ティアラが途中帰国のペナルティーを社長へ払わないと言っている。 金額が高すぎると言うのだ。 支払いには困らない金額を帰国前に成田で渡してあるハズ。 それでも・・支払いはイヤだと・・。 意味が分からなかった。
これ以上はここにいてもしょうがないので5階へ戻り、もう1度社長と話す必要がある。 雰囲気だけは悪くしたくないのだ。 彼、社長の気分を壊さないためにもここを出なくてはならない。 ティアラをここに残したままで・・。
「 分かりました社長 4人に会わせてもらって助かりました 予想以上に可愛い娘ばかりで安心しました 」
「 ん うちは可愛い娘しかいないから 安心したろ 」 機嫌は悪くはない
「 いや~ みんなAクラスみたいな娘ばかりですね 」
「 社長 よろしければ 上で仮契約をしたいのですが いかがですか? 」
「 ん 上 いくか 」
「 おい! 上 戻るぞ 」 またまたゴリラ並のボディーガードを2人お供に、ティアラがいる部屋を出た。
エレベーター中で時間を確認した。 5時を過ぎている。 これ以上予定が遅れるとマニラ側のイズとミミにも影響が出るはず。 あいつらもTV局の中で苦戦しているハズなのだ。 すまん・・イズ・・ミミ・・もう少し時間をくれ。
5階の事務所へは左側のドアから直接に社長室に入った。 先ほどのテーブルの脇に立ち、社長の座るのを待つ。 椅子に腰を掛けて直ぐに切り出した。
「 さっきアルバムを見たときに 若い娘のアルバムには好みの娘はいませんでした 」
「 まぁ 好みと言うよりも 使える娘が欲しいので こちらのアルバムから 10人 選びます 」
「 え~と ・・・ この娘と この娘と この娘・・ この娘と ・・・・ 」 適当に10人を選ぶ
「 書面は こちらで用意してあります 」
「 どこにだ 」
「 社長 あのPC 貸して下さい 動きますか? 」
「 当たり前だろ 動くさ 」
「 失礼致します 」 PCの所までいって電源を入れ MSN JAPAN を開き 自分のメールアドレスを打ち込む
メーラーにサチからのメールが届いている。 書類はサチから受け取ったが、どうせここの事務所には持ち込み不可!だろうと思い直接には持参してこなかった。 メールからサチの作った偽契約書をプリントする。 当たり前にカラー印刷のできるコピー・FAX&プリンターが繋がれている。 契約書を4枚カラーで出力プリントした。
テーブルに戻る。 少しは社長も驚いている様だ。 ま、いつも会社でも秘書達の使いっ走りをさせられているのでw操作には自信がある。 ・・ん
同じ内容の2枚の契約書をテーブルの上に並べる。 別のもう2枚は・・ 隣の椅子の上に何気なく置いた。
「 社長 ここに仮の契約書があります 内容に目を通して戴けますか 」
「 英語とタガログ語で書かれていますので どうぞ 」 まぁ~ それらしい内容に仕上がっている
書類を手に取り、目を通し始めた。
「 如何(いかが)ですか? 」
「 ああ 確認したが これでいいだろう 」
「 有り難う ございます 」
「 では 希望の娘の名前は難しいので 先ほど選んだ娘達10人の NO をここに書き込みます 」
「 え~と 112番、116番、133番、155番、201番、・・・ 10人の番号です 」
「 うん 」
「 この娘達は私の希望ですが もしもこの期日までに送金と書類が揃わなければ この書類も契約も無効となります 」
「 今日から3週間 今月の末日までに入金の確認と当方が送る書類が届かなければオール・キャンセル扱いで結構です 」
「 その際は 今日 これからお渡しする相談料の$1,000は返金はいりません そちらの取り分で結構です 」
「 これから 向かいの銀行ATMに行かせて下さい $1,000を下ろして来ます 」
「 如何でしょうか? 」
「 分かった 行ってこい 1人 付けるぞ 」 逃亡防止用であるw だれが逃げるか 撃たれたくないわ
「 ハイ 結構です 」
「 え~ と その前に そちらの書類にも 同じ娘達の番号と期日の日付を記入いたします 」
「 ほら 書類 」 テーブルを滑らせた
先ほどの書類に書かれた適当な番号を写して書き込む。 選んだ番号は適当だが、怪しまれないようにそこそこの美人を選んである。 美人の番号は間違えるハズはない。
書き写して書類の上に借りたボールペンを置いた。 椅子から立ち上がり、もう1度何かを思い出したようにまた座り直した。
「 社長 先ほどの ティアラ の事ですが・・ 」
「 何だ 」 怪しんでいる表情はない
「 彼女は 病気で帰国させたんですね 」
「 ああ 」
「 そして 病気で仕事が出来ないので コンタクトの残金とペナルティーを支払えば こちらを解雇なんですね 」
「 使えない娘だからな・・ 金を払えば解雇だが 払う気がない以上は 別の所で働いて返してもらうつもりだ 」
「 その後は 何をしても うちとは関係がない 」
思いきって聞いてみた。
「 うちで引き受けますから $5,000 お支払いさせて下さい 」
「 見た目 美人だし 病気が治れば 新宿に連れて帰ります 」
「 投資した分は 取り返せる美人だと思いますので 」
「 マニラで もう1度 検査をして入院でもさせて治しますので 」
「 連れて帰りたいんです お願いします 社長! 」
「 ・・・ 」 表情が曇った
「 $6,000 今 直ぐに ここへ持って来ます 」
「 ・・・ 」
何処の誰かは分からないが、新宿からセブ島で1番の治安が悪い所まで来て、1~2時間ほどの相談料として$1,000を支払うと言う。 あわせて、病気の娘を身請けして$5,000も支払うと・・。 よくよく考えれば怪しいが、ここへ来た理由が新宿の日本側のエージェントの紹介なのだからそれほど警戒はしないだろう。 よく知っているハズのエージェントでもあり、ブローカーでもあるのだから裏では通じているハズ。
その知り合いのエージェントの紹介ならば許せる範囲である。 しかし・・
「 おい 電話しろ 」 ?
「 お前が 本当に 新宿の紹介なら $6,000で 話しはすべて 飲む 」
「 ・・・ しかし 新宿が知らないと言えば 今日は 帰れないと思えよ 」
「 それでも いいか? 」
「 いまなら $1,000で 帰してやる 」 ・・・
「 おれの前で 電話して見ろ 」 ・・・腹を決めるしかない
背広からゆっくり携帯を取り出した。 メモリーから新宿の事務所を探す。
ポチッ ♪~♪♪~ 呼び出している。
「 はい ・・・ 」 こちらをうかがっている声がした
「 歌舞伎町の三和興産 ですね 」
「 ・・・ 用件は? 」
「 先日 お伺いした新宿の めめ と言います 」
「 先日は 有り難うございました お陰様で 今セブ島のハーバープロモーションさんに来ています 」
「 タレントの確認と金額の調整で来たのですが 三和興行さんの顔で かなり値引きして戴きました 」
「 有り難う ございました 」
「 それは よかったですわ 」
「 少々 お待ち下さい 社長さんが御礼を と言っておられますので 」 コイツ 言葉分かるのかよ
「 ハロー ハーバープロモーション スピーキング 」
「 ミスター 田島さん プリーズ 」 社長が 田島を呼んだ 田島・・?
「 OK プリーズ ジャスト モーメント 」 どこの英語訛りだよ へたくそめ
「 ハロー ジスイズ 田島 スピーキング 」
「 オ~ ハロー 田島さん ハウアーユー 」
「 ファイン 」 中学生だな コイツらw
「 田島さん 今度 新宿に行きますから また 面白いところを案内してください 」
「 ええ また 楽しみましょう 」
「 そちらの紹介で 1人 随分と気前の良いブローカーが来ていますよ 」
「 いい人を紹介してくれましたな 助かりますわ 」
「 いえいえ それはよかったですね 」
「 確か 先週 10人もタレントを欲しいと事で うちに来た男ですよ 」
「 ええ そうです 10人の仮契約も終わり いい本契約が結べそうなんで 」
「 ま 一言 御礼をと思いまして 」
「 それは それは よかったです 」
「 では また新宿で 」
「 お待ちしています 」
ポチッ ・・・ ・・・
携帯を返してくれた。 終わった。 テーブルの上に携帯を置いたままで立ち上がった。 社長から座れと合図をされ、また座った。
男に早口で何かを告げた。 聞き取れなかった。 男が部屋を出て行く。
何も言葉を交わせないままで5分ほど過ぎて男が部屋へ入ってきた。 ティアラと一緒だ。 ティアラを下から連れて来たのだ。 左肩には彼女の見慣れたコーチのショルダーバックを斜めに掛け、うつむいて涙をながしている。 テーブル脇まで来ると、男に預けてあった財布をテーブルの上に置いた。 $100札が1枚しか入っていない財布だが・・カードがある。
「 行ってきて いいですか? 」 テーブルの上の財布を手に取り 社長に尋ねた
「 ああ 行ってこい 」
「 コイツを 付けるからな 」 またまた ボディーガードかよ まだ信用してね~のかよw
「 ティアラ 一緒に 行ってこい 」 ???
て・・てあら・・いや、ティアラがボデーガードかよw。 社長が初めて笑った。 驚いた顔がおかしかったのか。 むわ~ ここに就職しよう~かな? ハーレムはあるし・・社長は思ったよりもいい人なのかもw。 しかし・・妄想の中から3匹の秘書達の顔が浮かび上がり、全ての妄想が吹き飛んだ。 お~っと、まずいまずい・・あいつらに今の妄想中の顔を見られたら・・・間違いなく蹴り殺されるに決まっている。 ある意味ではここより怖いかもw。
「 ティアラ 行くぞ 」 声をかけて背を向けた
「 ・・・・ 」 振り向くと 下を向いたまま大粒の涙が床にこぼれていた 声を押し殺す為に右手を噛んでる
「 おいで ティアラ ATMに行かないと 帰れないんだよ 2人共 」
ティアラの手を引いてエレベーターに乗った。 箱に入った瞬間、ティアラが大声で泣き始めた。 1階のボタンを押してドアが閉まるのを確かめ・・ティアラを抱きしめた。 震えている。
抱きしめたまま1階に到着しドアが開いた。 背広から携帯でイズとミミに連絡をと思ったが、まだティアラの解雇契約が終わっていないことに気が付いた。 携帯を内ポケットに戻し、向かいのATMにティアラを抱えながら向かった。
「 ティアラ 大丈夫か? おまえ・・ 」
「 ごめんなさい・・・ アコ(私)・・ 」
「 分かった 何も言わなくていいから お金を引き出して早く事務所に戻らないと 」
「 ティアラの 君の契約がまだ終わってないんだよ 」
「 イズとミミが マニラで連絡を待ってるから 急ごう 」
「 イズお姉さん・・ ミミお姉さん・・ サチお姉さん・・ み みんな私の為に 」
「 急ごう! ティアラ 歩けるかい? 」
「 ええ・・ 」 頷(うなず)いてくれた
ティアラと2人で事務所の向かいにあるATMのボックスに入った。 カードを取り出す。 このカードはリミットがない。 1度に$10、000を何回でも引き出せる。 勿論、引き出した分は翌月に一括請求が来るw訳で、魔法のカードではない。
$7、000を引き出した。 銀行の封筒が無い。 そのまま現金をパンツの(←ズボン)ポケットに押し込みボックスから2人で出た。 そして、また向かいの事務所に向かう。 エレベーターに乗り込んだ。
「 もう少しだから 頑張れ ティアラ! 」 彼女の左頬に軽く 自分の右頬を押し付けて 彼女の髪をなぜた
5階。 エレべーターが開き、正面には大男が2人待っていた。 左のドアから事務所に戻り、テーブルの横に立ち、ティアラを先に左側に座らせた。 ティアラを座らせながらさっきプリントアウトした書類を握りしめた。 やばかった。 サチがティアラの解雇書類まで準備してくれていたので、思わずプリントアウトしたが、よく考えてみれば、なんでティアラの解雇書類まで用意をしているのか・・おかしな話しになる。 $6,000を渡して、ハイ、このティアラの解雇契約書にサイン下さい~、では・・間違いなくサメの餌かマニラ湾の海の藻屑になるところだった。
立ち上がり、ポケットから現金をテーブルの上に置く。 $7,000を引き出してきたので面倒だが数えなくてなならない。 $1,000ずつまとめて束ねていく。 $1,000と$5,000の束をテーブルの上から掴み、社長の手元にある先ほどの仮契約書の上に$6,000を置いた。 残りの$1,000は何かあると困るので取りあえず自分用にと用意した金だ。
数えていた手を見ていたので$6,000と確認し、社長が受け取りそのまま別の男に現金の束を渡した。 社長の脇に立っていたもう1人の男が書類をテーブルの上に置いた。 ティアラの所属契約書である。
「 ほら まずは お前の方の仮契約書にサインをしておいた 」 2枚にサインと日付が入れられていた
「 これは ティアラの契約書だ 確認しろ 」 テーブルの上を滑って右手に当たって止まった
「 ハイ 確かに 所属契約書です 」
「 お前に やるから持っていろ 」
「 社長 有り難うございました 無理を言って申し訳ありませんでした 」
「 まぁ うちで働くよりもは そっちの方が幸せかもな・・確かに 」
「 体を治させて 元を取らせます 」
「 だな・・ しかし 物好きだな うちは金が入るから構わんがな 」
「 社長 最後のお願いです 」
「 戴いた このティアラの書類ですが 受け取り金額と今日の日付をお願いします 」
「 ん 書類をよこせ 」
「 どうぞ 」
「 契約書の裏で構いませんので 宜しくお願い致します 」
「 分かった 金額と日付だな 」
「 はい 時間を入れて戴ければ 助かります 」 この時間の記入が欲しかったのだ
「 おら 金額$5,000 日付と時間をここに書いておいたぞ 」 ミッション完了!!!
「 有り難うございました ではティアラを・・連れて帰ります 」
「 ん 持って行け 」
「 また ご連絡させて戴きますので 新宿の めめ ですから・・ 宜しくお願いします 」
「 新宿の めめ か・・ 覚えたぞ 」
「 では 失礼します 」
「 ティアラ マニラに戻って体の再検査だからな お前 」
「 ・・・・ はい 」
「 あ~~~社長 TAXIを お願いしますw 外では拾えませんから ここ 」
「 お前が初めてだぞ おれに TAXIを呼べと言ったヤツは (笑)」
「 宜しく~ デス 」
「 待ってろ オレの車 呼んでやるから 」
「 うわ~ 恐縮です 」
「 ホテル どこだ? おまえ 」
「 シーサイド パラダイス です 」
「 おまえ・・ 何者だ? 高給ホテルだぞ あそこは 」
「 会社で 間違えて予約を入れたみたいで・・ 」
「 だろうな・・ しかし バカ高いホテルに泊まってるな 」
「 すいません 」 w
「 お前のその手持ちの$1,000で 車が用意できるまで 下で遊ぶか? 」 はい~~ って・・ くそ・・
「 いいえ 今度にします 今日は ティアラがいますから・・ 」
「 おまえ そいつは 下 ダメだって言ったろが 」
「 あっ そうでしたね 」
「 夜 寝付かれなかったら またここへ遊びに来ます 」
「 ま~ 気を付けて 遊びにこいよ 」
「 車 下で 待ってるぞ 」
「 社長 有り難うございました また 宜しくお願いします 」
「 では 失礼します 」
「 ティアラ 行くぞ 」
「 ハイ・・ 社長さん 有り難うございました 」
「 お~ おまえ 体 治せよな 」
「 ハイ・・ 」 まぁ 始めから壊れてないんだけどネ・・
社長室を1歩出たと同時に携帯を取り出し、イズに連絡をした。 2コールで切った。 こっちは終わった・・の合図である。 後は、イズからの3コールを待つのみだ。
時間がかなり経過しているので・・心配は相当あるが、イズとミミを信じるダケである。 ティアラを連れ出して戻ることにはなんとか成功したのだった。 ティアラはまた車の中で泣き出してしまった(>_<)。 可哀想にそうとう緊張していたのだろう。 気が済むまで泣かせてやることにして、今度はとめなかった。
ホテルへ戻ってイズからの連絡を待つ事にした。
社長の真っ黒黒黒なベントレーがホテルの正面エントランスに停まった。 大急ぎでベルボーイが飛び出してきて車の後ろドアを開けてくれた。 中を伺って驚いている。 だよね・・地元のマフィアのボス、社長の黒車から降りてきたのは・・オレですw。 それも、泣いているティアラを抱えて降りて来たのですから・・驚いて当たり前ですわな。 とどめにコンシェルジュのレジィーナちゃんまで机の横に立ってこっちを見ている。 そして下を向いて何かを書いているフリを始めた。 正面から近づいて行っても目を合わせてくれないw彼女の横を通りティアラを抱えてエレベーターに乗った。
むわ~、終わった\(^o^)/。 レジーナちゃんとのアバンチュールも水の泡である。 ん?水の泡って・・なんだ? シャボンの泡だろうが。 ま、いいや。 この一瞬でこのホテルに宿泊をする以上は、全ての希望と妄想が消えて無くなってしまった。 残るのは・・冷たいベットに1人で眠ると言う、悲しい現実だけだった。
(-.-)y-゜゜
ティアラをベットルームまで抱きかかえて行き、ベットに寝かせた。 涙でメイクがメチャクチャに流れている。 そのまま毛布を掛けて部屋の窓を閉め、カーテンを引き暗くして部屋を出た。
背広をしまい込んで持って来たガバメントケースの中をかき混ぜ、日本から持って来たセブンスター・アラスカ・メンソールwを探しだし、ベランダのソファーに座って火を付けた。 タバコを吸う女は嫌いである。 タバコを吸う男は気にならない。 自分も10年以上も前に1度やめたタバコだが、IXAをやり出してまた吸い始めるハメになった。 2年目だ。
高校生の時に近所のキリスト教の宣教師2名が自転車で家にやって来て、無料で英会話とバイブルの勉強会をするから来いと誘われた。 キリスト教という響きに興味を持っていて教会とは名ばかりのボロアパートの1室で英語を教えてくれた。 宣教師は1人は外人でもう1人は日本人だった。
その英会話教室には1年通った。 英語が面白いのではなく、目当ての可愛い娘がいて彼女と海外ポップスの話しをするのが目的で通ったのだ。 彼女からボズ・スギャクスを教わった。 ボビー・コールドウェルも教えてくれた。 彼女からLPを借り、同じLPを買った。 おかげで英語には不自由しなくなった。
初めての海外は真っ直ぐにソルトレイクに向かった。 教会の総本山があり、酒もタバコも、コーヒーも禁止されている街だ。 ソルトレイクから戻ると彼女は看護師になるために短大に進み、高校3年の坊主と19歳のイケイケギャルとは疎遠になった。 思いきってパブテスマを受け、モルモン教( 末日聖徒イエスキリスト教会 )の一員になったのである。 タバコも酒もコーヒーさえ飲めない教派だが不自由はなかった。
1年で隣の隣人を愛することに疲れてしまいwコーヒーに手を出しw( ←犯罪か?)キリストに見放されて、フロリダに流れ着いた。 スペイン語が飛び交い、ラテン系の明るさに惹かれ日本の大学を休学し、6年間マイアミで大学に通いながらキーウエストでいろんな意味での人生の修行をした。 先生がよかった・・ホームレスの老人と不動産業を営む社長が人生を教えてくれた。 同じ人生の時間の流れの中に、全く異なる世界が同時に存在をすることを教えてくれたのだ。
キューバ・モヒートをおぼえたのも・・もちろんマイアミだった。
ん? あれ? あ~タバコかw タバコ = モルモン教 の図式が頭にある様だ
ベランダに向かう際にBGMのスイッチをひねった。 ボズ・スギャクスが流れてきたせいと、任務完了の安堵感でセンチメンタルになっていたようだ。
午後5時50分。 日は傾き初めているが、時折の激しいスコールでシャワー並の強さで雨が落ちてくる。 スコールの間中ベランダのソファーで雨に打たれながらズ~っと船を見ていたおかげで・・ずぶ濡れである。 ← アホだな・・やはりw
ずぶ濡れのYシャツとパンツのままバスルームに向かう。 全てを脱ぎ捨て鏡を見ると左腕のタツゥ・ステッカーの入れ墨が目を引いた。 この入れ墨のお影で一発形勢の逆転で立場か変わりマフィアとタメに渡り合え、大切な携帯を相手に預けずにもすんだのだが、まぁまぁ~似合っている炎の図柄である。 半袖のYシャツから3cmほど見え隠れする。 色がモノホンと比べると少し派手だが昼にチラリと見る程度なら自分でも本物と見間違えてしまうだろう。
シャワーブースに入りボディーシャンプーで念入りに左腕をこすった。 w・・・。 落ちないw。 うゎ~忘れていた。 このステッカーは海水浴でも落ちない防水性で、ヘタをすると1週間は落ちない特殊インクだったw。 目の前の全てが暗くなり、世界が滅亡した以上に凹んでしまった。 当分の間は左腕は人前で出せない。 長袖のYシャツでも白系は透けて何気に入れ墨をしているのが分かるのだ・・・。 ついにフィリピンでお尋ね者の仲間入りをしてしまったのだった。 こんな入れ墨をしている連中は間違いなく日本から指名手配をうけて逃亡している連中だろ~が・・。
落ち込むわ~w。
バスローブ1枚をはおり、猫足でそ~~とティアラのベットルームを覗いて見た。 眠っている様だ。 可哀想にかなり緊張した様だった。 すまん、ティアラ・・そんなに怖い思いをさせるとは思ってもいなかった。 エルミタで働かされると思っただけでも相当怖い思いをするだろうに・・。
しかし・・なんでティアラがペナルティー代金を払いたくないなどと社長に言い張ったのかが分からない。 え~~?$5,000ですね~、ハ~イ、ここに全額ありま~す!と渡さなかったのか・・。
・・・・むぅ~
ティアラのベットルームの中で、脇の椅子に座り、彼女の寝顔を見ながら色々と思いかえしてみるが・・彼女のとった行動の本意は分からなかった。
椅子から立ち上がり、ベットの上で小さな寝息を立てているティアラのおでこにキスをして部屋を出た。
今度は雨があたらないwサンルームに腰を下ろしてタバコに火をつけ、外を眺めた。
背中の方で
♪~ ♪♪~ ♪~ 3コールでテーブルの上の携帯が・・切れた・・。
イズ!有り難う~!心の中で叫んだ。 契約成功のコールだ。 マニラでのTV局とのティアラの採用契約が成功したのだ。
うしゃ~! ここはガッツポーズである。
テーブルの上の携帯を手に取り時間を確かめた。 午後6時40分。 思ったよりも早かった。 流石!イズ&ミミのコンビである。 まぁ~アイツらのお勧めトークにはまったらマンション、いや、億ション でも契約をしてしまうほど押し売りが上手いのだ。
やったな・・アイツら・・。 流石に めめ が自分の目で確かめて選んだ秘書達だ。 明日、明後日でも2人に会ったら褒美に久々に買い物にでも付き合ってやるかな・・。 気分はかなり高揚しているのが自分でも分かる。 当たり前だよな・・この度はマニラ湾の藻屑になりかけたんだからな・・。
♪~ ♪♪~ ♪~ ♪~ ♪~ また携帯が歌い出した ん? これもイズからだ・・。
「 イズ~ お疲れ様 よくやったなお前! ミミもえらいゾ! さすが めめ の秘書だな 」
「 ちぇんむ~ こにゃにゃちわ~ 」 Orz よっ・・酔ってやがるw
「 ハニャ~ はにょう~♡ 」 ミミ・・お前もかよ
「 あにょね~ ちぇんむ~ ぷろデュ~サ~ねぇ ・・ ん・・・っと ふふ・・ 」
「 ティアらちゃんと ねぇ あした か あ~さっちゅて あいたいって! 」
「 イズ・・ミミ・・ だいじか? おまえら? 」
「 ふわぁ~い! だいじょびゅ で~~素♡ 」
「 けいやく するまぁえ から でへへ・・ のんじゃった♡ 」 (-.-#)
「 けいやく は だいじょうぶ なんだろな? 」
「 うん O~K~っす! ねねねねね・・・ 」 くどいわ
「 てぁいあちゃん あす? あすのあす? くる? 」
「 むぅ~ 今日の夜 寝て 明日の朝の飛行機で マニラに 送るわ 」
「 明日の午後 3時~ なら OK 」
「 むわ~い じゃじゃじゃ あしたの ・・・ ん・・・ ごご3じ ね♡ 」
「 あのさ~ 誰か 酔ってないの いないかい? そこに? 」
「 ん・・? イズちゃん よっちぇませんよ 」
「 わかったから 誰かと 代われ! お前は・・ 」
「 ふぁ~い まてね ちぇんむ ふんふん~♡ 」
「 マニラTV5 の ミハエル です 」
「 すみません うちのアホな秘書が・・ 」 w
「 あ、いいえ 今日、タレントの契約があると聞いて 皆んなで朝から パーティーしてます 」
「 あ・・・朝から・・・ 」
「 で、 契約の娘の件ですが 明日 午後の3時頃にはTV局に行かせますから 宜しくお願いします 」
「 あ、ハイ 午後3時ですね 分かりました チーフへ伝えておきますので 」
「 宜しく御願い致します 」
「 いえいえ こちらこそ 今回みたいな可愛いタレントを また紹介戴ければ 助かりますね 」
「 口 上手いな~ 有り難う! で、 今日の契約は 問題無く済みました? 」
「 ハイ タレントさんの写真だけで 内部でも可愛いと 半分ほど決定してましたから 」
「 まぁ~ チーフの知り合いでミミさんとエージェントのイズさんの勧め上手もあったんでしょうけども 」
「 ですか・・ では 明日 タレントのティアラの顔見せで お伺いさせますから 」
「 ハイ お待ちしています では 電話 かわりますか? 」
「 いいえ 絶~~~対 かわらないで下さい!! 」
「 ・・? 」
「 あ! 楽しい パーティーを 」
「 有り難うございます では 失礼します 」
ポチッ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ イズ・・ ミミ・・ 心配させやがって。 朝からのパーティだと?
くそ~~~~~~~~~~~~~~w。 むお~~~~~~~~~~~~~~w。
お前ら・・ご褒美・・無いから
次が完結らしい
(*_*) マイッタ・・ 艦これの誘惑には 勝てないゎ