将棋の伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第5局が8月27・28日の両日、兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で行われ、藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の渡辺明九段(40)に勝利。シリーズ成績4勝1敗で、防衛5連覇を達成した。この結果、藤井王位は史上4人目の「永世王位」資格保持者に。22歳1カ月の最年少で、棋聖に続く2つ目の永世称号を獲得した。
21歳11カ月での史上最年少「永世」称号獲得の衝撃からわずか1カ月。絶対王者が早くも“永世二冠”を達成した。前期の名人戦七番勝負以来、タイトル戦で6度目の顔合わせとなった渡辺九段とのシリーズは、作戦巧者の挑戦者に主導権を握られる展開に。終盤力を見せつけた藤井王位が勝数では上回っていたが、決して楽な戦いではなかった。それでも、圧巻の構想力で最強挑戦者を圧倒。通算成績4勝1敗で渡辺九段の挑戦を退けた。
決着局となった第5局は、後手の渡辺九段が雁木を志向。先手の藤井王位が急戦から動き、渡辺九段も負けじと角を手放し難しい中盤戦へと突入した。渡辺九段の攻め、藤井王位の受けの構図となった対局2日目。繊細なかけ引きの中で角を取り、歩を打つ踏み込みを見せるとペースを掌握。ねじり合いの中から後手陣攻略のポイントを着実に積み重ねていった。終盤戦では渡辺九段が一時挽回したものの、端角から鉄壁の守りを築いた藤井王位に隙はない。冷静に後手を押し切り、勝利を飾った。
永世王位を獲得した藤井王位は、「対局に臨む上で意識はしていなかったが、永世称号を得られたことを嬉しく思う。これまでの王位戦5期を通して、自分自身いろいろな経験をすることができたと思う」とコメント。一方、敗退となった渡辺九段は「途中までは内容的にまずまず戦えていたと思うが、4・5局目は良いところの無い将棋になってしまったのが残念」とシリーズを振り返った。
藤井王位は、2020年の第61期王位戦七番勝負で木村一基王位(当時)を4連勝で破りタイトルを奪取。以降、挑戦者たちを次々に退け5連覇を達成した。王位戦では、連続5期または通算10期を達成した棋士のみに「永世」称号を付与しているが、藤井王位は棋聖に続き最短の5年で獲得。故・大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人(76)、羽生善治九段(53)のレジェンド3人に続き、史上4人目の永世王位となった。
棋聖、王位の“永世二冠”となった藤井王位だが、この記録も歴代最年少。24歳9カ月で2つの永世称号を獲得した羽生九段の記録を大きく塗り替える、22歳1カ月での達成となった。
偉業を達成したばかりの若き絶対王者だが、引き続き休む間はない。一週間後の9月4日には、昨年、八冠制覇をかけて大激闘を繰り広げた宿敵・永瀬拓矢九段(31)を今度は挑戦者として迎える第72期王座戦五番勝負が開幕。さらに、10月には初めてタイトル戦で対戦することになる佐々木勇気八段(30)との第37期竜王戦七番勝負も待ち構える。季節は夏から実りの秋へ。ダブルタイトル戦の期間に突入する藤井王位は、新たな季節でどんな収穫を得るのか、ファンの期待はますます高まるばかりだ。
◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦。渡辺明棋聖(当時)を破り、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王3期、名人2期、王位5期、叡王3期、王座1期、棋王2期、王将3期、棋聖5期の通算24期。棋戦優勝は10回。2023年度の第81期名人戦七番勝負を制し、20歳10カ月の最年少名人に就位。同10月には第71期王座戦五番勝負を制し、前人未踏の「八冠独占」を達成した。さらに、今年7月には棋聖戦で5連覇を果たし21歳11カ月で史上最年少で永世称号を獲得した。通算成績は377勝76敗、勝率は0.832。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
(https://news.yahoo.co.jp/articles/57780d2d5856fd7796e874580d743655863b2cd2)
ほんとこの人すごいねえ。
タイトルは奪われることがあるけれど、永世号は失うことはない。
永世棋聖と永世王位の永世二冠、おめでとうございます。
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