『自分で会社を清算しました(幻冬舎)』
会社の「解散から清算結了」の手続きの中には、登記上のことに限っても、いろんな論点があって、悩むことが多い手続き。
中でも、難しいのは、税理士さんが付かれていないケース。
清算事務報告書の数字で、なぜか司法書士が、あれこれ悩むことになります。
ところで、『自分で会社を清算しました』は、他の専門書とは異質で、経験者の話であれば面白いのかもと、買ってみました。複数の専門書を引用しながら、書かれています。
「専門家といえども法律の解釈を誤ることはあり得る。また、実務経験の長い専門家が執筆した文献は、現在有効でない古い知識に基づいて執筆されていることもあり得る。ひとつの文献のみに依拠しているとそういった誤りをその分野の専門家でない者が見つけるのは難しいが、複数の文献を読み比べれば専門家でなくても誤りに気付くことができるかもしれない」(本書のまま)
私が調べごとをする際も「これは正しいのか」という、自分のフィルターを通して見るようにしていますが、「経験の長い専門家」のほうが、疑われるのですね…。
この本の中では、清算結了の登記が終わった後に、印鑑の廃止届を法務局に出されていたり(→司法書士からすると、まさか。すでに登記簿が閉鎖されてるのに、わざわざ印鑑の廃止届とは、想像もできません)、清算結了後に銀行口座を解約して利息が発生したとされていたり(→それはありなのか)、専門家が書いた本だと、これは書かれないだろうな、という部分はありました。
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