、クライアントがいて、その相手方がいるけど、クライアントと相手方とは利害が真っ向から対立しているケースが多いので、それだけでかかってくるプレッシャーが全然違う。

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車中火気厳禁か?

本日の帰りの電車でのこと。正直あまり賢そうに見えない、高校生と思われる制服のようなものを着た10代くらいの人たち数人が、電車の中でライターを弄って、時々火を付けていた。ついでにいうと、タバコがどうのこうのとか言っていた。おそらくタバコを吸って良い年代ではないということはさておき、電車が空いていたとはいえ、ライターを弄っているのはまずいのではないか。

注意しようかと思ったが、注意する根拠がないと、無視されるか逆ギレされて碌でも無い目に合いそうなので、とりあえず何も言えなかった。せめて降りた駅で駅員に言ってみてもよかったな、と反省。

で、ネタもないこともあり、根拠を探すことにした。

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JP law review on line

アメリカのロースクールにならって、日本の法科大学院もローレビューを出しているところがある。で、内容をネットで確認できたところについて、気づいた範囲で以下メモ。

東京大学法科大学院ローレビュー
慶應法学
Law & Practice (早稲田)
名古屋ロー・レビュー
筑波ロー・ジャーナル

中央は目次しかサイトに出ていなかった。京都・一橋はそもそもローレビューがあるのかどうか不明(各々の法科大学院のサイトマップからも確認できず)。大宮はあるようだけど、ネット上では見つけられず。

こういうところに出ている論文でも面白そうなのは読んでみようかと思う。

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日本にある企業の法務部署で働いています。
*コメント等で私に言及するときは
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