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国内外の異なる部署で取材する14人の中堅記者が交代で手がけるコラム。原則、毎日1本お届けします。

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安倍元首相が漏らした靖国神社のA級戦犯分祀論

靖国神社を参拝する安倍晋三首相=東京都千代田区で2013年12月26日午前11時45分、竹内幹撮影
靖国神社を参拝する安倍晋三首相=東京都千代田区で2013年12月26日午前11時45分、竹内幹撮影

 お盆はどのように過ごしたでしょうか。十数年前に亡くなった私の祖父は、地元の寺へ祖先の墓参をするのが恒例でした。海軍兵学校出身の元軍人で「あの戦争は間違っていなかった」と、よく話していました。でも、靖国神社に行ったとは聞いたことがありません。今年も8月15日の靖国神社は多くの人々でにぎわいましたが、参拝にこだわりを見せていた安倍晋三元首相のあるエピソードを紹介します。【論説室・野口武則】

 靖国神社に祭られているA級戦犯を「分祀(ぶんし)」したい、と安倍氏が言っている。そんな話を聞き、確認に走ったことが2度ある。保守派のオピニオンリーダーとして「合祀(ごうし)されているからといって参拝を取りやめる必要はない」と公言していたはずだが――。

 最初は第1次政権が発足する直前の2006年夏だった。安倍氏の政策ブレーンに取材するとこう話した。

 「うわさが流れたのは事実です。一時、知恵を付けた人がいて、安倍さんの心が揺らいだ」

 ただ、ブレーンは「分祀できるという考え方自体が間違っていた。今は安倍さんにそのような発想はない」と続け、この話は立ち消えになったと説明した。

 2度目は第2次政権の13年12月に首相として靖国参拝した後のことだ。安倍氏と親交が深い元外交官に当てると、冗舌だった語り口が急に慎重になった。

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