タイ王国スリン県
平成27年11月28日登城。
イサン地方の南部、カンボジアと国境を接するスリン県。
もともとのこの地の住民構成はクメール系とラオス系が多く、さらに少数民族スアイ族もおり、小タイ族はマイナーな存在。
それが小タイ族の覇権(スコータイ朝から現在に続くタイ王国)下に入ったのはアユタヤ王朝末期の頃。
当時この地を治めていたチアンプムという領主がアユタヤ朝から「プラヤー・スリンパックディー」という欽錫名を与えられた。
また、「バーン・クープラターイ」と呼ばれていた地名もアユタヤ朝により「ムアン・プラターイサマン」と改められた。
1786年、プラヤー・スリンパックディー(チアンプム)はラーマ1世に白象を献上するなどして改めてこの地の領主に封じらる。
その際「ムアン・プラターイサマン」という地名も「ムアン・スリン」に改名された。
この白象献上の故事が、今日有名な象祭りの起源の由。
こうした18世紀末の一連の動きにより、スリン地方はクメール(カンボジア)ではなくタイ王国の版図に組み込まれた。
スリンの町を囲っていた城壁と濠の一部を町の南側に見ることが出来る。
残っている土塁の高さは高いところで3mほど。
昔は石積みの城壁だったのかな?
今でも住民の半数近くはカンボジア語を話せる由。
<所在地>