2023/12/03
きままに映画 5
首北野武監督の「首」を見てきました。
制作にお金がかかっているのが画面を見てわかります。
しかし、それほどお金をかけてつくる価値のある映画ですかねぇ。
日本人なら誰でも知っている、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、明智光秀などの武将たちが中心にいて、誰もが知っている「本能寺の変」に向けたストーリーになっています。
しかし、話の骨格は織田信長と明智光秀と荒木村重はホモだったという設定にあり、男同士の三角関係のもつれが日本史最大級の事件の伏線となっていきます。
今年は大河ドラマ「どうする家康」が放送されていてテレビで予習しているので、出てくるエピソードがどの史実をもとにしているのかが分かりやすくなっています。そうです、この作品は歴史をパロディ化してエンタテインメント作品に仕上げているのです。
その中身は、女優がほぼ皆無という壮大な男色映画。
こんな下ネタで大がかりな映画を撮って欲しくなかったというのが正直な感想です。
カンヌ映画祭では評判がよかったそうですね。
外国人は日本史を知らないで見るから、映像だけからの判断でしょう。首切りや切腹などの外国人が好むリアルなシーンは北野武監督の真骨頂ですから映像表現に対しての評価があったのだと思います。
しかし、普通の日本人から見たら違和感の方が大きいのではないでしょうか。
今年はジャニー喜多川による性加害問題が大きな話題になった年でした。
そんな年に、こんな映画が出てくる。
LGBTや性的マイノリティがありふれた存在として認識される時代になったのです。
本作に登場するイカれた信長を、芸能界に君臨したジャニー喜多川になぞらえることができるなら、この映画の価値があるのかもしれません。
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