【小説】月の影 影の海 下
本→十二国記小野不由美
イラスト:山田章博
新潮文庫
月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫) (2012/06/27) 小野 不由美 商品詳細を見る |
「あのなぁ、陽子。どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべきことを選んでおくんだ。そういうときはどっちを選んでも必ず後悔する。同じ後悔するなら、少しでも軽いほうがいいだろ」
『月の影 影の海 下』本文より
十二国記エピソード1下巻。
この世界はなんなのかが明かされ、王とは麒麟とはが明かされ、
そしてこの世界に迷い込んだ陽子が苦難と向き合う旅を終えて王の座に。
あれ、こんなところで終わってたっけ。
いや、これでいいのだ。
物語のクライマックスは陽子の中の葛藤そのものだし、この世界の謎を解いていくことそのものにあるわけだし。
最初のエピソードをこの独特な世界の紹介であって、陽子に旅させるという構図はほんと正解だよなぁ。
力強く生き抜き、自分自身の醜さと向き合い、そして受容していく。
この世界の王の資質っていうものが垣間見えるし、これから先も苦難を乗り越えながらの治世となることが余韻としてなんとなくうかがえてしまう。
それに、こんなんだともっともっとこの世界のことを知りたくなるじゃないか、ってな内容だよなー。
プロローグのエピソード1は終わった。
ここからが十二国記の本領発揮だな。