社長・・・降参ですわw 45
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- 2015/07/15(Wed) -
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← 社長秘書 アヤ ちゃんはこんな感じだなぁ 希ちゃん・・いい感じ 25時10分前、やみくもに明るい通りを歩きながら客引き達が今日の成果を自慢し合っている交差点の脇を抜け、メトロプラザ2のエレベーター前まで来て足を止め、くわえたタバコに火を付けた。 このビルは歌舞伎町のシンボル的なテナントビルでドラマや映画の撮影でもよく利用される。 地下から最上階の8階までは一杯飲み屋からレストラン、ホストクラブやキャバクラ、ボッタクリバーも顔を揃える何でもありありの新宿らしいビルだ。 向かい側には何故かつぶれない24時間営業のバッティングセンターがある。 いっぷくしながらデュポンを左手で遊ばせ、テナントビルの看板を1つひとつ確かめていく。 先日、アパートを借りたダチ達は8階、7階、6階とハシゴして岡田(カンジョン)のお誕生日会wと合流したらしいが、店の看板に黒ベースに金文字で 『 건달 』 ( コンダル )と書かれていた。 意味が解っていて飲みに行ったとは思えないので多分適当に飛び込んだ箱(みせ)だったのだろう。 コンダル・・プレイボーイと言う名の箱だった。 8階をもう1度確かめ、倒れていた吸い殻いれを立て起こしてタバコの火を消し、エレベーターに乗り込んだ。 足の遅いエレベーターが8階で止まり、ドアが開くと廊下の奥からへたくそな日本語のカラオケが聞こえてきた。 コリン星Ⅱというふざけた店を探すw。 廊下の左右の店はどこもドアだけはドデカく高級感が漂う造りばかりで威圧感を覚える。 常連ならさほど抵抗もないのだろうが始めての客ならばどこも入りにくそうな顔をしたドアばかりが続く。 まぁ~こんな箱に常連客など付くハズもないとは思うのだが・・。 コリン星Ⅱはその1番奥の廊下の突き当たりにあった。 2mは有に越える背の高い銀メタリックのドアの小さな引きノブに手をかけた。 ドアは以外にも軽く手前に開いた。 暗い。 廊下の明るさと対照的に箱(みせ)の中の照明は薄暗く、ダウンライトが申し訳なさそうに照いている程度だった。 ハッタリRolexに目を落とすと25時ピッタリをさしている。 「 いらシャイ ませ~ 」。 視線を上げた途端に正面ソファーに座っていたお姉さん達4~5人から元気な声でお声がけされ、両端に座っていた3人が立ち上がってスキップwしながら寄ってきた。 「 どぞ~ コチラ へ~ 」 いきなり3人娘に背広の3カ所をを引っ張られて中央の席へ強制的に連れこまれてしまったw。 お・・おいw。 店のドアを間違えて開いただけでもこれではきっと逃げられない荒技だw。 3人に囲まれ押し倒されてソファーへ座わらされるw。 なぜか悪い気がしないのは3人娘に抱きつかれ、はがいじめにされているせいなのだろうかw。 冷たいおしぼりで3人に順番で顔を拭いてもらったw。 生まれて始めて「ピンク色の看板の箱」に足を踏み入れてしまった。 ピンク色の看板と言えば殆どが風俗店かそれに近い店である。 そんな箱に1人でのこのこと「カモネギ体制」で来店するハズも無く、仲間と酔っても立ち入る事も無い。 ましてや、目と鼻の先にある会社の社員200名の目が何時、何処で光っているか分からない訳だし、何よりも・・そんなとこへ・・1人で遊びに行く 度胸 が無いわけで・・w。 目が慣れると店内にはバラケたテーブルに2~3人の男性客と1テーブルに2人~3人の女の子が付いてキャッキャッはしゃいでいる。 テーブルに付いていない女の子が入り口正面のソファーに3人ほど座っていた。 女の子達は全員とも一目で韓国整形美人とわかる顔つきだった。 風俗店やピンサロ系の雰囲気は全くしないお気楽なコリアン・バーにしか映らない。 「 始めて ですか? 」 「 お仕事 なに? 」 「 私たち 学生です 」 「 おなか へった 」w ・・・ 彼女達からはありきたりの会話しか聞こえてこなかった。 おいおいw 学生は接客したら捕まるだろうがw。 「 仕事 入管で~す! 」 って言ってみたくなったが・・フルボッコにはなりたくなかったのでその言葉は飲み込んだw。 3人娘にソファーに押し倒されてから2分ほどで30代の老けたボーイ?がメニューとシステム表を持ってやって来た。 どこから見ても韓国人だ。 「 お飲み物 何 しますか? 」 メニューを開く ・・・ 価格は相場だった が ・・・ 目が細く 顔は怖かったw 「 お客様 始めて ですか? 当店のシステムですが 」 ・・・ そこで 右手で言葉をさえぎった 「 ここで 待ち合わせなんだよ 」 「 カンジョンさんと 張さん いないかな? 」 ボーイの顔色が変わった 3人娘達もその場で凍ってしまい動かないw 「 少々 お おまち ください ませ 」 慌ててカウンターへ戻って行った 女の子達は動けないでいるw 凍ったままだ 慌ててカウンター脇の小さな扉から中へ入り、奥にいたもう1人の男、バーテンダーと話している。 カクテルを作っていた手を休めてシェイカーをカウンターの内側に置き、携帯を取り出してどこかへTELをかけた。 カウンターの中から2人の韓国人が交互にこちらに目を投げてくる。 雰囲気が一気に悪くなるのが伝わってくるほどだった。 誰かと話した後、携帯をズボンの後ポケットにしまい込み、ボーイに何かを指示をして「早く行け」と促してこっちを見た。 別にそんなに慌てなくても良いと思うのだが、世界の不幸を彼1人で背負ったような顔つきでボーイがやって来た。 「 おきゃきゃさん カンジョンさんと張さんが 奥の部屋で おぅ お待ちです 」 変な日本語で トイレの方を指さした 「 は? トイレ・・ 」 そう見えたが・・ 「 い いえ トイレの奥の部屋です 」 奥に部屋があるのか・・ じゃ 行くかぁ 「 カムサミダァ シグン ダァワ サワ ユシジン パラミダ 」 ( ありがと 今行くと伝えて下さい ) 「 え? え~ 韓国語 話す ですか? 」 細い目が もっと細くなった 「 アニュオゥ ソニョ マレィ ソ クスミダァ~ 」 ( いや 全く 話せませんわぁ~ ) ^^ 「 ?? ・・・ 」 言葉が出ないようだった 何 そんなに驚いてんだよ ^^ フリーズして全く動かない俺の左右の女の子の太ももに手を置いて立ち上がり^^、背広の内ポケットから財布をだして、今どき珍しい2千円札を4枚取り出し、その1枚を老けたボーイの目の前のテーブルに置き、3枚は1枚ずつ娘達の胸にはさんで軽く笑ってみた。 「スビン ミダァ」(チップだよ)と言い残して席を離れた。 背中から「キャァ~」と喜ぶ3人分の大声が店内に響いた。 お遊びはほどほどにして気持ちを入れ替えた。 トイレの奥にドアが見える。 オフィスとプレートが貼られていた。 ノックを2回して部屋のドアを手前に開いた。 うっ・・・ ここは・・・ 事務所になっていたのか。 15㎡ほどある広めの部屋だった。 部屋の奥に3人の男がいる。 1人は机に座りタバコを吹かしている。 もう1人は壁際のモニターTVを見ていたがゆっくりとこちらを振り向いて視線を合わせてきた。 店内のモニターTVだった。 4分割されて箱の中が映しだされている。 と言う事は、入店から見られていた訳だ。 3番目の男はソファーに座り、連れの三十路女とシャンペンを飲んでいた。 机に座ってタバコを吹かしている顔には見覚えがあった。 カンジョンだ。 一度覚えたら忘れられないほどの四角い顔だw。 以前、覚えていた頃より痩せている。 どっちが張なのか。 雰囲気としては連れと飲んでいる方だろう。 No2だからこそ同伴が許されているに違いない。 小柄だが身体がガッチリしていて首が太い。 その割にはウエストが引き締まって見えた。 多分、軍隊上がりで、ボクシングでもやっていたのだろう。 髪は角刈りだ。 韓国は今も徴兵制がある。 残りのモニターを見ていたヤツはかなりヤバイ気がする。 これだけ離れていても殺気を感じる。 目の瞳孔が開いているのが分かるほどだった。 どこから見ても薬中の丸ハゲゴリラで180cm以上はある。 この新宿で問題を起こす典型的な雰囲気を漂わせていて、薬でパクられるのも時間の問題だろうよ。 いつまでも薬中(ポンちゅう)丸剥げゴリラと目を合わせていてはマズイ。 いつ本気になって飛びかかってくるか分かったモノじゃない。 もし、飛びかかって来られたらその時は覚悟を決めて思いっきり相手の股間(きんたまw)を蹴り上げる以外、逃げ道は無い。 鍛えようが無い所が股間と目玉だけなのだ。 丸ハゲゴリラと戦うのだからその時は遠慮はしないで蹴り上げるつもりでいた。 しかし、こんな薬中(ポンちゅう)丸剥げゴリラを飼い慣らしているのだから・・ 「カンジョン岡田はムツゴロウさん かよ?」 っと思った途端、笑いがこみ上げ、やっとの事でその笑いをこらえたw。 視線を丸ハゲゴリラからカンジョン岡田ヘ移した時にはきっと俺の目はワニ目になっていたはずだが、遠目からでは気が付かなかった様だ。 w 敵のホームグランドで何かもめ事が起これば100%こちらに勝ち目が無い。 絶対的、全てにおいて相手が有利な事は経験上からの教訓だ。 しかも、ここは逃げ場の無いビルの8階なのだから・・。 初対面で大事なのは「第一声」だ。 相手とは五分&五分に立てるまでは声を出してはいけない。 第一声でその後の相手の態度が大きく変わってしまう場合が多い。 また、本業の相手よりも上位に立ち、プライドを傷つけることも厳禁だ。 「 こんにちは 私は 張です 」 案の定 ソファーから立ち上がったのが 張 だった 「 今日は 来てもらって ありがとございます 」 少しずれたアクセントだが 聞き取れる 声色と日本語だった 張の挨拶を受けて、事務所の入り口外側から中の3人の様子を窺(うかが)って立っていたが、3歩ほど足を踏み入れ、背中のドアを開けたまま、無言で左右の手をベルトの前で組んだ直立不動の姿勢から、深々と頭を下げて心の中で1,2,3と数えてから頭を上げて張の顔へ視線を戻した。 張は黒色上下のゴルフシャツとパンツで決めていた。 「 どぞ こちらへ 」 空いている自分の横のソファーへ促して自分も座りなおした 軽くうなずいてから振り返り、開いていた事務所のドアを閉めて張の横に座わりながら背広のボタンを外して楽にした。 張とカンジョンはどこから見ても四十をとうに越えていた。 いや、五十を越えているの様にも見えた。 角刈りで小柄な張だが、両腕をまくったシャツの袖からは丸太のように太い腕が伸び、シャツの上からでもかなりの筋肉質が分かる。 対照的にどこを見ているのか分からないほどのちょう~細い目だったが、時折大きく輝いていた。 「 何か 飲むか? 」 カンジョンが奥の机から離れ、こっちへ歩きながら話しかけてきた 「 せっかくですから テーブルの上のこのシャンペンを少し 」 指さした 確かに冷えていて旨そうだった 「 おぅ 」 カンジョンがアゴで張の脇の女に指図をした 様子を窺(うかが)っていたが、カンジョンに尋ねられた以上は無視はできない。 最小限の受け答えに心がける事にした。 脇へ来てソファーにドッカと座った。 中肉中背、韓国人と言うよりもは日本人だ。 数年前、遠目からは何度か見た事はあったが、同じテーブルで酒を飲む機会は1度もなかった。 武勇伝はよく耳にしたものだがそんな男にはこの距離からでも見えなかった。 しかしそれらの武勇伝は全てがリアルな話しだった。 今さっきまでも歌舞伎町をうろついていたのだろうが、数年前のイメージと重ね合わせるとかなり痩せている事もあり、確かにすれ違っても分からなかっただろう・・・よ。 おかしな連中に囲まれても別に恐ろしくも怖くも無い。 頭の弱いヤツは好きだが、頭が壊れているヤツは手の付けようが無いので嫌いだ。 ヤクザもチンピラもその場の雰囲気で引っ込みが付かなくなると暴れて、後で後悔をする。 張やカンジョン達が嫌がられるのは、彼らは異常にシツコイのだ。 負ける喧嘩を繰り返しても、勝つまでは何度でも何度でも続けるのだ。 ここがアマとプロの違いであって、プロは勝つまで喧嘩を止めない。 結果、最後には負けは無くなる。 このシツコサが最大の武器だった。 そしてこの部屋にはもう1人、頭の壊れたヤツがいる。 ヤツとは外で会いたくないタイプだ。 張の連れの女がテーブルの上に冷えたシャンパングラスを置いた。 うかつに一気でもすれば混ぜられる薬が怖い。 今夜、俺を呼び出した本当の理由を聞かされるまでは悪戯はないと思うので、有り難く目の前の冷えたグラスに腕をのばした。 社長・・・降参ですわw 46へ
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