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【小説】医学のたまご

本→桜宮サーガ
05 /10 2011
医学のたまご
海堂尊
理論社
医学のたまご (ミステリーYA!)医学のたまご (ミステリーYA!)
(2008/01/17)
海堂 尊

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世の中で一番大変なのは、ゴールの見えない我慢だ

医学のたまご』本文より

桜宮サーガのひとつ。
これに関しては少し未来の話であるため他作品の登場人物が跋扈することはないので、単独で読んでも面白い。
リンクに気づけたら楽しいかも。
もちろんところどころに楽しい名前なんかは見ることができる。

全国の中学生向けに行われた特殊なテストで高得点をとって東城医大に入ることになった主人公の曽根崎薫くん。
そこで医学の研究をすることになるというあらすじ。

桜宮サーガのひとつなので一応主人公もほかの作品に大きく関わっているっちゃあ関わってる。
主人公は「ジーン・ワルツ」の曽根崎理恵の息子。
ただし離婚後なので、夫のゲーム理論研究の一人者である曽根崎伸一に引き取られてる。
が、息子とも別居中でいろんな助言をメールでして息子を助ける役目かな。
どうやら「モルフェウスの領域」でもお父さんはちらっと名前が出てるみたい。


中高生向きに書かれた小説。
だが、あなどるなかれ。
大人にとってもすごく重要なことがいっぱい再発見できる。

医学ってなんなのか。
研究ってなにしてるの?
研究のいいところと悪いところってどうだろうというところからはじまり、社会の一員としての生き方と医学に対する向き合い方っていうのを考えさせられた。

医学に興味があるなしにかかわらず多分考えるところがすごく多いことだと思う。

大人の社会のおかしさ、立ち向かうべきかそれとも波風をたてないべきか。
正義は誰にとっても分かりやすい形で現れないし、すごく理不尽な形で襲い掛かってくることもある。
実におかしな話。
でも実際にもすごく多いことでもある。

こういうのを読んでると自分の身の置き方振舞い方、そしてなによりも自分が貫くべきところってのがなんなのか自問自答したくなってくる。

単に起承転結があって、ああ面白かっただけに終わらない。
こういう未来を考えさせる小説こそ、中高生に、そしてなんとなく生きてしまっている大人こそ読むべき小説だと思う。



東城医大はやっぱり東城医大らしい問題を発生させてくれていてそれはそれでなんだか安心w
やっぱりこうでなくちゃ(笑

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∀ki(あき)

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