負けないこと、いや、そもそも試合にならないのが一番(何のことやら)。
珍しく裁判例を読んでみたのでメモ。オリンパス内部報復事件である。僕よりも少なくとも数倍は忙しいはずのFJneo1994さんが、すばやくエントリについてまとめてくれたのを読んで、これはヒドイな、と思ったので、遅ればせながら読んでみた。
なお、
FJneo1994さんのエントリでは
地裁判決のひどさに焦点があれられているが、高裁判決が某所でupされているとtwitterのTLで教わったので、そちらも合わせて読んでみた。
(ただし、upされていたものについては、現物のコピーを上げているものの、関係者の名前の消し方に疑問があるため、ここではリンクしないでおく。そのうちしかるべき形で高裁判決が正式なところに出るだろうから、慌てる必要はないだろう...)
地裁判決のヒドさについては、FJneo1994さんが的確にまとめられておられるので、それ以上何かを付け加えることはないと思う。
地裁判決で、不正競争防止法違反に関する具体的認識がないことを問題視していた部分については、そもそも同社の内部通報に関する内規では、法令違反に限らず倫理上問題になりうるケースも対象としており、控訴人(原審原告)が本件内部通報当時、不正競争防止法違反の認識があったとはしなかったものの、問題の行為による取引先との関係悪化の可能性について、根拠のある相当の懸念があったとして、その場合は、当該内部規定に基づき、本件内部通報について、控訴人の秘密を守りつつ、同社コンプライアンス室が適性に処理する義務があった(そのうえで更に、控訴人の氏名を開示したことについての控訴人の同意については、原告その他の関係者の証言および電子メールでの記載から、その存在を否定)としたうえで、次のように判示している。
(p46-47 注:関係者の引用については、dtk側で固有名詞を置き換えた。)
以上の事実を総合すれば、被控訴人αは、控訴人の言動によってβからの二人目(γ)の転職を阻止されたと考え、さらにはその後もIMS事業部内における被控訴人αらと控訴人との人間関係の悪化が解消ししなかったことを問題視し、不快の念を抱いたと推認できる。
これに加えて、第一配転命令は、控訴人がNDTシステムグループ営業チームリーダーの職位に就いた僅か半年後にされたものであること、被控訴人αが第一配点命令を検討し始めたのは控訴人が本件内部通報をしたことを知った直後の平成19年7月であり、第1配転命令の予定が控訴人に説明されたのが同年8月27日であること、及び、後記(4)で認定の第1配転命令の内容や、これについての業務上の必要性の程度に鑑みれば、被控訴人αは、控訴人のβの従業員転職に関する本件内部通報を含む一連の言動が控訴人の立場上やむを得ずされた正当なものであったにもかかわらず、これを問題視し、業務上の必要性とは無関係に、主として個人的な感情に基づき、いわば制裁的に第1配転命令をしたものと推認できる。そして、控訴人が本件内部通報をしたことをその動機の一つとしている点において、第1配転命令は、通報による不利益取扱いを禁止した運用規定にも反するものである。
で、メモしたかったことはそういうことではない...。前置きが長くなってしまった。
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