まじいなぁ~ ・・・ No22
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- 2017/12/30(Sat) -
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香港にモデルをしている3人のマブダチがいる その1人のメナちゃんが、1年半ほど前からモデル業を止めて、イベントやクラブでのDJを始めて大ブレーク中 今では DJ Mena と言えばアジアのクラブではかなり知られた名前になった つい最近 「あなたのために作った」 と、これを公開してくれた。 ウソだと分かっていても、本人から言われると嬉しいわなぁ 不醉不歸 Don't Let Me Down がっかりさせないでね! と言う題名・・・ 意味深・・・ [広告] VPS サチと2人、気まずい雰囲気でエレベーターの中で無言で過ごす。 途中のフロアーで何回か扉が開いて社員が出入りをしながら挨拶をしてくれたが、お構い無しに無言で通した。 エレベーターからサチが先に降りると、紙袋を抱えたまま海外事業部へ足早のまま、部屋のドアの脇のIDチェックに首から提げたカードを押し当て、ドアを右膝で大きく開いて中へ消えていった。 多分、荷物の袋を机の上に置き、俺の入室を腕を組んで正面で待っている事だろう。 そのまま部屋の前を通り過ぎて、非常階段へ向かった。 おもむろに非常階段のドアを開いて、内ポケットからタバコを取りだし、火を付けた。 喫煙禁止場所だが、俺には関係なかった。 喫煙室まで行くほど人間が出来ていない俺を、自分が一番よく知っている。 ものの数分で1本のタバコを吸い終わり、2本目に火を付けようとしたが、思いとどまり、足元の吸い殻を非常階段に蹴飛ばして部屋に戻ることにした。 きっとサチの目は三角になっている事だろう・・・。 イズにも会議を抜け出して、丸投げした引け目もあった。 ドアの前で深呼吸をして、部屋のドアを開いた途端、目を疑った。 机の上にジャージや下着、ブラジャー、ヒートテックのインナーが散乱していて、サチと、イズとミミで取り合いになっていたw。 大阪のおばちゃんのバーゲン会場に迷い込んだ様だった。w サチはさっきは「あたし、いらないから・・」と、ほざいておきながら、イズとミミと争奪戦を繰り広げていた。 「あたし、これとこれ!」 サチ 「え~、それ私が先に取ったのに・・・」 イズ 「このジャージ可愛いですから、ミミ、もらいます」 ユニクロには目を向けないミミまでが、机上バーゲンセールに参加していた 「あのなぁ・・・おまえら・・・」 まぁ、いいかぁ サチに趣味が悪いとか、地味だとか言われ、当たり前だろう~差し入れ品だものと、胸の中で答えていたが、そのサチが1番手に取っていた。w 「喧嘩しないで、適当に分けて、もって行っていいからな」 3匹の耳に聞こえたかは不明だが、とっとと、自室へ入って内側からドアをロックして、事務室側と俺の部屋を仕切るハメ殺しのガラス窓のブラインドも下ろした。 もう1度、頭の中で整理をしたかったのだった。 錦糸町と言う土地柄、ゲオ チャイが絡んでいる事は否めなかった。 それと、弁護士の件。 錦糸町へ探りを入れる必要があった。 だれから情報収集をするべきか・・・。 俺が直接タイ料理レストランのゲオ チャイへ出向いても良いが、本当の事は教えてはくれないだろう。 そこで、錦糸町で看板を出さずに、マンションの1室をかりて、携帯電話だけでタイ式マッサージのデリへをしているある店の娘に接近して、話を聞き出す事にした。 錦糸町と言う土地柄、「当店は風俗行為は一切御座いません」と、言う宣伝広告を出している店ほど、風俗斡旋をしている事は歌舞伎町と同じだ。 そこで、歌舞伎町から五反田、錦糸町へと流れた ノイ と言う知り合いの娘に連絡をしてみることにした。 ノイは二十歳過ぎの細身で可愛い娘だった。 元々はタイ本国のパッポン通りにあるポールダンスバーで客を取って、田舎に家を建てることを夢見ていた。 2週間の観光ビザで入国して、錦糸町で働き、1度、帰国してから、またひと月後に錦糸町へ戻ってくる出稼ぎ娘の1人だが、俺が錦糸町へ足を伸ばす度にゲオ チャイで良く食事をしていた仲である。 俺の顔がゲオ チャに割れている以上、探りを入れると警戒される恐れがある。 その点、ノイはいつもゲオ チャイで飯を食っているので多少の事情は彼女の耳にも入っていると踏んだのだ。 さっそくノイに携帯してみる。 ♫~♩ 「あ~ めめさん、お久しぶりで~す♡」 いきなり♡を投げつけられたw 「あのさぁ ノイちゃん 今晩 、錦糸町へ行くから 飯 どう?」 「え~と・・・今日の夜? 何時?」 「夜7時頃でどお? 誰か、予約、入ってる?」 「7時ならいいわよ。 9時から指名が入ってるから」 「OK じゃ、7時にいつもの ゲオ チャイ で待ってるから」 「は~い♡ 7時にご飯、いきま~す♡」 「じゃね」 「ばいばい」 別にノイとは深い関係では無い。 タイのパッポン通りで働いていたので、日本語も英語も堪能で話しやすいのだった。 タイから着たばかりの娘は日本語が話せないので余り指名が入らないが、彼女は流ちょうな日本語を話すので、指名客も多い。 勿論、観光ビザで来ているので2週間だけだが、働いている事もが、違法行為である事も知っている。 だから、なじみの客しか取らないのである。 余談だが、タイ本国のタニヤ通りや、パッポン通りでポールダンスをしながら客を取る売春では、2時間で3,000円にしかならない。 その点、日本なら2時間2万円~が相場だ。 ただし、日本に来る為にはブローカーを介して、30万円の借金を負わされる。 旅費往復10万+衣食住2週間=30万円。 それ以上の金額を2週間で簡単に彼女達は稼ぎ出す。 稼ぎは1回50%が手取りとなる。 受け入れの店も、無店舗風俗業などの資格を持たないまま、勝手に口コミでやっている所が殆どだ。 最近も小岩の娘から泣きつかれた。 30万円が返せないと言うのだった。 景気の良い街とそうでは無い街では格差が生じる。 しかし、ブローカーへの30万は借金をしてでも支払わなくては帰国出来ない。 オーバーステーになれば5年は日本サイドへ再入国が出来なくなる。 近く、小岩でボロもうけをしている店を叩き潰すつもりだが、その前に、この錦糸町のミッションを何とかしなくてはならない。 情報収集が今後の動きの全てを左右する、重要な手がかりだった。 今晩、ノイちゃんと錦糸町のゲオ チャイで食事をしながら、少しでも多くの情報収集をするつもりだ。 それも敵のふところの中でのことだった。 時計を見ると午後6時を少し過ぎていた。 事務所を出てその足でTAXIを拾い錦糸町へ向かった。 まじいなぁ~ ・・・ No23へ |
まじいなぁ~ ・・・ No20
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- 2017/12/23(Sat) -
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エレベーターで1階へ降りると、同じ門番がいた。 おや?早いですね、とでも言いたそうな顔だったが、2階での対応を思い起こしていたので、門番など相手にもしたくなかった。 来た時は先頭だったが、帰りは2人の後ろに一緒に付いて来た。 アルミの出入り口を開けてもらい、「有り難う御座いました」と軽く会釈した。 「ご苦労様でした」と声だけが閉まった扉からかえって来た。 留置所をやっと見つけ出し、私撰弁護士を付けて情報を集めようとしたら、私撰弁護士が付いていた。 あげくの果てに、面会にまで来てみると、タエちゃんから「知らない人」だと言われる。 訳が分からない事件だ。 おまけに女性物の下着やジャージが山ほど余ってしまった。 笑えない結果だった。 出口近くの鉄格子近くで車を呼んで、タバコに火をつけた。 空が悲しいほど青い。 煙を手の届きそうな青空へ吹きかけていると、彼が深々と頭を下げた。 「色々と、本当に有り難う御座いました。 差し入れまで買って来てもらって・・・済みませんでした。 気が動転してて、自分では差し入れの事なんが、全く気が付きませんでした」 「いやいや、留置所へ放り込まれたら、下着と金ですからね」 笑 「さっきの5万円、必ずお返ししますから、少し時間を下さい」 「いや、タエちゃんに、とっととここの留置所から出てきてもらって、彼女から受け取りますよ^^」 「ほんと、助かります」 「まぁ~当面の間、必要な物があれば、中からでも買ってもらえますからね」 「そうですね」 「男なら、入らない物の方が少ないハズなのに、ここは厳しいですね・・・さすが女子専用の差し入れは」 「ですよね」 「まぁ、ここにいる事も分かったし、今日は運がよかったんでしょうよ。取り調べが午前中で終わったのか、丸々1日、空きの日だったのか、時間的にも夕食5時ですから、早めに戻って来ていたのかも知れませんねがね」 「居場所がわかって、また、弁護士が付いていた事もわかって、なんか、安心って事じゃないけど、落ち着きました」 「そりゃ~良かったですよね。本当に」 「ええ」 「面会に来ても知らないと、言い張るんだから、ご主人の所へも連絡が行かなかった訳ですね・・・」 「そうでしょうね」 「タエちゃんらしいじゃないですか」 「え?」 「旦那さんや友達に迷惑をかけたくない思いなんでしょうよ、きっと」 「そうでしょうかねぇ」 「きっと、そうですよ。 会いたくないハズなんてないですよ。 俺なら喜んで面会しますけどね^^」 「・・・」 「我慢したんでしょうね・・・彼女なりに」 「ですかね」 「強いですね。 旦那さんに知られたくない、迷惑をかけたくない一心でしょうね」 「・・・」 「でも、俺にまで強がらなくても良いのにさぁ~」 「すみません」 「いや、あなたが謝る事じゃないですよ」 「・・・」 「俺はただ、タエちゃんが強いなって、感心してるだけなんでね」 「・・・」 「警察も弁護士も、その気になれば金沢の住所くらい分かるハズですから、きっとタエちゃんが弁護士へ、金沢へは連絡しないで欲しいと伝えたんでしょうよ」 「ですかね」 「後の事はもう少し調べて、俺からまた連絡しますから、金沢で、何か動きがありましたら教えて下さい」 「わかりました。 何かありましたら直ぐに連絡します」 「俺の方も気になる事があるんで、2~3日したらまた連絡しますから 「おねがいします」 「連絡は夜の方が良いですよね」 「ええ、出来れば夜だと、必ず家にいますから」 「分かりました」 「どうも 錦糸町 と言う街が気になるんですよ」 「・・・」 「まぁ~2~3日、待ってて下さい。 弁護士も付いている事だし、大きな心配は無いと思いますので」 「はい、安心しました。 今日は本当に有り難う御座いました」 「で、」 「?」 「車が来た様ですから、上野駅で良いですか、東京駅がいいですか?」 「え~いえいえ、その辺の駅で」 「水くさいこと言わないで下さいよ。 じゃ、上野駅まで行きましょう」 「すんません」 右側から歩道橋の下を抜けて、S500が滑り込んで来た。 「乗りましょう」 「はい」 運転手がハザードを付けて、降りてこようとしたところを止めて、トランクを開けさせた。 ユニクロの袋をトランクに投げ込み、そのまま2人で後ろの座席へ乗り込んだ。 「専務、どちらまでですか?」 「金沢の駅まで頼むわ」 「え?かなざわ・・・」 「冗談だよ、冗談。 上野駅まで頼むわぁ」 「畏まりました」 笑 タエちゃんは面会に行った俺と旦那を知らないと、言い張った。 旦那のことを思って、知らないと言い張ったのだろう。 会いたくないハズなど無い。 絶対、会いたいハズだ。 ・・・なのに。 タエちゃんは旦那へ迷惑が及ぶことを恐れて、知らないと言ったのだ。 強い心の持ち主だと痛感させられてしまった。 俺よりも心の強い女性だった。 まじいなぁ~ ・・・ No21へ |
まじいなぁ~ ・・・ No16
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- 2017/12/21(Thu) -
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「はい、池袋、東京弁護士会です」 ハッキリとした透き通る様な声だった 「初めてのご相談で電話をしたのですが」 「はい、どの様なご用件でしょうか?」 「実は、2~3日前、友人の女性が逮捕されまして、弁護士先生をお願いしたいのですが」 「もう逮捕されてる訳ですね」 「ええ、そうです」 「そうですか、実は、こちらの弁護士会では逮捕後の推薦や選任はやっていないんですよね」 優しかった 「では、どうしたらいいんでしょうか?」 「宜しければ、その様な場合は 当番 弁護士のいる上野、弁護士会館へご連絡をしてみては如何でしょうか」 「当番弁護士先生ですか」 「そうですね。 逮捕後ですとそちらの方が宜しいと思いますが」 「では、上野ですか?」 「はい、上野の弁護士会館がここからでしたら近いですね」 「連絡先の電話番号をお知らせ戴けませんか?」 「はい、宜しいですか?」 「どうぞ」 「03-3580-00**です」 「03の3580、00**ですね」 「そうです。 そちらへご相談下さいませ」 「有り難うございました」 「いいえ、どういたしまして」 カチャ 受話器をフックに置いた。 俺の知る限り、当番弁護士と言うのは定年のない弁護士業界で、爺たちが暇つぶしで、順番で事件を待っているイメージがあり、余りいい印象がない。 勿論、現役バリバリの弁護士ならどこかの事務所に所属しているのが当たり前だった。 この 当番 弁護士にお願いをして希望通りに事が進んだ事も聞いたことが無い。 肩書きだけのロートル爺の弁護士が多い。 弁護士を依頼するタイミングは逮捕前が最適だ。 事情を話して、もし逮捕されたら弁護してもらう。 ここで言う「弁護」とは法廷ではなく、機動力を生かして、捜査中の警察署へ出向いて、現在までの捜査資料や状況を把握して、予想される逮捕後の容疑に備える事だ。 一般的には、危なくなると、まずは知人、友人を通して紹介してもらった弁護士事務所を訪ねる。 そこで担当してもらう弁護士と相談する。 30分ほどで2万円位が相場だ。 その際に、その弁護士が引き受けてくれるとなると、おおよその総額を提示してくれる。 「ん~今回は30~50万円位かかりますよ」と教えてくれる。 で、次回の相談時に、着手金として10万円でも20万円でも支払う。 これで弁護してくれる事になる。 途中の経費や中間金なんてものは殆どの場合は必要としない。 残りは釈放されてから、再度、事務所を訪れてお礼と残金を支払う。 これが一般的だ。 よって、弁護士もこの残金を取り損ねたり、分割にされるケースも多々あるのだ。 この、自分から逮捕前に、逮捕されそうなのでお願いしますと、言うのが「私撰(しせん)弁護士」と呼ばれる。 警察側が一番嫌がるパターンだ。 もう一つ、国選(こくせん)弁護士がある。 これがいわゆる、当番弁護士=国選弁護しとなり、負担費用は無料で、国が弁護士へ支払う。 よって、最低限度の収入しか入らないので、弁護側のやる気が感じられない。 1件あたり国選は2~5万円の報酬なのだ。 だから、国選(当番)弁護士と言っても数件の事件を同時に裁いて稼ぎにしていく。 何のアドバイスや対抗もせずに、裁判の時にだけ顔を初めてだして、型取りの弁護で実刑を食らっても、1件終了で2~5万円を受け取れるからだ。 1番のベストは逮捕前に「なんか、逮捕されそうなんですが・・・」と紹介してもらった弁護士へ連絡を取る事で、次の2番目は・・・・無い。 国選弁護士で無事、不起訴になったり、簡易裁判で有罪だが、罰金刑で釈放された、などとは俺は聞いたことが無い。 奥の手として、最悪、捕まってしまったら、1度、速攻でこの当番弁護士を警察での取り調べの最中に呼び込む。 相手の弁護士を見て、やる気があるか、信じてお願いできるかを見極める。 弁護士からのアドバイスで行けそうならば、その当番(国選)弁護士を「私撰」に変更するやり方もある。 当然、私撰に変更する訳なので金額は全額自分負担となるが、弁護士の動き方が多少は変わるので猶予の希望も湧いてくるのだ。 当番(国選)と早めに面会して、ダメな爺弁護士なら、弁護を止めてもらう。 1度の話だけなら無料だし、時間も制限が無く弁護士とは相談ができる。 今回のタエちゃんの場合は、逮捕済みである。 選択は、①当番弁護士に依頼して、1度切りの面談で、後の弁護はしてもらわない。 ②当番弁護士に依頼して、国選待遇扱いから、実費覚悟での私撰待遇扱いに変更して、終始弁護を依頼する。 ③裁判まで国選弁護士を付けないで取り調べを進める。 俺の選択は、①だ。 知り合いにも弁護士はいる。 最悪、会社の顧問弁護士のネットワークで最高の弁護士を付ける腹もあるからだ。 今、一番必要なことは「タエちゃんの置かれている状況」が知りたいのだ。 その状況が分かれば、対処は出来る。 だたし、罪名が大げさな罪名なので、本腰なら300万円~の覚悟もいる。 まずは、タエちゃんと当番(国選)弁護士とを面会させて、タエちゃんが今、何を困っているのか?、何を心配しているのか?、罪名が適切なのか?が知りたいのだ。 逮捕後に罪名がころころ変わるケールも多々あるからだ。 気は進まないが、取りあえず、上野にある弁護士会館へ電話してみる事にした。 「取りあえず、当番弁護士に連絡を入れて、タエちゃんの状況を見てきてもらいましょう」 彼に話しかけた 「ええ、宜しくお願いします」 もう言葉がでない 「ん~と、上野の弁護士会館は 03-3580-00** だよなっと」 メモをみながらプッシュボタンを押す 「はい、弁護士会館です」 おばちゃんの声だったw 「済みません、初めての電話で、ご相談なんですが、逮捕された友達に弁護士先生をお願いしたいのですが」 「はい、分かりました。 当番弁護士の先生がおりますので、ご連絡をこちらから取らせて戴きますね」 「はい、お願い致します」 「では、まず 逮捕された人のお名前を教えて下さいませんか」 「はい、ラッタナポーン・シープラジャン 、または、木下 ラッタナポーン と言うタイ人の女性です」 「そちら様はどなたでしょうか?」 「夫の代理人で、知人です」 「では、今、お電話をいただいています方の、お名前と、お電話番号をお知らせ下さいませ」 「はい、めめと言います。 連絡先電話番号は携帯で090-9312-9797です」 「めめ様ですね。 お電話は090-9312-9797ですね」 「はい、今、ここに逮捕されました奥さんの旦那さんもおりますが・・・」 「いえ、結構です。 タイ人の女性で いつ頃、逮捕されましたか?」 「一昨日か昨日だと思います。 昨日のTVのニュースで知りましたので」 「そうですか。 分かりました」 「どこで逮捕されたか、分かりますか? 「定かではありませんが、新宿のアパートで、錦糸町の本所警察が来たと聞いています」 「そうですか。 その女性の生年月日は分かりますか?」 「分かります。 1996年11月1日生まれで25歳です」 以前のビザ更新用紙を見ながら答えた 「繰り返しますね、ラッタナポーン・シープラジャン または、木下 ラッタナポーンさんで、1996年11月1日生、タイ人の女性。 逮捕は一昨日か昨日ですね。 新宿のアパートで錦糸町の本所警察署が逮捕したんですね」 「その様です」 「では、こちらから当番弁護士先生へご連絡をしてみてから、めめ様の携帯電話へご連絡しますので、1度、切ってこちらからの連絡をお待ち下さいませ」 「あ!言い忘れましたが、現在は錦糸町管轄の本所警察署では無く、女性拘留所の北区、西が丘分所にいる事までは分かっています」 「そうですか。 では出来るだけ早くご連絡を致しますので、少々、お待ち下さいませ」 「宜しく、お願い致します」 カチャ まぁ~上野と北区だとそんなに遠くも無いので、ハズレを引いての爺弁護士でも、行って帰って来る事くらいはできるだろう~と心の隅で思いながら、弁護士会館からの折り返しの連絡を待った。 タエちゃんの旦那(木下)さんは完全に硬直状態でソファに座っていた。 イズが入れてくれたコーヒーに、一口も手をつけていないまま冷えてしまっている。 メモ用にアメリカ製の黄色いレポートパットを取り、机からソファーへ座り直した。 ガラス越しにサチが聞き耳を立てている影が見えたので 「サチ~、コーヒーおかわり!」 と、大声で叫んでやった。 目の前の木下さんが、その声でようやく冷凍解凍された明太子の様にゆっくりと動き出した。 まじいなぁ~ ・・・ No17へ |
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