2024/11/28
みちばたの花 167
昭和天皇が「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決めつけてしまうのはいけない」
とおっしゃったという有名なエピソードがあります。
そのような一般の人が雑草とひとくくりにしている植物やあまり有名ではない植物をいくつかを紹介していきます。
犬蓼(イヌタデ)
5月26日撮影
イヌタデはタデ科イヌタデ属の一年草で、みちばたで普通に見られます。
薬味として利用されるヤナギタデに対して、葉に辛みがなく役に立たないと言う意味で、イヌタデと呼ばれます。
若い頃、子母沢寛の「勝海舟」を読んだとき、第一巻の冒頭付近で あかまんま という章があって、この意味がわからず辞書を引いたことがあります。
まんまというのはご飯の幼児語で、あかまんまは赤飯のことです。
花が赤いイヌタデを赤飯に見たてて、俗に「あかまんま」や「あかのまんま」とよぶことがわかりました。
幕末の動乱が始まろうとする頃、みちばたに揺れるたあかまんまの穂が、江戸を駆け抜ける勝海舟の後ろ姿を見送っていたことでしょう。
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