2024/12/23
みちばたの花 187
昭和天皇が「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決めつけてしまうのはいけない」とおっしゃったという有名なエピソードがあります。そのような一般の人が雑草とひとくくりにしている植物やあまり有名ではない植物を紹介していきます。
雀の鉄砲(スズメノテッポウ)
4月25日撮影
スズメノテッポウはイネ科の小型の草本植物です。
春になると出てくる棒状の細い穂が目立ちます。
この細い穂を鉄砲になぞらえてスズメノテッポウと名付けられました。。
穂が出る前のまだ未熟な穂を口に入れると、ほんのりと柔らかい舌触りがします。それをかみ続けるとガムのようになります。最後には吐き捨てますが、60年以上前、物がなかった時代の子どもには、ガムの代用品としての利用価値がありました。
4月12日撮影
スズメノテッポウを一本、折り取って、鉄砲の部分を引き抜きます。すると、空洞になった葉鞘と葉身が残ります。葉身の部分を葉鞘に沿わせるように根元から折り曲げれば、薄い膜状の葉耳が突き出た状態になります。この葉耳がリードの役目を果たし、この部分を口に収めてうまく吹くとピーと高い音を出すことができます。半世紀以上前子どもだった方なら誰でもやっていた遊びではないでしょうか。どうですかみなさん、うまく吹けていましたか。
3回にわたって、スズメノカタビラ、スズメノヤリ、スズメノテッポウを取り上げました。
世界のあちこちで戦争の絶えない現今、世界の兵士がスズメノカタビラを身にまとい、スズメノヤリやスズメノテッポウで戦えば、平和な世界になるだろうに。
そう思いませんか?