NO.903 消費税の「福祉目的税化」はごまかしの理論。
(この記事が「NPJ お薦め ブログ」で紹介されました。)
週末に向けまたこの冬最大の寒波だとか・・・?
どうぞ、囲炉裏火にでも当たりながらお付き合いを。
今日は、「福祉目的税」というのは、聞こえはいいが実際は福祉の充実にはなんら役に立たない、まったくごまかしの理論だということ。
簡単な話なんですが、頭の中だけではややこしいので、多少くどくどしくなりますが、図をかりて見ながら考えて見ましょう。
図1は、消費税が「福祉目的化」されていない場合。
この場合は、消費税も「ほかの税」も、社会保障にも「ほかの分野」にも使われています。
図2は、「福祉目的税」にして、「ほかの分野」に使われていた消費税を社会保障分野に移した場合。
この場合、分野別の支出額に変化がなければ、社会保障分野に移った消費税と同じ額だけの、社会保障分野の「ほかの税」があまり、その「余った分」が他の分野に移るだけ。
つまり、税が入れ替わっただけのことです。
図3は、「福祉目的化」の中で、消費税を増税して社会保障に当てた場合。
その場合、社会保障分野で「ほかの税」の「余った分」が「ほかの分野」に移されてしまえば、社会保障予算は増額されることにはなりません。つまり、消費税増税が社会保障予算増額に直接結びつくわけではありません。
「ほかの税」は目的税ではないので、なんにでも使えます。
もし、軍事費に使った場合は、実質的には「福祉目的税」が流用されたことになり、増税された消費税が軍事費に使われたことになります。
「消費税増税分と同じ額だけ社会保障予算を増やせばいいではないか」と思われますが、「流用」を防ぐ保障はどこにもありません。
図1の場合(「福祉目的化」されていない場合)は、社会保障予算を増やす場合は、「ほかの分野」の「ほかの税」を移さなければなりません。つまり、軍事費とか無駄な大型公共事業費を削ると言うことになります。
しかし、図3の場合は、消費税が「福祉目的化」されており、消費税の増税で社会保障予算増が賄われ、「ほかの分野」の予算を削る必要がなくなったことになります。つまり、消費税の「流用」で、無駄な大型公共事業費や軍事費が維持できたということになります。
言葉を変えれば、消費税の「福祉目的化」は増税しやすくするための理屈=方便であり、消費税増税分(その一部)を社会保障以外に使うことを見えにくくするやり方と言えます。
このように「福祉目的化」は、社会保障充実には何の保証も無い「理屈」ということにとどまらず、その聞こえのいい名前で増税しやすくするためのごまかしです。これまでも、入り口は「福祉のために」、結果は「大企業・大金持ち減税」「軍事費増額」・・・となっています。
さらに、自民党や財界が「福祉目的税化」を主張するのには、危険な狙いがあるのです。それは?(つづく)
「大脇道場」消費税増税反対キャンペーン中!
http://toyugenki2.blog107.fc2.com/blog-entry-588.html
いつもありがとうございます。
ランキングーポチッとよろしく。
↓ ↓
- 関連記事
-
- NO.1064 消費税 二十歳の誕生日 (2009/04/01)
- NO.907 11年度、消費税増税のシナリオ 国民の審判を! (2009/01/25)
- NO.904 消費税の「福祉目的税」化は、際限ない増税への道。 (2009/01/24)
- NO.903 消費税の「福祉目的税化」はごまかしの理論。 (2009/01/23)
- NO.899 消費税を「福祉目的税」にしたらどうか? (2009/01/21)
- NO.896 消費税 各党の態度をみる。 (2009/01/20)
- NO.895 消費税に頼らないで、財源は確保できる。 (2009/01/19)
- NO.892 「日陰者」をお天道様の下に引きずり出し、審判を! (2009/01/17)
- NO.888 消費税増税でゆれる自民党。選挙が怖い! (2009/01/15)
テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済
2009.01.23 | | Comments(9) | Trackback(5) | ・消費税・財源・税Ⅱ