そういえば、そろそろ研究科目始まるな。
恐いな。
どちらが、しばくかしばかれるかの世界なんやろな。
それじゃあちょっとだけ、物理と表現論ってやつがどういう関係なんか簡単に説明しとくか。
まずは量子力学の1次元の自由粒子の並進対称性って言うのを表現するにはどうしたらいいか。
x軸上を動く質量mの自由粒子のハミルトニアンは
H=1/2m・p^2
ここでp=(h/i)1/∂x
これはx軸に沿って動かしても不変。
こういう対称性をどのように数学的に表すのかを考えるねん。
群Gを加法群として実数Rとする。
ベクトル空間V上をg∈G移動させるGの表現を考える。
まずはg∈G,|x>∈Vに対して
U(g)|x>=|x+g>
と演算子U(g)を定めると
U(g)はユニタリーである。
<y+g|x+g>=δ(y-x)
=<y|x>
よって内積を保つのでユニタリーである。
また
pU(g)|x'>=p|x'+g>
=ih∂/∂x'|x'+g>
=ih∂/∂x'U(g)|x'>
=U(g)ih∂/∂x'|x'>
=U(g)p|x'>
だから
U(g)^(-1)HU(g)=U(g)^(-1)1/2m・p^2U(g)
=1/2m(U(g)^(-1)pU(g))^2
=1/2m・p^2
=H
で
U^(-1)HU=H
HU=UH
UとHは可換になり
heisenberg方程式
d(U)/dt=1/ih[U,H]
=1/ih(UH-HU)
=0
だからHはUに対して不変である。
この不変性つまりGに対する対称性を表現すること考える。
ここまでは物理の話でここからは、数学かな。
G × V → V
g,|x> → g|x>
Ρ:G→U
g→U(g):|x>→|x+g>}
Ρ(g):|x>→g|x>
g|x>=Ρ(g)|x>
=U(g)|x>
=|x+g>
とgに対して演算子U(g)を対応させる写像Ρを定めると
∀g,g'∈G
Ρ(g+g')|x>=U(g+g')|x>
=|x+g+g'>
=U(g)|x+g'>
=U(g)U(g')|x>
=Ρ(g)Ρ(g')|x>
となりΡは凖同型でGのユニタリー表現になる。
だいたいこんな感じやけどもっと複雑になっていってリー代数の表現、複素多様体、共形場理論、超弦理論とかに入っていくようなそういう感じか。
ここからそこまでものごっつ隔たりがあり過ぎるような気がするけど。
物理的にも、数学的にもたぶんわかりやすい例を出してみた。
xの位置をユニタリー演算子で表現するねん。
それが、凖同型じゃないとあかんねん。
凖同型じゃないと群構造を保ってないからな。
例えば、正方形の対称性を数学的に抽象化すると
G=Z/4Z
やねん。
Z/4Zと言うのは
整数全体を4で割ったあまりが同じものを同値類として同一視してる、つまり簡単に言えば4で割った余りの集合で
Z/4Z={0,1,2,3}
ここでα=cosπ/4+sinπ/4
としてiを虚数として
V={αi^j|j=0,1,2,3}
Vは正方形の四つの頂点の集合やけど
ここでg∈G=Z/4Zに
Ρ:g→i^g
という対応をさせるねん。
i^gはVの元に作用する写像と考えるねん。
まあ90°か180°か270°か360°回転させる写像やな。
Ρ(g)α=αi^g
=cos(π/4+πg/2)+sin(π/4+πg/2)
とΡ(g)によって正方形は回転して元の正方形にぴったり重なりますやんか。
だからこの正方形の対称性を表す変換をもっとも簡単に抽象化したのが
Z/4Z
やねん。
それでこの抽象的な群Z/4Zに具体的な写像Ρ(g):V→Vを定めるのが表現やな。
数学、物理
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