また過去問に戻って今回は1999年の東大理系の問題です。
文系は下の問題のpのとこを1/2に置き換えた出題です。
確率とか場合の数の範囲だけで出来ます。
[問題]pを0<p<1を満たす実数とする。
(1)四面体ABCDの各辺はそれぞれ確率pで電気を通すものとする。
このとき、頂点AからBに電流が流れる確率を求めよ。
ただし、各辺が電流を通すか通さないかは独立で、辺以外は電流を通さないものとする。
(2)(1)で考えたような2つの四面体ABCDとEFGHを図のように頂点AとEでつないだとき、頂点BからFに電流が流れる確率を求めよ。
[解答・解説]
AからBへ流れるにはA→B
A→C→B
A→C→D→B
A→C→D→A→B
A→C→D→A→C→B
と三角形ACDをn周回ってBについた確率とかを足していって極限を求めればいけそうです。
どうやらそれは問題を読み間違えてるようです。
考えてみると、電流は一瞬で流れるし全体的に自由電子が流れる現象なので一周目とか二周目とか言う概念は無いと思います。
恐らく問題は各辺はpの確率で電流が流れるか流れないか最初に決まっていて、そこに電流が流れると言うことだと思います。
このようにpの確率でスイッチが閉じていると考えてください。
さらによく考えると電流が流れるには回路が閉じていなければならないのではないかとか考えると、考えれば考えるほど問題の意味がよくわからなくなるのでここでやめときましょう。
もしかすると、各辺が電流を通すか通さないかは独立でとか言う注意書きがpの確率でスイッチが閉じているとかみたいなイメージなことを言ってるのかもしれません、
この問題は難しいと言うわけではありませんが正解するには苦戦をすると思います。
東大ではこういうややこしい問題がよく出るような気がします。
工夫をして綺麗に解ければ言うことはありませんが実際試験会場でわけわからんことなってる時に、そうやって解けるのかって話になります。
もうトイレで和式に入ったらドアを閉め忘れて他の受験生に開けられて気まずい雰囲気になるような精神状態です。
それはオレか。
と言うことで、あまり工夫はしてませんが普通の考えで解いて正確に数えていくと言う方針でやっていきたいと思います。
たぶんそういうことをやることで基本的なことなのに曖昧になっていたり理解出来て無かったとこを発見して底力がつくかもしれません。
たぶん。
正確に数えるって言うのは簡単に言えますがどう正確に数えるかと言うと、明確なルールを決めて機械的に数えてあげようとします。
そういう基本的なトレーニングがきっと役に立つと個人的には思います。
本当に基本的なことを理解してたら出来ると言うことにはなってます。
問題に入りますがまず最初に思いつくのが
AからBへ直接流れる場合です。
これは単純に確率はpです。
図の○はそこは電流が通ることを意味してます。
×は電流が通らないことにします。
ですが普段はあまり意識しないと思いますが、この確率pには色々なものが含まれています。
A→Bが○でA→C→Bが○とか×とかも含まれています。
このpはAからBへ直接流れるもの全てを含んでいます。
と言うことは、これでA→Bを通るものは全て網羅したことになります。
すると次はA→Bへ直接に電流が通らないものでAからBへ通るものを考えます。
こうやって網羅した経路を次はそこが封鎖されたものを数えていくルールをはっきり意識して数えていきます。
今度はA→Bは塞がっていてA→C→Bは通るものの確率を考えます。
これも確率は簡単にp^2(1-p)と求まります。
この確率にも
A→D→Bも通ったり通らなかったりするものが含まれています。
だからさっきと同じでA→Bは塞がっていてA→C→Bは通るものは全て網羅されたことを意味してます。
そこで次はルールに則って、今までのルートを防ぐ。
A→Bが通らなくて、C→Bが通らないものを考えます。
今度はA→Cを経由するものではA→C→D→Bが通らなければBにつかなくてこの確率は
p^3(1-p)^2
とわかります。
図で×の数が1-p、○の数がpの因子の数になってるから簡単にでます。
それでは、A→Bが×なのは前提としてますが、これまではA→Cを経由するものを全て数えたのでここの経由でBにたどりつくものを今度は全て塞ぎます。
それにはA→C経由でBにたどりつかないが遠くまでたどりつくようなものから考えます。
つまりA→C→Dが○ものを考えると
C→Bが×で
D→Bが×
ですが、これはBまでたどりつかなくなるので考えなくてオッケーです。
と言うことで、A→Cが○ものを次に考えて
C→Dが×で
C→Bが×
の場合ならオッケーです。
今度はA→Cを×にするとこれは、A→C自体が通れないのでこの場合も大丈夫です。
この二つの場合について考えます。
一つ目はA→D→Bを○にするしかないので確率は
(1-p)^3p^3
二つ目はA→D→Bを○にするものは(1-p)^2p^2です。
これはA→D→C→Bが○の時と×の時を含んでいます、
後はA→BとA→Cを経由せず更にB→Dを×にしたものを数えることになりますが、これはA→C→D→Bの一通りに決まっていて
(1-p)^3p^3
です。
最後に全部たして
ようやく完成です。
これを間違えずにやるのはキツいかもしれません…
ですが東大としては難易度は低い方だと思うから落としたくは無い問題です。
もっとわかりやすいやり方とかあると思いますが血吐いて死んだとしても解ける!と言う力を付けてください。
小手先の技術は通用しないことが多くて、ほんまにこんな数えあげや場合分けをするんか?ってことが東大にはやっぱりあります。
逆に言うと、基本的なことなのに解けない、基本は大切とはこう言うことかと、基本のすごさを少しはわかったような気にさせられます。
(2)は一瞬でわかると思います。
(1)の答えを2乗するだけです。
おまけみたいな感じですね。
それと辺の結び目の構造が同じであればよいので
こう言う図で考えた方がわかりやすいし図も簡単に書けます。
こういうややこしい確率や場合の数の問題が過去問に出てるので、この問題も色々と考察すると役に立つと思います。
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