ベリファイAI
しかし、正確な情報だけで学習しているわけではないようだから、変な応答をすることは相変わらずのようだ。言葉の自然さは向上していても、正確性については気を付けるべきだろう。
それで思うのだが、生成AIの応答が正しいものなのかどうかチェックするAI、ベリファイAIとでも言うべきものがあったら良いのではないか。
既にそういうものはあるのかもしれないが、私が利用できる、つまり無料で誰でも利用できる生成AIで、今の回答は正しいのかとフィードバックしてやったらどうなるだろうと考えて試してみた。
そこで、以前、間違った答えを返してきた問をもう一度出してみた。
Q クラリネット、バセット・クラリネット、バセット・ホルンの違いを教えてください
A クラリネット、バセット・クラリネット、そしてバセット・ホルンは、すべて木管楽器であり、非常に類似していますが、それぞれ独自の特徴があります。
- クラリネット:
クラリネットは、一般的な木管楽器で、明るい音色と広い音域を持っています。
通常、B♭、A、E♭、またはC調のキーで演奏されます。
一般的に、シンプルでストレートな形状をしています。
- バセット・クラリネット:
バセット・クラリネットは、通常のクラリネットよりも低い音を出すために設計されています。
通常、追加のキーや管を備え、音域を拡張しています。これにより、低音域での演奏が容易になります。
主にクラシック音楽の演奏で使用されます。
- バセット・ホルン:
バセット・ホルンは、フレンチホルンの変種で、一般的にF調でチューニングされています。
長い曲がりくねった管と特徴的な楕円形のベルを持ち、その形状により、柔らかく温かみのある音色を生み出します。
通常、木管楽器のセクションで使用され、オーケストラや吹奏楽団で見られます。 - バセット・ホルン:
これらの楽器は、演奏技術や音色の違いによっても区別されます。クラリネットは明るく鋭い音色を持ち、バセット・クラリネットはより暖かく低い音色を持ち、バセット・ホルンはさらに柔らかく滑らかな音色を持ちます。
Q バセット・ホルンはフレンチホルンの変種という回答は間違っているのではないですか
A 申し訳ありません、間違いがありました。バセット・ホルンはフレンチホルンとは異なる楽器です。以下にバセット・ホルンの特徴を正確に説明します。
バセット・ホルンは、フレンチホルンとは異なる楽器で、一般的にはクラリネットの一種です。
通常はF調でチューニングされています。
バセット・ホルンは、通常のホルンよりも低い音域で演奏され、特に低い音域での表現を強化するために設計されています。
その特徴的な曲がりくねった管と楕円形のベルにより、柔らかで豊かな音色を生み出します。
主にクラシック音楽の演奏で使用され、特にロマン派音楽や後期の管弦楽曲で見られます。
バセット・ホルンは、フレンチホルンとは異なる楽器であることを認識し、申し訳ありませんでした。
間違っているのでは、と追加質問をすると、こんどは正しく「クラリネットの一種」と答えてきた。
しかし残念なことに「曲がりくねった管と楕円形のベル」と、フレンチホルンの特徴をしつこく言ってくる。自分の回答の中で矛盾があることも平気なようだ。
用途についてもロマン派音楽や後期の管弦楽曲で見られると、これも大間違い。バセット・ホルンはモーツァルト頃までは使われたがその後はあまり使われていない。
テストしたのはChatGPTだけだけれど、やはりこの生成AIは言語モデル(Large scale Language Model)だから、語りの向上はめざましいと思う。前に
εをepsilonと表記するなよ。記号も独特で、上極限は"$\limsup_{n\to\infty} a_n$" と表記される(limsupは良いけど)。AIならもうちょっと読みやすさに配慮してもらいたいものだ。
と書いているけれど、これはちゃんと改善されていて読みやすくなっている。岡嶋裕史「ChatGPTの全貌 何がすごくて、何が危険なのか?」で、LLMは会話能力はあるが、問題解決能力はアヤシイから、内容についてはそれぞれの専門AIにつなぐようにしたらどうかというようなことを書いたと思う。ベリファイAIというのもそうしたものの一つになるのではないだろうか。
もっとも会話を担当するAIが、意味理解をしていないと難しいかもしれないとも書いたけど。