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国内外の異なる部署で取材する14人の中堅記者が交代で手がけるコラム。原則、毎日1本お届けします。

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衆院法制局VS内閣法制局 国葬が問う「国のかたち」

戦前の国葬令第3条には、天皇・皇族以外の者は「特旨」により国葬を行うことがあるとの定めがあった。宮内公文書館所蔵「大正15年 国葬令勅令案内閣ヘ照会ノ件関係書類」より=2022年8月30日、野口武則撮影
戦前の国葬令第3条には、天皇・皇族以外の者は「特旨」により国葬を行うことがあるとの定めがあった。宮内公文書館所蔵「大正15年 国葬令勅令案内閣ヘ照会ノ件関係書類」より=2022年8月30日、野口武則撮影

 9月は安倍晋三元首相の国葬が話題になりそうです。永田町や霞が関を取材してきた政治記者として、衆院法制局と内閣法制局の法律論争が興味を引きます。国葬を通じて「国のかたち」が浮き彫りになるからです。【論説室・野口武則】

 「私の頭では理解できないところもありますが『国葬』と『国葬儀』が同種のものと理解してペーパーをまとめた私たちの理解が浅かったことになると思います」

 8月18日に国会内で行われた野党の国対ヒアリングで、橘幸信・衆院法制局長の言葉から内閣法制局への憤りが伝わってきた。

 この日のテーマの一つが「国の意思」だった。

 内閣法制局の「憲法関係答弁例集(天皇・基本的人権・統治機構等関係)」(2017年)は「国葬とは、国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」と、三つの要件を記す。

 衆院法制局は答弁例集の要件に基づき論を立て「国の意思」が時の内閣によって恣意(しい)的に運用されない歯止めについて論点をまとめた。これまで政府が取り上げていなかった要件だった。

 岸田文雄首相は国葬とする理由として、安倍氏の実績や国際社会での評価、民主主義を守る決意を示すことなどを挙げている。だが、歴代最長の在任期間以外は、客観的な基準になり得ない。そこで手続きが重要となる。

 「国の意思」はどこに表れるのか。

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