【伝説の絶版テントをシーム処理したついでに…】 ギアエイド・シルナイロンパッチでフライシートの瑕疵も塞いでみた
ゴーライト シャングリラのシームリペアの続きです
このテント 軽量で雨にも強いし 経年劣化に対する
耐性もあるようで 13年目のいまも 加水分解のべたつきなど
ほぼ起きていないと言ってよいグッドコンディションを
保っています
設営時にフライシートを引くコードが短いとか
ペグが小さすぎるとか 些細な部分に目をつぶれば
ほとんど欠点はなくて 高耐久・高耐水のスペックを有するのに
当時は5~6万も出せばフライとインナーネストを
買えてしまうという 素敵な製品でした
当然 売れまくりましたが 10年前の
とあるタイミングで とつぜん 絶版になってしまいました
販売元が倒産してしまったからです
得るものが多くあり その後もゴーライトの復活を望む声は
絶えることがありません
そこで元々の創業者たちは 2015年に 米コロラド州ボルダーを
拠点にして MY TRAIL COMPANY という
セルフカバーブランドをスタートさせました
その後 MY TRAIL CO. の動向は日本国内に届きませんでしたが
同社によるのか否かは不明なものの 現在その屋号は
復活しているようで いくつかのアイテムを正当な
手続きによって新品で購入できるまでになっています
上3点はPRリンクですが ご覧いただいたように
復活したのはリュックばかりで テントまでは
無理だったのかな と思っていたところ…
なんとこんなニュースが聞こえてきた…
あの GO OUTで シャングリラが復刻販売とのことで
リンク先を見ましたが 所有者から見たところ
失礼な言い方かもしれませんが ディティールは間違いなく
本物のそれでした
ただし 再販はシャングリラ3と8のみで 1や5は含まれず
またカラーもバンブー(黄)のみで グリーンは売られないようですし
いちばん残念なことは シャン3・シャン8とも
すでに完売したという現実です
※注 追記します
7月16日12時より同じバンブーカラーのシャン3・シャン8で
販売を再びスタートしたそうですが 売り切れは
時間の問題かもしれません
バンブーイエローのシャングリラは使ったことがありませんが
おそらく夏場はグリーンの方がほんの少し遮光性が
高いはずで ほんの少しだけ涼しいと思います
またシャン3も使ったことはないのですが 数字が示す定員は
他の山岳テントと同様に 余裕のない数値なので
実際は幕体数字と使用人数が 乖離すればするほど
快適な居住空間になるはずで…
何を言いたいかというと 要はグリーンのシャングリラこそ
再販を望みたいということ
さらに言えば シャン4かシャン5が再販されるのであれば
ぜひ欲しいものですが 果たしてどうなるか…
GO OUTのこれまでを見ていると あまり期待できないような気もしますが
今後 吉報が聞かれることを待ちたく思います
じゃ 再販を期待しつつ リペア作業の続きをやりましょう
10年経って白く濁ったシャングリラ5のシームテープは
はんぶんくらいを剥がしたところで こんな大盛りになりました
実際はこの倍量になりますが もう使えないので
廃棄するしかありません
追加でオーダーしたシームグリップ+SILが届いたので
ふたたび自室で作業環境を整えます
前述したように 乾燥までに時間がかかることと
途中でシームが足りなくなって取り寄せたため
けっきょく週末2回を費やす処理になったんですよね
タープポールを使い シャングリラのフライシートを裏返して
シームテープを剥がした部位を ポールに合わせ 固定しました
こうするとシーム部分に塗りやすくなるので
シーム剤塗布のやり方は 基本は図2のように テント内側から
縫い目をシールすることですが 可能であれば図1のように
外側からもシールするとよいようです
しかしシルナイロンのシーム材は 紫外線による劣化や
摩擦などの刺激でも わりと簡単に剥がれることがあるので
内側からだけ施すことにしました
その剥がれやすさがどんな感じかは この記事の後段で触れます
縫製線はほぼ2本なので まずフライ内側の合わせ目に
近い縫製線へ多めにシームグリップを盛ってから 付属の刷毛で
もう1本の縫製線を 確実に被覆するよう塗り広げました
シームグリップは粘度が高く 塗布直後はたたむことすら
できませんから 一刻も早く乾くよう サーキュレーターの
風を当てて乾かしますが 結局のところ これは気休めにしか
なりませんでした
ここまで4角錐の稜線部縫製線と中央部縫製線で
1日に4本ずつラインを シールしましたが 最後に
残ったのがこの部分…
ドア部分ジッパーの縫製です
この部分のみ曲線になっていますが だからと言って
特に配慮する必要はありませんでした
ただし…
ジッパー生地とフライシートの縫製はジッパーの両側に
存在しますから シームグリップの塗布量は倍に増えます
ここで一気にシームグリップの残りが減りましたが
なんとか2本目で間に合い ジッパー部分までの
シームグリップ塗布を終えて そのあと1日ほど放置…
これにて完全にシームシールは完了しましたが
実はまだリペアは終わっていません
シャングリラのフライシートに穴が開いてますからね
これ過去にランタンの熱で溶かして開けてしまったもの
もちろん放置していたわけではなく 黒いシルナイロン生地を
ゴーライトのロゴマークの形に切り抜いて シルフィックスで
貼り付けリペアしてあったのですが…
今回の作業中 何度かフライシートを折り返した際に
ロゴは剥がれてしまいました
これが摩擦に弱いということですが ここまで7~8年間
シルナイロン専用の シームシーラーで剥がれなかった事実から
推察できるのは シル専用シームシーラーは定着しにくいけど
いちど定着してしまえば 横方向に引っ張られるのは
大丈夫ぽいということです
それでも擦るなどの摩擦で剥がれてしまうなら
心もとないので 今回はこのリペア材を求めてみました
パッチですね
ある程度広い面でシルナイロンへ接着するなら
ゲル状のシーム剤より 固形状の面粘着のほうが
確実にくっつきます
これもギアエイド製です
シルナイロンにも使えるギアパッチ
ネットで簡単に入手できます
パッチのサイズは7.6 × 12.7 ( cm )
3×5インチということで 2枚入り
カラーは透過性の高いライトグレー
これならどんな色の元生地にも合わせやすいはずです
なお マックネットのこの手のシール系ケミカルは
アウトドア用品店でなくマリンスポーツ用品店のほうが
探しやすいかもしれません
今回もゴーライトのロゴの形にパッチを当てることにして
画像データを加工し プリントアウト
プリントの上にパッチを置いて油性の細ペンで輪郭を転写し
ハサミで切り取ったものがこれらです
元の画像と それを反転させ 少しだけ大きく切り出した型紙を
用意し まず後者の反転ロゴをフライの内側へ貼り付けます
皺が寄っているように見えますが大丈夫でした
剥離フィルムをはんぶんだけ剥がし 端を決めてから
もうはんぶんを貼り 残りのフィルムを剥がすやり方です
フライを裏返すとこうなっています
今度はやや小さめに切ったロゴのパッチを
同じようにはんぶんずつフィルムを剥がしながら
貼っていくと…
こうなりました
まだパッチに折れ目が残っていますが
設営してテンションをかければ 気にならなくなると
思います
これにてリペア完了です
なんとか夏休みに間に合いました
これで夏のキャンプも涼しく過ごせるといいなぁと…
次に同じ作業の必要があれば こっちのほうが
簡単に済ませられるかもしれませんね (^^;
でもほんと GO OUTさんには本気でシャン5復活を
お願いしたいものです
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tag : ゴーライトシャングリラGOOUTGOLITE復活マックネットシルネットテント補修シルナイロンパッチギアエイド穴をふさぐ
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No title
ただ修理するだけでなくデザインまで施されているのは流石です〜(^o^)丿
こんにちは
お疲れ様でした。
これでリペア無事に終了ですね。
買ったことが無いからテントって高いんだなぁってビックリでしたが、
でも、リペアの作業を見てて、これを作る方に考えたら大きなスペースも必要だし素材も特殊だし、納得の値段なんだなって思いました。
良いものは皆が求めているし、すぐ完売も納得ですね。
色は…流行りとかもあるのかもしれないですね。
高齢者が増えて、思ってもみなかった事も増えましたね。
閉じ込めておくわけにもいかないし。
明日は我が身になるのかも(◎_◎;)
これでリペア無事に終了ですね。
買ったことが無いからテントって高いんだなぁってビックリでしたが、
でも、リペアの作業を見てて、これを作る方に考えたら大きなスペースも必要だし素材も特殊だし、納得の値段なんだなって思いました。
良いものは皆が求めているし、すぐ完売も納得ですね。
色は…流行りとかもあるのかもしれないですね。
高齢者が増えて、思ってもみなかった事も増えましたね。
閉じ込めておくわけにもいかないし。
明日は我が身になるのかも(◎_◎;)