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年度内に使えるのか?:最先端・次世代研究開発支援プログラム

このところ、この記事へのアクセスが多い。

関連エントリ:今後注目したい:最先端・次世代研究開発支援プログラム

それは当然、これとセットの話です。

関連エントリ:まだ決まらないとは:最先端・次世代研究開発支援プログラム

12月中に決まっているはずの「最先端・次世代研究開発支援プログラム」の採択が決まってないから、気になる方々が検索で訪れて下さる様だ。

JSPSの当該サイトを見ると、12月24日に先端研究助成基金助成金(最先端・次世代研究開発支援プログラム)取扱要領 が改正されている。


何が改正されたかと思うと(PDF)

>この規程は、平成 22年 12月22日から施行する。

施行日が変わっている。4月1日から施行にしたものの、
中身が決まらないから宙ぶらりんで、この際、規定の施行日を12月22日にしたらしい。

それにしてもこの規定では

>助成金の交付の決定を行うまでに通常要すべき標準的な期間は、前条の交付申請書が振興会に到達してから 30日とする。

と、あるのだけど、交付する先を決める期間には決まりがない。
だからといって、いつまでも決められないと年度が変わっちゃいますねえ。

まあ、この資金は「基金」によるものなので、年度内消化ばかりを言われないのかもしれないけど。

ところで、どうもこの遅れは「政治主導」らしい。

【特別無料公開】若手期待の最先端・次世代研究開発支援プログラム、採択者の年度内決定に暗雲、和田政務官が申請書の追加提出を示唆@Bio Technology Japan
>当初は、2010年末までに採択者が決定され、年明けには研究費が振り込まれるとの説明がなされていた。実際、応募書類の評価を担当した日本学術振興会の作業は予定通りの11月中に完了。あとはCSTP議員などによる選定を経るだけとなっていた。

まさに、このとおりの時期だったのだけど、無理をいう人がいるらしい。

>その原因は、9月に科学技術政策担当の内閣府政務官に就任した和田隆志・衆議院議員にあるとされる。実際、2011年1月13日の記者会見で作業の遅延について聞かれた和田政務官は、「プロジェクト自体を駄目だと言っているのではなく、誰に何をやってもらうかをきちんと決める必要がある。現段階では、その判断をするための材料が足りない」と発言。さらに「足りない材料とは何か」との質問に対して、「一般国民が読んで研究内容が分かるような書類の提出を、5600人全ての応募者に要請しようと考えている」と答えた。

この記事の後追い記事は一般紙でもネットでも見ていない。
唯一科学新聞が記事にしているようだけど、私は直接目を通してはいない。

参考:最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れる理由@科学政策ニュースクリップ
科学新聞2011年1月14日号も、以下のように報じている。
関係筋への取材によると、研究費の積算が不十分だということで、和田政務官がストップをかけているという。例えば、海外出張費を4年間で100万円で積算しており、どこに何回行くかが明確になっていない、ということを問題視しているという。


積算内容を問題にしているのであれば、たしかに研究者の書くこうした費用の提出書類の積算は甘いかもしれない。
海外旅費で言えば、研究成果が上がれば海外の学会にも行くだろうから、見込みはするだろう。
でも、その学会がどこであるかは今わからないのではないだろうか。
本当に、そんな重箱の隅をこの政務官が問題にしているかどうかはわからない。
科学新聞は科学者側についた発言も多いので、穿った見方なのかもしれないからだ。

和田隆志議員のブログでは、1月4日までしか更新されていないので、この件について知ることは出来ない。

この和田議員は、そのブログ上に9月にはこんなことを書いている。

9月30日(木) 総合科学技術会議有識者会合に出席
>今回は、海江田科学技術大臣、私が着任して初めての会合でしたが、冒頭の挨拶において、私の方から、今後の科学技術政策を考えていく上での柱となる考え方として、次世代や次々世代の人たちが意欲的に科学の分野で活躍したいと思えるような環境を整備していくことを挙げ、そのためには、「現在若手研究者として鋭意研究開発に臨んでいる方々のご意見をしっかりと受け止めた政策形成が必要であると考えます。」と申し上げました。


次世代研究に注目していることを示す言葉といえる。
だから若手研究者の意見を受け止めるために、
今回の最先端・次世代開発支援プログラムの中身をもっと知りたいと考えたのかもしれない。

でも、研究内容については資料がないわけではないのだし、
(それを元に選抜しているわけだから)
それを読んでもらいたいと思うけど、
その資料が、政務官に精査できるような仕様じゃなかったとしたら。

それは、研究者にも政務官にも不幸なことかもしれない。

しかし、そこで「一般国民が読んで分かる物」を全員に要求するのは、
コストがかかりすぎないだろうか。
それは、時間コストであり、審査コストであり、こうしている間にも下がっていく
若手研究者のモチベーションだったり。

何かと言うとストップを掛けて「政治主導」を言いたがる民主党議員だけど、
ストップさせることが政治主導なのではなくて、進めるために官僚の抵抗を外すことが
政治主導なんじゃないのかなあ。

5600人の研究内容が「国民にも分かる形で」届くのはいつなのだろうか?
その書類を提出できる研究者がどれくらい居るかも心配だ。

ひょっとして、そういう内容の書類を書けるかどうかで研究者をスクリーニングするつもり?
資金交付前からアウトリーチを研究者に求めるということ?

それなら、そこに「サイエンスインタープリター」を動員して、
政務官に分かるような説明をしてもらったらどうだろうか。
もちろん、その費用は税金を使っていただくわけだけど。


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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
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