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こんなんだから嫁のもらいてがないんだよなぁ・・・
***** No4から
リサが3度目に席に戻ってきたのは24時45分だった。 客はここのテーブルを含めてもう2組しかいないのだが奥に陣取っている2人組のテーブルから時より指名が入る。 「リサさん、御願いします」と、ボーイから耳うちされ「ハ~イ、じゃ、待っててね」と俺にウインクをして席を立つ。 リサが立ち上がるとヘルプで別な娘が俺の横に座り込んでドリンクを頼み、たわいない話で盛り上がっているとリサが戻って来る。
もどったリサを見てヘルプの娘が自分の名刺を取り出し、ワイシャツのポケットに突っ込んで両手で投げキスをして帰っていった。 ワイシャツのポケットから色違いで四つ角が丸くとれている名前の違う3枚の名刺を取り出してテーブルの角に置いた。 2度目に足を運ぶ事はない店だ。
ヘルプの娘が飲み残したキールに手をのばして一口だけ舐めてみる。
南国の味がした。
「リサちゃんさぁ~ もうラス前だけど・・・そろそろ」
「あ!もぅ~ ちょっと待っててね^^」
「へ?」
「あと5分だけ」
「・・・いいけど」 意味が分からず戸惑った
「ありがとう^^」
全く意味が分からなかった。 それでもリサは時間を気にすることも無いような素振りで仕事をこなす。 今まで話した内容はたわいもない通常の営業トークばかりだ。 「仕事は?」「窓際族w」、「なにそれ?」「窓の近くに俺の席がある」、「会社どこ?」「駅の向こう側w」、「え?サラリーマなの?」「サラリーマンじゃなきゃ何屋だよ」、「やくざ屋さん」「ちゃうわぁw」、「休みの日何してるの?」「休みは無い」、「無いの?」「うん」、「へんな会社」「確かにブラックな会社だわ」、「私さぁ~買い物好き」「俺、嫌い」、「私さぁ~ドライブ好き」「俺、免許ないw」・・・代わる代わる隣に座る小娘に全く同じ質問攻めにあい、いいかげんに飽きてきた頃だった。 なのにリサは事件の事を話す素振りはみえない。
時計は12時55分を指していた。 新宿の規定では通常の飲み屋は午前1時までと指導されている。 最近ではクラブ系は24時間の営業が許可されたが、キャバや飲食系は1時が門限だ。 まとものな店なら帰宅準備だが、売り上げの少ない店や、カモネギがまだ飲んでいる時などは、店の外看板の電気を消してドアも内側からロックする。 で、入り口の外にはたいがい見張りが付く。 終わったハズの店の外でボーイが立ったままの姿はまだ営業中なのだ。
まさかこのままドアロックされるのか?そう思った瞬間に店内のダウンライトが一瞬消えた。 ものの10秒ほどで非常灯の様な2~3m先も見えない薄暗いライトが点灯した。 なんなんだ? 同時に聞き覚えのあるBGM音楽が流れ出す。 おいw1時過ぎたらピンサロや風俗に変わるんじゃないよなぁ~ここの店w。 1時過ぎたらお日様が出るまで営業出来ないハズだよなぁ。
「ねぇ~ チーク 踊って」 驚く俺の隣でリサが笑っていた
「チ~クかよw」
「そう、お店が終わる時、お客さんとチークしていいのぉ」
「・・・・」
「はやくぅ~ 終わっちゃう」
「はいはいハイ」 左腕を引かれてソファ~のすぐ脇で抱き合ったw。 いやw軽く両腕を彼女の腰にまわした。
彼女の髪がら柑橘系の甘い香りがする。 ヒールをぬいで裸足で踊っている。
「ふふ・・♡」
「ふふ・・じゃないわぁ なんだこの店」
「お店の終わりにチークタイムがあるの」
「パチンコ屋が終わりに流す メリージェン じゃん」 w
「そお この曲 好きなの」
「すき・・って 2~30年前の曲だぞ」
「そぉ~ 古いけど好きなの」
「そか」
「そ~なの♡」
このまま思わず抱きしめたくなる奇妙な衝動に襲われたのはきっと彼女のかすかなパフュームのせいなのだろう。
(-.-)y-゜゜
古くさいBGMが流れ終わるとフロアーのダウンライトが元の明るさにもどった。 向こうのテーブルの客も立ち上がり帰り支度をしている。 男2人の客に4人の娘がアフターでのラーメンをねだっていたw。 俺ならお断りします・・。
ソファーにもたれてリサの顔を見上げた。 何の為にここに来たのか答えが欲しい。 2時間飲んで「ハイ!お休みなさい~♡」ではさすがに理解に苦しむ。
「待っててね、すぐ戻るから」 そう言い残してリサがカウンターへ消えた。 店内が急に明るくなった。 眩しい><。 カウンター脇からリサとマスターがこっちへ来るのが見える。
「ラストまでお付き合いして戴きまして、有り難うございました」 マスターが深々と頭を下げた
「実は事件の件をお願いしたかったのは自分なんです・・」 へ? おもわずリサの顔をみた
「・・・・」
「実は、あの事件で捕まった・・・逮捕されたのはここの店でアルバイトをしていた女性なんです・・・」 立ったままで話しだした
「え?タエちゃん、ここにいたの?」
「え?知ってるんですか タエ の事」 マスターの目が驚いて大きく開いた
「ああ、しばらく音沙汰がないんでまた名古屋に戻ったのかと思っていたさぁ。 でも、今日、ニュースを見て驚いたけど、俺も」
「ここで半年くらい働いていました。 店で借りているアパートにこの リサ と同居してたんです」
「知らなかったさぁ・・・ あ、座って下さい」 ソファーへ目を向けた
「あ、有り難うございます。 済みませんでした、店に入って来た時につい癖で奥のフォロアーは別料金だと言ってしまいました」
「あ~そんな事、気にもしてないよ。 あ、リサちゃんも座って」 ん~できれば横じゃなくて正面に座って欲しいなぁ~・・・そのミニスカからのパンチラ期待でw
「ハイ、有り難うございます」 ペコリ
「ん~とねえ、捕まったタエちゃんの在留許可書類、作ってあげた事があったんだなぁ 1度」
「それからたまに連絡をくれてたからね」
「旦那さんが虚弱体質でたしか金沢にいるんだよね・・・まぁ~、偽造結婚みたいなもんだけどね」
「まじめに金沢から近い名古屋で働いていたんだけど、その後、新宿に来て金沢には帰ってないって言ってたなぁ~彼女」
「まさかニュースになるとは・・・そんな娘には見えなかったけどねぇ」
「はい、そうなんです・・・・」
「あ!時間、大丈夫ですか?」
「いや、大丈夫じゃないけど、しゃ~ないだろうよ。 可愛いリサちゃんに足止めされたらさぁ^^」
「キャッ、だよね♡」 おいw
「1週間ほど前に別な女が捕まって、その話に タエ が関わっていたらしんですよ」
「捕まった女と一緒にいたらしいんですけど・・・。 で、そのうちにタエも逮捕されるんじゃないかな・・・と」
「ふ~ん で 1週間前?」
「はい、タエがリサにアパートで色々と話したらしんですね、彼女も怖くて・・・ で、やっぱり逮捕されて・・・」
「で・・でもね、タエさんが話してた事とTVのニースが違うから・・・ 女の子達みんなで話してて・・・ で・・・ めめさんの名前が・・・」 おいw
リサがおそるおそるこっちを見た。 可愛いw
「でもね、めめさん女の子しか面倒みないって聞いて・・・・ マスターと話して・・・ わたしが電話したの・・・」 ><
「ご、ごめんなさ~い」 ペコリ
つまり、ここで働いていたタエちゃんを助けたくて店のマスターじゃなく、可愛いリサちゃんが俺にアプローチして来た、と言うわけだぁ。 まあ、マスターの話なんかならマジ聞くハズもないけどなぁ。 たくっ。
「でも、俺じゃなくて弁護士に相談したらぁ~いいじゃん」
「はい、最初の1人が捕まった時に1週間ほど前ですけど・・・そしたら弁護士が強盗と傷害だから実刑確実で執行猶予は無いと言われたんですね。 でも、動いてみるからって250万円ほど払ったらしいいです。 あ、捕まった友達の友達が錦糸町でタイ料理のレストランをやってるんですが、そこの知り合いが弁護士をお願いしたらしんです」
「ふ~ん」
「でも、ここ1週間で女3人、男1人、計4人も捕まってもう無理だからって弁護を下りるって昨日言われたらしんです・・・」 だよねw
「で、いろいろとあちこちと相談をしていいたら・・・めめさんの名前を捕まった タエ から リサ が聞いていて・・・」
「はぁ~?」
「はい・・であちこちで相談をしていると・・新宿のあちこちで めめさん の名前や携帯を・・・で、リサに・・」 何でも屋じゃねぇぞ!
「めめさんなら何とかするかもって大崎の女の子も恵比寿の女の子も言うから・・・つい・・・ エヘ^^」 エヘッじゃねえわぁ リサw
「むぅ・・・・・・・・」 ・・・Orz
「あのさぁ~できればキャバの箱の中で深刻な話は避けたかったなぁ~少し酔ってるし・・・いや、リサちゃんに酔わされた」 w
「マスター、頼みがある。 頼むから別な曲でリサちゃんとチークさせてくれ!」 w
「はい ?」
「キャ~~^^」
「リサちゃんの可愛ゆさに負けたから、しゃ~ないから話、聞いてみるかぁ~」
「OK~ じゃ、捕まる前にタエちゃんが話してた事、詳しく教えてくれないかなぁ リサちゃん」
「ハ~イ♡」
「あ!チェックまだだったね・・勘定、ところで幾ら?」 |д゚) ドキドキ
「いえいえ、お願いする以上は戴けませんから、今日は店のおごりと言う事で」
「マスターのおごり♡」
ケッ、受けなきゃぼったくるつもりだったかもなぁw
「あ!マスターのおごりぃ? ・・・・マ・・・マスターさん
リサちゃんの持ち帰りも ・・・マスターのおごりで ・・・・なんとか」
「いやw 冗談です、じょうだん、上段・・」
自分で言ってしまってから動揺する俺がいた ><
「いいわよ めめさん♡ でも 1ヶ月はお店に通ってくれたら ね♡」 自己破産だな 多分 俺w
「OK! じゃ 下心バレバレで良きゃあさぁ~ 話 くわしく聞かせてくれ リサちゃん」
「は~い♡」
(-.-)y-゜゜
まじいなぁ~ ・・・ No6へ