藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)が永瀬拓矢九段(32)の挑戦を受ける、将棋の第72期王座戦5番勝負第3局が30日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」で行われ、後手の藤井が永瀬を破り、3勝0敗で王座初防衛を果たした。タイトル通算獲得数を25期に伸ばし、歴代5位の谷川浩司17世名人(62)に並ぶまで、あと2とした。
戦型は第1局、2局に続き角換わり。両者とも研究の範囲なのか、開始から1時間で62手目まで進むハイペース。中盤は膠着(こうちゃく)状態が続き、高い精度の大局観が求められた。終盤、時間を削られた藤井は先に持ち時間5時間を使い切り、1分将棋に突入した。最終盤、藤井は巧みな手順で相手玉を討ち取った。
昨年は藤井が7冠を保持した挑戦者として永瀬王座に挑み、3勝1敗でタイトルを奪取して8冠全制覇を果たした。偉業を達成した場所が「ウェスティン都ホテル京都」。同じ対局室で、立場を入れ替えてのタイトル戦となった。
昨年はどっちに転ぶか分からない5番勝負だった。藤井が「成長が問われるシリーズ」と位置づけた5番勝負は、第1局、2局は完勝譜。もつれた第3局は構想力で上回った。
今年4~6月に行われた第9期叡王戦で同学年の伊藤匠(たくみ)叡王に敗れ、初めてタイトルを失い、8冠から陥落した。「不調説」もあったが、その後の棋聖戦は3勝0敗、夏の王位戦は4勝1敗と防衛を果たし、2つの永世称号を手にした。王座戦は3勝0敗で初防衛。8冠独占の地で「強すぎる」、若き王者が復活した。
10月5日には竜王戦7番勝負が始まる。相手は佐々木勇気八段(30)だ。佐々木は17年にデビュー以来29連勝中だった藤井に初黒星を付けた「藤井を止めた男」としても知られる。強敵を迎え撃つ。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/0f7fe2908b937d7713eea33480662e7aed817e12)
なかなか叡王の次に失うタイトルは出てこない。
藤井「七冠」、まだまだ続く。
5871号