今日も役立ち質問コーナーがやってきたか。
毎回名前変わってるやろ!
でも、今日のは敢えて日記側に書いて間違ってたら指摘をしてもらおうと思ってこっちに書くことにした。
円柱を直交させた時に出来る共通部分の体積を求めろって問題はよくあるけど、今回は表面積を求めろって問題やねん。
東北03年AO2期の問題
半径1の無限に長い2本の円柱C_1,C_2の軸が互いに垂直に交わっているとする.
このとき,C_1とC_2の共通部分の表面積を求めよ.
[解答と解説]
円柱を直交させた共通部分は、高校の先生とかが
「どうなりかわかりますか?」
って生徒に聞いて、先生一人で
「こうなります、うへ~」
って黒板にヨダレだらだら流しながら書いてる姿が見受けられることが多いんですが、体積を求めるときはあまりそういうことを考えなくても
それぞれ円柱の方程式は
c1:y^2+z^2≦1
c2:x^2+z^2≦1
と置けてこれをz=kで切ると
c1:√(1-k^2)≦y≦√(1-k^2)
c2:√(1-k^2)≦x≦√(1-k^2)
で一辺の長さが2√(1-k^2)の正方形になってるから、面積は4(1-k^2)でこれをk=-1から1まで積分して
∫(-1,1)4(1-k^2)dk
=[4k-4k^3/3](-1,1)
=16/3
とか意外と機械的に求まりました。
それと同じように
正方形の周の長さは8√(1-k^2)だからこれを積分すれよさそうですが、体積は断面積を垂直な軸で積分するでしたが、表面積は断面の周の長さを垂直な軸で積分するなんかそんな定理あったでしょうか?
例えば半径1の球x^2+y^2+z^2=1の表面積は4πです。
それで同じようにz=kで切ると円周は2π√(1-k^2)でこれをk=-1から1まで積分すると
∫(-1,1)2π√(1-k^2)dk=π^2
とかなります。
だからやっぱり間違えてるわけです。
と言うのは、変化量Δzを考えるた時にその正方形の周は斜め方向にゆがみます。
他の言いかたで言えば、表面積は展開図の面積ですが展開した時にz軸にあわせていくとz軸のメモリからグニャって伸びてずれてます。
立体の表面積を求めるっていうのはかなり難しい話で、大学で数学の専攻して幾何学とかでやらないと習わないレベルです。
そしたら、どうしたらええんかって言う話しですが、x軸またはy軸で切ることに注目しみてください。
ここの断面の周の長さは変化量xに対して、ゆがんでません。
展開しても、x軸のメモリの位置と測ったとこの長さの位置がずれません。
直交した円柱の共通部分の性質がよくわかってないと、わかりにくいですが。
共通部分の形については、z=kの断面図から考えてみるのがわかりやすいです。
と言うことでx軸に垂直に切って積分していきます。
引き続き
c1:y^2+z^2≦1
c2:x^2+z^2≦1
で考えます。
共通部分を展開すると、豆状(?)の形が四つできますが左右対称なので更に半月の形が8つ分と考えます。
それでx=k(0≦k≦1)でその半月をから切り取る線分の長さをl(k)とします。
求める表面積は
8∫(0,1)l(k)dkです。
x=kの断面図は
c1:y^2+z^2≦1
c2:k^2+z^2≦1⇔√(1-k^2)≦z≦√(1-k^2)
z=√(1-k^2)とy^2+z^2=1の交点はちょうどy=±kになってます。
l(k)はこの断面図のちょうど、右側の曲線の長さです。
点(k,√(1-k^2))と原点を結んだ直線がx軸正方向となす角度をθとすると
l(k)=2θ
です。
それでk=cosθになってます。
置換積分になるから
dk=-sinθdθ
k|0|…|1|
θ|π/2|…|0|
と計算しておいて
8∫(0,1)l(k)dk=-∫(π/2,0)16θsinθdθ
=[16θcosθ](π/2,0)-∫(π/2,0)16cosθdθ
=[-16sinθ](π/2,0)
=16
で表面積はたぶん16です。
確か体積は16/3でした。
半径rの球には表面積Sと体積Vの間には
V=rS/3(=4πr^2/3)
と言う関係がありました。
これは細かく球の表面を細かく三角形に分割すると、頂点を中心Oとした三角錐に近似できて、その三角錐は高さはrで小さい三角形の面積をskとすると体積は
rsk/3
でskを全部足しあげれば表面積Sになるから体積Vは
V=rS/3
と言う意味の関係でもあります。
この円柱が直交してる共通部分でも
16/3(体積)=1(半径)×16(表面積)/3
が成立してるのが面白いところです。
まあ円柱の半径rの体積16r^3/3をrで微分すると表面積16r^2になるってことやな。 でもそのこと自体を証明するのは難しいと思う。
数学、物理
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