会社法違反の罪などで起訴され保釈中の日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告が、海外渡航を禁じた保釈条件に反して出国し、中東レバノンに入国しました。ゴーン被告は、「不正義と政治的な迫害から逃れた」とコメントしています。
「私は今レバノンにいる」(ゴーン被告)
会社法違反の罪などで起訴され、4月に保釈された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告。保釈条件で、海外への渡航が禁じられていましたが、日本時間の31日昼すぎ、アメリカの広報担当者を通じて国籍のあるレバノンにいるという衝撃の声明を発表しました。
「これ以上、日本の不正な司法制度の人質とはならない」(ゴーン被告)
去年11月に起きた世界的に名を馳せた経営者の突然の逮捕。海外の関心も極めて高く、日本の拘置所内での待遇や、司法制度もクローズアップされました。3月に保釈された際には、周囲の目を欺こうとするマスクに作業服という姿も大きな話題になりましたが、今回の突然の出国について、東京地裁は「保釈の条件は変更されていない」としています。
つまり、保釈条件に反して出国したかたちですが、ゴーン被告はこう正当化します。
「不正義と政治的な迫害から逃れたのだ」(ゴーン被告)
さらに日本の司法制度について、「守るべき国際法や条約に基づく義務に著しく反して有罪は決めつけられ、差別が横行し、基本的人権は否定されている」と批判。今後、メディアにも、何らかの行動を起こすことを明らかにしたのです。
「ついにメディアと自由にコミュニケーションがとれることになり、来週始めることを楽しみにしている」(ゴーン被告)
この突然の出国劇。欧米の大手メディアも速報で大々的に伝えるなど、世界的に注目されています。
こうした中、ゴーン被告の弁護人の弘中惇一郎弁護士が、取材に応じました。
「寝耳に水。こちらも報道以上のことは知らない。許されない行為ですよ、保釈条件に違反しているんですから。日本の司法に対する裏切りというか、違反行為ですから」(弘中惇一郎弁護士)
弘中弁護士は、ゴーン被告と連絡がとれていないということです。また、「最後に会ったのは25日の公判前整理手続きで、来年1月7日の弁護団会議で会いましょうと話した。平日は、ほぼ弁護士事務所に来ていた。海外に行きたいとも話していなかった」としています。今後、弁護団として裁判所に対し、「情報が入れば連絡をする」といった報告書を作成し、提出する予定だということです。
今年4月に保釈されたゴーン被告には東京地裁が、都内の決まった住居で生活することや、妻らとの接触禁止、さらに海外への渡航禁止という条件を付けていました。ゴーン被告はこの保釈条件に違反したことになり、今後、保釈保証金あわせて15億円は没収される見通しです。
一方、“大きな謎”となっているのが出国方法です。レバノンのメディアは、ゴーン被告はフランスのパスポートを使い、プライベートジェットでイスタンブールから入国したと伝えています。
Q.ゴーン被告が持っている全ての旅券を?
「弁護士が預かっています」(弘中惇一郎弁護士)
ゴーン被告のパスポートは弁護人が管理していますが、出入国在留管理庁によりますと、ゴーン被告の名前の出国記録は今のところ確認されておらず、別の名前で出国した可能性もあるとみて確認を進めています。
「偽造パスポートは別として、出国を無許可でやったこと自体が直ちに何らかの犯罪になるわけではない。日本の裁判は受けないというつもりで今回出国したんだとすれば、これは日本の刑事司法に対する挑戦」(元東京地検特捜部副部長 若狭勝弁護士)
検察にとっても、ゴーン被告の出国はまさに「寝耳に水」でした。
「前代未聞の巨悪事件で前代未聞のことが起こった。レバノンには事件の関係者もいるので、罪証隠滅のおそれがある」(検察幹部)
「全ての嫌疑について私は無実です。裁判で無実を証明したいと切に願っています」(ゴーン被告・2019年4月)
今年4月には、裁判で無実を証明したいと語っていたゴーン被告。裁判は来年4月ごろに始まる見込みでしたが、日本とレバノンの間には犯罪人引き渡し条約が結ばれておらず、ゴーン被告がこのまま日本に戻らなければ裁判が開けなくなる可能性もあります。
(https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20191231-00000021-jnn-int)
保釈金 15億円没収!
保釈中に海外逃亡したことよりも、15億円が没収になることの方に目がいく。
本人にしたら15億円なんて1万円ぐらいのもんなんやろか。
弘中弁護士にしても失点やな。
ゴーン被告、終了!
4798号