9月は安倍晋三元首相の国葬が話題になりそうです。永田町や霞が関を取材してきた政治記者として、衆院法制局と内閣法制局の法律論争が興味を引きます。国葬を通じて「国のかたち」が浮き彫りになるからです。【論説室・野口武則】
「私の頭では理解できないところもありますが『国葬』と『国葬儀』が同種のものと理解してペーパーをまとめた私たちの理解が浅かったことになると思います」
8月18日に国会内で行われた野党の国対ヒアリングで、橘幸信・衆院法制局長の言葉から内閣法制局への憤りが伝わってきた。
この日のテーマの一つが「国の意思」だった。
内閣法制局の「憲法関係答弁例集(天皇・基本的人権・統治機構等関係)」(2017年)は「国葬とは、国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」と、三つの要件を記す。
衆院法制局は答弁例集の要件に基づき論を立て「国の意思」が時の内閣によって恣意(しい)的に運用されない歯止めについて論点をまとめた。これまで政府が取り上げていなかった要件だった。
岸田文雄首相は国葬とする理由として、安倍氏の実績や国際社会での評価、民主主義を守る決意を示すことなどを挙げている。だが、歴代最長の在任期間以外は、客観的な基準になり得ない。そこで手続きが重要となる。
「国の意思」はどこに表れるのか。
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