民主党は最先端研究開発支援プログラム2,700億円をどう見直すか(追記有り1005)
サイエンスポータルに載った記事を見落としていました。
科学新聞に載ったという話は聞いていたのですが、読んでいなかった。
今日のscicomメルマガで知りました。(たぶん、科学政策ニュースクリップにものるかな)
民主党の科学政策のキーパーソンといわれる鈴木寛議員の文部科学副大臣(教育、スポーツ担当)就任記者会見(2009年9月18日)から。
十分な検討ない2,700億円プログラム:鈴木 寛 氏(文部科学副大臣)@サイエンスポータルハイライト
>私が申し入れたのは、きちんと国会で決めた修正案の意図、つまり、これは経済対策ではなくて、研究開発基盤をしっかりすることだということを踏まえてください、ということだ。また、30課題で1課題90億円というのも、あの時、何度も確認したけれど、それは要求官庁と財務省とのメモであって、かつ勝手に、与党レク、当時の自民党のレク資料に役所がつくっていたことも承知していたが、これは当時の政府から国会に提出された予算書の中には入っていない。いわんや国会のあの法案(日本学術振興会法の一部を改正する法律案)の採決の対象にも入っていないことを確認して、そしてそのことを附帯決議にも明記している。その趣旨を踏まえて、きちんと選定を行ってください、ということだ。
法案そのものには民主党も賛成したので、このプログラムを「止めろ」とは言えない。
ただ、金額とか、30件×90億円という話は聞いてないぞ、ということ。
>法案の審議の前後、その研究開発投資のポートフォリオをもう少しちゃんと考えてほしいということだ。つまり、全部90億円というのは、いかにも芸がない。100億円を超えるものも1つか2つあってもいいかもしれないし、30億円ぐらいのものも10くらい、あるいは1億円のものが100ぐらいあってもいいかもしれない。そういう金額規模のバリエーションがあってもいいのではないか。
いちいち、民主党議員の指摘が的を射ているように感じるのは、
自民党があまりにも的がないやり方をしてきた反動ではないかと私は見ている。
つまり、民主党の議員に能力があるように見えるのは今のうちだけなのかどうかは、
このあと、自力の法案提出にかかっているのだから、
もう少しいろいろと判断は先延ばしした方がいい。
まあ、それはおいといても、こういう話を聞くと聖子ちゃんはどうして話を聞かなかったの?という気になる。
>従って、合意した部分は、30課題の90億円ということではなくて、研究開発投資のポートフォリオというものをきちんと作る、ということだ。それから日本はそういう、選び方の政策科学、あるいは審査の政策科学がほとんどない。その都度、その都度、担当者の思い入れとか、思い込みとか、思いつきとかということでやってきた。そうではなく、もっときちんと毎回毎回そういうものが積み上がってきて、日本の研究開発コミュニティとしてノウハウがたまっていくことが大事だ。そのためには、従来の役所が選んできたものを、もう一度レビューするとか、あるいは諸外国がどういうふうにそういうセレクション(選択)をやっているのかということも、ちゃんと調べるべきだ、ということを申し上げた。
法案策定時に、野田聖子大臣(当時)に、鈴木議員は申し入れたということなのだな。
>今回のセレクションの何が問題かというと、とにかく早くやってくれという麻生首相の意向が強かったために、十分な研究テーマについてのヒアリングあるいはそれについてのディスカッションが行われなかった。そのことに、相当程度の日本の研究者が怒っている。本当に10分間のヒアリングという粗っぽいことで、このような巨額なものが決められるのは、納税者の観点からいかがなものか、と。
まあ当然の反応だし、あまりにも性急な決定である感は否めない。
じゃ、民主党はどうするのか、執行を止めるのか、選び直すのか?
>総合科学技術会議がおやりになっているのは、30テーマを選びましたというだけだ。金額すらまだ決まっていない。選んで、金額が決まって、その後、契約が行われて、さらに支援機関を選んで契約していくというプロセスをとる。従って、今執行を止めるも何も、その2段階くらい前の状況にあるわけだ。そこは理解しておいていただきたい。
ということで、30テーマは仕方がないけど、これで行くとして、
金額はまだだよ、支援機関選びもまだだよ、
そこは民主党でやるよ、と、こういうことのようだ。
そうだろうなと思う。
追記
トラバされたので、トラバ返し
2700億円のゆくえ@なぎのねどこ
>んじゃ、何?研究開発で、補正予算で、喫緊にやらなきゃなんないものって、何?
なんだろうねえ。
大体、補正予算の方が通常予算よりも金額がでかいというのがよくわからない。
昔、塩爺が一般会計と特別会計について
「母屋はおかゆをすすっているのに、離れですき焼きを食べている」といったそうだけど。
通常予算でやればいいことは、通常予算を増やしてもやろうよ。
その分、特別会計とか、補正予算とかは、付け足しでいいよ。
科学新聞に載ったという話は聞いていたのですが、読んでいなかった。
今日のscicomメルマガで知りました。(たぶん、科学政策ニュースクリップにものるかな)
民主党の科学政策のキーパーソンといわれる鈴木寛議員の文部科学副大臣(教育、スポーツ担当)就任記者会見(2009年9月18日)から。
十分な検討ない2,700億円プログラム:鈴木 寛 氏(文部科学副大臣)@サイエンスポータルハイライト
>私が申し入れたのは、きちんと国会で決めた修正案の意図、つまり、これは経済対策ではなくて、研究開発基盤をしっかりすることだということを踏まえてください、ということだ。また、30課題で1課題90億円というのも、あの時、何度も確認したけれど、それは要求官庁と財務省とのメモであって、かつ勝手に、与党レク、当時の自民党のレク資料に役所がつくっていたことも承知していたが、これは当時の政府から国会に提出された予算書の中には入っていない。いわんや国会のあの法案(日本学術振興会法の一部を改正する法律案)の採決の対象にも入っていないことを確認して、そしてそのことを附帯決議にも明記している。その趣旨を踏まえて、きちんと選定を行ってください、ということだ。
法案そのものには民主党も賛成したので、このプログラムを「止めろ」とは言えない。
ただ、金額とか、30件×90億円という話は聞いてないぞ、ということ。
>法案の審議の前後、その研究開発投資のポートフォリオをもう少しちゃんと考えてほしいということだ。つまり、全部90億円というのは、いかにも芸がない。100億円を超えるものも1つか2つあってもいいかもしれないし、30億円ぐらいのものも10くらい、あるいは1億円のものが100ぐらいあってもいいかもしれない。そういう金額規模のバリエーションがあってもいいのではないか。
いちいち、民主党議員の指摘が的を射ているように感じるのは、
自民党があまりにも的がないやり方をしてきた反動ではないかと私は見ている。
つまり、民主党の議員に能力があるように見えるのは今のうちだけなのかどうかは、
このあと、自力の法案提出にかかっているのだから、
もう少しいろいろと判断は先延ばしした方がいい。
まあ、それはおいといても、こういう話を聞くと聖子ちゃんはどうして話を聞かなかったの?という気になる。
>従って、合意した部分は、30課題の90億円ということではなくて、研究開発投資のポートフォリオというものをきちんと作る、ということだ。それから日本はそういう、選び方の政策科学、あるいは審査の政策科学がほとんどない。その都度、その都度、担当者の思い入れとか、思い込みとか、思いつきとかということでやってきた。そうではなく、もっときちんと毎回毎回そういうものが積み上がってきて、日本の研究開発コミュニティとしてノウハウがたまっていくことが大事だ。そのためには、従来の役所が選んできたものを、もう一度レビューするとか、あるいは諸外国がどういうふうにそういうセレクション(選択)をやっているのかということも、ちゃんと調べるべきだ、ということを申し上げた。
法案策定時に、野田聖子大臣(当時)に、鈴木議員は申し入れたということなのだな。
>今回のセレクションの何が問題かというと、とにかく早くやってくれという麻生首相の意向が強かったために、十分な研究テーマについてのヒアリングあるいはそれについてのディスカッションが行われなかった。そのことに、相当程度の日本の研究者が怒っている。本当に10分間のヒアリングという粗っぽいことで、このような巨額なものが決められるのは、納税者の観点からいかがなものか、と。
まあ当然の反応だし、あまりにも性急な決定である感は否めない。
じゃ、民主党はどうするのか、執行を止めるのか、選び直すのか?
>総合科学技術会議がおやりになっているのは、30テーマを選びましたというだけだ。金額すらまだ決まっていない。選んで、金額が決まって、その後、契約が行われて、さらに支援機関を選んで契約していくというプロセスをとる。従って、今執行を止めるも何も、その2段階くらい前の状況にあるわけだ。そこは理解しておいていただきたい。
ということで、30テーマは仕方がないけど、これで行くとして、
金額はまだだよ、支援機関選びもまだだよ、
そこは民主党でやるよ、と、こういうことのようだ。
そうだろうなと思う。
追記
トラバされたので、トラバ返し
2700億円のゆくえ@なぎのねどこ
>んじゃ、何?研究開発で、補正予算で、喫緊にやらなきゃなんないものって、何?
なんだろうねえ。
大体、補正予算の方が通常予算よりも金額がでかいというのがよくわからない。
昔、塩爺が一般会計と特別会計について
「母屋はおかゆをすすっているのに、離れですき焼きを食べている」といったそうだけど。
通常予算でやればいいことは、通常予算を増やしてもやろうよ。
その分、特別会計とか、補正予算とかは、付け足しでいいよ。
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