価値はどこに?
現代の臥竜窟さんでネタを振られた…ような気がするので考えてみる。
ネタはAbitusの、オンラインでLLM+Bar Examを受けるコースの価値に関してのもの。
他人(派遣元企業)のカネで留学に行っておきながら1年で辞めた点とか、その他の点でも、僕がこの手の質問にお答えするべき立場にいるのかどうか、疑問の余地はあちこちにあるのだけど、まあ、そこらは、いつものように棚に上げて、個人的なコメントをば。前フリが長くなったので、「追記」で失礼。他の該当者の方にもコメントを伺ってみたいところ。
ネタはAbitusの、オンラインでLLM+Bar Examを受けるコースの価値に関してのもの。
正直、今の状態では、米国弁護士資格を取得することによる、
日常業務への付加価値という意味でのメリットが具体的に分かっていないので、
分からないものにはそうそう大金を払うことはできないという結論になるのである。
他人(派遣元企業)のカネで留学に行っておきながら1年で辞めた点とか、その他の点でも、僕がこの手の質問にお答えするべき立場にいるのかどうか、疑問の余地はあちこちにあるのだけど、まあ、そこらは、いつものように棚に上げて、個人的なコメントをば。前フリが長くなったので、「追記」で失礼。他の該当者の方にもコメントを伺ってみたいところ。
ご質問が資格の価値なので、単にLLMとだけ、という状態と、LLM+Bar Examに合格して資格取得、という状態を比較することが必要と思う。その他のLLMと形態が異なるので、それ以外の比較については、正直答えにくいし。
僕自身は、LLMに派遣してくれた企業が、「資格試験の勉強よりも早く戻ってきて働け」というスタンスの企業だったので、一旦帰国してから、別途受験勉強をして受験した。最初の受験と2度目の受験との間に転職したりもしたが。受験にしても資格取得についても、強制されたわけでもなく、自発的に(というほどエラそうなものではないが)行ったということになる。そういう物好きをしたので、上記の問いに答える資格はあるのかもしれない(と思うことにする)
そんなことをした理由はいくつかある。受験勉強をしていた時に意識していた(と記憶している)のは次の点。
このうち、最初の点については、次の2点を補足しておく必要があるのかもしれない。
なお、もともとのご質問にあった
これらのうち、後者のうち、判例検索については、そもそも業務上westとかLexisとかを使っていないので、正直分からない。もっとも、会社で導入しているところでは、ベンダーが来てトレーニングセッションとかやってくれるのであれば、そこで十分使えば、あとはOJTというか「習うより慣れろ」で使い続ければそれなりに慣れるのではないだろうか。前者については、留学前よりは、法律英語を操る能力は向上したので、効果はあったと思うけれど、それでもネィティブの弁護士がレビューするのとは開きがあるのを実感する。
その一方では、通学でLLMに行く価値には、現地に、現地のロースクールに身を置くこと(外国の弁護士の作られ方を見ることができる)、一旦それまでの職場から物理的に切り離されること、他の同様な立場の人と、それまでの属性を抜きにして、留学生として同じ立場で付き合う機会があること、等々があると思う。その辺があまりないということは、オンラインのデメリットかもしれない(時間と場所の面でのフレキシビリティというメリットの大きさも重要だけど)。
…と、とりとめのない話になったけど、お答えになっていると幸いです。
一番最後に、既に指摘があるが、仮にLLMとBar Exam対策をオンラインで済ませるとしても、試験のために渡米は必須である。CAの場合は、NYと違って面接等のために、試験とは別に渡米する必要はない(Cal Bar受験日記の記載による)としても、1度は渡米しないといけないし、MPRE(倫理の試験)を別に受けるとなると2度は最低でも渡航が必要。MPREは、Bar Eaxmと一緒に受けるとなると滞在日数が長くなるので、仕事の合間に時間をやりくりするのが大変になる。ハワイでもグアムでも受験可能だし、試験が年3回とあるので、受験のタイミングを別にするのもひとつの手かもしれない。
僕自身は、LLMに派遣してくれた企業が、「資格試験の勉強よりも早く戻ってきて働け」というスタンスの企業だったので、一旦帰国してから、別途受験勉強をして受験した。最初の受験と2度目の受験との間に転職したりもしたが。受験にしても資格取得についても、強制されたわけでもなく、自発的に(というほどエラそうなものではないが)行ったということになる。そういう物好きをしたので、上記の問いに答える資格はあるのかもしれない(と思うことにする)
そんなことをした理由はいくつかある。受験勉強をしていた時に意識していた(と記憶している)のは次の点。
- LLMの一年間(厳密には一年無いけど)で学べることは限られている。アメリカ法の全体像を把握するには足らないという気がする。業務に関係のある単位はある程度取れるだろうけれど、そういう科目を取ると、公法系の講義までは取れない。そういうところも含めた全体像について学ぶには、Bar Examの準備の場でしかなかった。
- 強制されないのはお気楽な一方で、周囲の日本人留学生達がやっていることをやらないというのは、正直疎外感があった。よって、そこまでやって他の皆さんと同じ、という感覚もあった。
- これは特に転職してから思ったのだが、何も資格がないよりはあった方が、外人の弁護士に舐められないという点で良いのかもしれない。
- これも特に転職してから意識したのだが、米国の訴訟においては、Attorney-client Privillegeが使いやすくなる。
このうち、最初の点については、次の2点を補足しておく必要があるのかもしれない。
- 僕の場合、試験用に無理に詰め込んだ知識で、その後使う機会のなかったものは、既に綺麗に忘れている。自分の中に残ったのは感覚的なもので、そこにどれくらいの価値があるのかは、正直よく分からない。
- Abitusのコースの場合、履修科目がBar向けになっているので、全体像という意味では、通常の通学のLLMよりは、理解が深まるかもしれない。もちろん、特定の分野については、逆のことが当てはまるかもしれない。この辺りは実際の講義次第だろう。
なお、もともとのご質問にあった
という点については、それはLLMで身につくかもしれない価値であると思うので、これまた、あちらの講義次第、かもしれない。例えば、資格取得により、・英文契約書をドラフティングするうえでの精度や完成度が圧倒的に上がり、弁護士にレビューを依頼する必要がほとんどなくなった・米国内での判例をサクサクと検索・調査できるようになり、紛争時の判断基準を自社内で打ち立てることができるようになったとか、そういったことが具体的な付加価値として生み出せるようになるのであれば、非常に投資効果としては良いのかもしれない。
これらのうち、後者のうち、判例検索については、そもそも業務上westとかLexisとかを使っていないので、正直分からない。もっとも、会社で導入しているところでは、ベンダーが来てトレーニングセッションとかやってくれるのであれば、そこで十分使えば、あとはOJTというか「習うより慣れろ」で使い続ければそれなりに慣れるのではないだろうか。前者については、留学前よりは、法律英語を操る能力は向上したので、効果はあったと思うけれど、それでもネィティブの弁護士がレビューするのとは開きがあるのを実感する。
その一方では、通学でLLMに行く価値には、現地に、現地のロースクールに身を置くこと(外国の弁護士の作られ方を見ることができる)、一旦それまでの職場から物理的に切り離されること、他の同様な立場の人と、それまでの属性を抜きにして、留学生として同じ立場で付き合う機会があること、等々があると思う。その辺があまりないということは、オンラインのデメリットかもしれない(時間と場所の面でのフレキシビリティというメリットの大きさも重要だけど)。
…と、とりとめのない話になったけど、お答えになっていると幸いです。
一番最後に、既に指摘があるが、仮にLLMとBar Exam対策をオンラインで済ませるとしても、試験のために渡米は必須である。CAの場合は、NYと違って面接等のために、試験とは別に渡米する必要はない(Cal Bar受験日記の記載による)としても、1度は渡米しないといけないし、MPRE(倫理の試験)を別に受けるとなると2度は最低でも渡航が必要。MPREは、Bar Eaxmと一緒に受けるとなると滞在日数が長くなるので、仕事の合間に時間をやりくりするのが大変になる。ハワイでもグアムでも受験可能だし、試験が年3回とあるので、受験のタイミングを別にするのもひとつの手かもしれない。