今日も数学の授業を受けて校舎から出ると、人が多くて通路が混んでた。
一人ぐらいしか通られへんのに、向こうからも自転車がこっちに来て、オレの前の人のとこまで来た。
オレの前の人は、
「はっ!よっ!はっ!」
って右に左に、すばやく避けて通ろうとしているのに、その自転車に乗ってる人、無表情で遠くの方見てピッター静止してるねん。
完全に時間が止まってるねん。
ほんまに何も動かへんねん。
まゆげ一つ動かへんねん。
たぶん、もう現実の世界に嫌気さしてあっちの世界に行ってるんやろな。
あの人の頭の中では財務省関東財務局に廃業届けだして、シンガポールに移住してるんやろな。
あかんあかん、君は現実の世界では自転車に乗ってみんなに迷惑かけてるような男なんや。
それで、君はこの後授業受けなあかんのや。
何もかも犠牲にして、研究せなあかんねん。
そんなんシンガポールとかあかん。
早く自転車に乗ってる人を現実の世界に戻してやらなあかん。
このままやと、一週間後には全員校舎に閉じ込められて餓死するからな。
何か辛いことあったんやろ。
ほらっ言うてみ。
そうか、言いにくいか。
そしたら辛いのは君だけじゃないって言うことをおじさんが教えたろ。
ほらっおじさんの胸見てみ。
パイ毛長いの二本生えてるやろ。
あれは高校の体育の着替えの時やった。
おじさんな、クラスのやつに
「うおっ!これパイ毛ちゃうん!」
言われてな…
おじさん…うっ…
悪い悪い、ついちょっとな
わかったかな、辛いんは君だけじゃないねん。
それだけわかってくれたら、もうおじさん言うことないわ。
それじゃあ、おじさんいつでも君のこと応援してるからな。
次の授業頑張るんやで。
ほな
京都大学の学生生活
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