黄色い眼鏡がトレードマークの落語家でタレント、笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名・渡士洋=とし・ひろし)さんが22日午前、急性大動脈解離のため死去した。66歳だった。明るいキャラクターで親しまれ、情報番組「噂の!東京マガジン」など多くの番組で活躍。2015年には同じ大動脈解離で救急搬送されたが、2週間で復帰。生きる喜びをかみしめながら仕事をしていた中、再び病魔に襲われた。
お茶の間に笑顔を届けてきた笑瓶さんが、突然この世を去った。
所属事務所はこの日夜、笑瓶さんが急性大動脈解離のため死去したと発表。関係者によると、21日に東京都内の自宅で倒れて救急搬送され、22日午前、家族に見守られながら旅立った。
通夜は26日午後6時、葬儀・告別式は27日午後0時半から東京・築地本願寺で営まれ、喪主は妻、渡士智子(とし・さとこ)さんが務める。
笑瓶さんは今月16日に、TBS時代から32年間レギュラー出演するBS-TBS「噂の!東京マガジン」(日曜後1・0)の収録に参加したばかり。普段と同じく元気な姿で盛り上げていた。
訃報を受け、同局は26日の内容を変更すると発表。追悼企画「笑瓶さん!ありがとう 笑顔と優しさの全記録」とし、番組での活躍をVTRで振り返りながらしのぶ。関係者によると、23日に総合司会の森本毅郎(83)をはじめ、清水国明(72)、山口良一(67)らレギュラー陣が悲しみをこらえながら収録に臨む予定だ。
笑瓶さんは大阪府出身。1980年に大阪芸大を卒業後、落語家の笑福亭鶴瓶(71)に一番弟子として入門した。毎日放送「突然ガバチョ!」などに出演し、関西で活躍後、東京に進出。フジテレビ系「ものまね王座決定戦」で披露したアニメ「魔法使いサリー」のよし子ちゃんのものまねなどで人気が全国区に。医薬品「コンタック」のCMキャラクターの声でも親しまれ、俳優としても活躍した。
だが、2015年12月、千葉県内でゴルフをプレー中に胸の痛みを訴え、ドクターヘリで搬送されて入院。そのとき発症したのも大動脈解離だった。
大動脈解離は、心臓から出ている最も太い血管である大動脈の壁に亀裂ができ、2層に裂けた状態を指す。ほとんどの場合は前兆がなく、裂け目が広がると死に至る恐ろしい病気だ。
前回は裂け目が20センチほどで止まったため、手術はせずに治癒。約2週間入院し、仕事復帰した。
17年に産経新聞の取材に応じた際、笑瓶さんは「倒れたとき、『ちくしょう、このまま死ぬのか』と思いました。なぜ『ちくしょう』と思ったのか考えたところ、あちらの世界へ行けば、生きているからこそ味わえる『五感』を楽しむことができなくなるのが悔しかったのだと思い至りました」などと説明。
また、以前は1日3~4箱吸っていたヘビースモーカーだったが、たばこを止め、血圧を抑える薬の服用や、ウオーキングするなど生活習慣を見直したことを告白。「ちょっとしたことが、今は本当にうれしい。死んだら五感は得られない。一瞬一瞬を楽しく生きていければと思っています」と前向きに語っていた。
持ち前のユーモアで誰からも愛された笑瓶さん。その優しい笑顔はもう戻らない。
★大動脈解離とは
大動脈の内壁に生じた亀裂に血液が入りこみ、血管内部を2層に引き裂く病気。原因には動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症などが挙げられる。発症年齢のピークは70代で、男性に多く、夏場よりも冬場に発症しやすい。突然解離が起こるのが急性動脈解離で、何の前触れもなく、胸や背中の激痛とともに起こる。救急搬送され、病院に到着する前に6割以上の人が亡くなるデータもある。予防には生活習慣の見直しが重要だ。
■笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい)
本名・渡士洋。1956(昭和31)年11月7日生まれ、大阪府出身。大阪芸大卒。81年、笑福亭鶴瓶に弟子入り。修業中、毎日放送「突然ガバチョ!」などのレギュラーになり、人気を集める。87年、東京に拠点を移し、日本テレビ系「鶴ちゃんのプッツン5」などで活躍。俳優としては昨年のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演。レギュラー番組はBS―TBS「噂の!東京マガジン」など。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/27ded7c97dbfa96ef130538b9980159c8bd93141)
え?びっくりした。
いつもニコニコしていて雰囲気の良い人でした。
66歳、早すぎる。
ご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます。
5423号