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2024年12月16日 (月)

病棟専用のPHSの番号が助かる理由【成年後見】

Dsc_2068-1 朝の時点で「新しい予定を入れられるのは夕方のみ」状態でしたが、被後見人さんの、病院への搬送が入りました。

事務所で交替してもらえない予定だけ済ませて、30分遅れで病院に到着。施設の方と、バトンタッチです。

お互いに「ありがとうございます。助かりました」。これが本来の形というか、最低限の礼儀だと思っています。

ところで、病院からかかってくる電話番号。病棟からだろうと、医師、地域連携室だろうと、「同じ番号(代表番号)から」ということが多くて、携帯に着信だけ残されると、とても困ります。どの部署からかかってきたのか、分かりません。

今回の病院は「病棟専用のPHSの番号」を知らされて、「この番号からかかります」というシステム。助かります。

ついでに、「土日は人手が足りないので、電話はできるだけご遠慮ください」って、それはまさに、私が言いたい台詞。

病院に、曜日がないのは分かりますが、休日、最悪の知らせを覚悟して電話に出たところ、「日用品を持って来て下さい」が用件であると、「なんでそんな連絡を今日してくるんですか」と、一言言いたくなるものです。

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2024年12月13日 (金)

「若いほうがいいよね」という家族さんの言葉【成年後見】

Pxl_20241208_075304457被後見人さんから「子供はおらんのか~」と、毎回のように聞かれていて、「いないんです」と真面目に答えていても、残念そうで、「子供はおらんのか?」の無限ループ。思い切って、

「います」「女の子」「1歳」「今度連れてきます」

と展開してみると、おしゃべりが止まらなくなりました。

かわいがってもらえて、よかった。

以前連れていった男の子が、どこかに行ってしまった(2か月不在)ので、よだれかけに、名前を書いて行きましたが、あきらめたとこで、男の子も出てきました。不思議。

ところで「先生、先生って、学校の先生か?」も、毎回聞かれます。「司法書士です」と言っても、「何の先生や?」「誰の先生や?」と。さすがに、ここでウソはつけません。

「おばちゃんの後見人してくれてる先生やで」と家族さんが言ってくれると、私は「若造ですけど」です。「若いほうがいいよね~?」と、家族さんがフォローして下さいます。

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2024年12月10日 (火)

大阪家裁後見係における司法書士の分類【成年後見】

Pxl_20241102_051850566mp あるところで、私のコラムが引用されていたので、びっくりしましたが、大阪家裁管轄における、後見業務の取り組み方法。取り組み方法というか、司法書士の分類は、下記のとおり。

『1』リーガルサポートに登録していない司法書士
『3』リーガルサポートに登録&候補者名簿に登載された司法書士

但し『1』の場合も、後見人には選ばれるものの、『専門職』の扱いを受けられないため、管理財産が大きければ、司法書士が後見人であるのに、監督人を付けられたり、信託をさせられたりします。

『2』リーガルに登録して、名簿登載していない司法書士

私自身、しばらく『2』(=『1』と『3』の中間)にいましたが、「候補者名簿に登載していない」ということは、所定の研修を受けて更新手続きしていない、ということ。「そんな状態で後見を受けるのはよろしくない」と、リーガルサポートの上の方から直々に指導が入りました。

その後、平成30年6月から、大阪家裁は『専門職』とは「候補者名簿に名簿登載した司法書士とする」運用となったので、結果オーライですが、『2』の状態ではあれば、本格的に後見業務を取り扱えないし、意味がないというのが、私の感覚。

司法書士に「後見申立ての書類作成を頼みたい」ではなく、「後見人になる司法書士を探されている」方には、『3』の司法書士の中から探されることをお勧めします、ということになります。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所後見サイト「大阪家裁における専門職後見人の取扱い」

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2024年12月 9日 (月)

後見申立前の通帳や印鑑の捜索【成年後見】

20210627_121442817 後見申立て準備中の案件は、診断書待ち。

ご本人が「入院中」ということで、施設関係者が通帳や印鑑の捜索をして下さっていましたが、「夜な夜な探しても、出てこない」と。

「通帳がないままでは、申立てしづらいので、一度私に探させて下さい」と、施設管理者に見守ってもらっている中、捜索しました。10分で発見しました。

こんな作業には慣れたくはないですが、何度もやっているうちに「ここにありそう」というのが、分かってきます。通帳がむき出しで存在しなくても、ポーチの形で分かったり。

それと、遠慮の加減もあります。私自身、まだ後見人になっていないですが、ご本人からは「探してくれ」「引き出しの中にあるから」と了解をもらえていて、「出てこないと、自分が就任後に困る」という、切迫した気持ちがあります。

一方、施設関係者としたら、利用者さんの物品を勝手に触るわけにはいかない、という遠慮、当然あることでしょう。

ご本人からは「通帳がないなら、警察に言うて。警察や警察!」と言われていたので、そういう意味でも、大事に至らなくてよかった、というお話でした。

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2024年12月 6日 (金)

高齢者施設の「入所一時金0円」はお得かどうか

Pxl_20241205_215536570入所一時金が0円の施設さんや、「キャンペーン」と打ち出して、入所一時金を0円にされている施設さんもありますが、先に払うか、後に払うかの問題なので、損も得もありません。

逆に「0円」を打ち出している施設さんのほうが、退去時の、現状回復費用の請求が細かかったりして?

ある施設さんでは、生活保護の方でも、役所から「敷金10万円」を確保してくれています。

後見人としては、最後の清算時に、とても助かります。施設代の請求は、通常1か月(以上)遅れて届くため、敷金の返金分で、最後の施設代や後見人報酬を賄えたりするためです。

「キャンペーン」を続けておられている施設さんに、「滞納がないんでしょ」と聞くと、「そうです」と。「これだけの金額を払える方なら、滞納はないでしょうね」と私。

一時金の有無とは別に、生活保護の方に対し、違う家賃を設定する「二重基準」を設定されるかどうか。紹介会社を入れられるかどうか。

この点は、施設さんによって、はっきりと方針が分かれます。

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2024年12月 5日 (木)

親族の後見人等は、他の親族の後見等の申立てはできない【成年後見】

Img_20231104_144258_20241205191801後見人等として親族さんの中に入らせてもらうと、実は「他の親族さんにも、後見人等が必要だった」という状況が、起こりえます。

私自身、今現在、ひとつの親族さん間で、複数の方の後見人等をさせてもらっている例が、3件あります。それと、事務所の司法書士と、別々に後見人等に就任している例が、1件あります。

「あえて、第三者の専門職を入れて、複数の目を通したほうがいいのではないか」と考えることもありましたが、関係者ともお話をして、ご本人らが混乱されてもいけない、ということで、避けたこともありました。

現時点の、大阪家裁の運用としては、下記のとおり。

1.親族の後見人等は、他の親族の後見等の申立てはできない

2.後見開始の審判を受けた本人は、他の親族の後見等の申立てができない
 →但し、保佐、補助であれば、親族の後見等の申立ては可能

優先順位を誤り、仕切り直しとなったこともあるので、定期的に、整理しておきたい部分です。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 コラム087「子の後見人が親の後見等開始の申立ができるか(成年後見)

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2024年12月 3日 (火)

後見よりも保佐・補助のほうが申立は複雑に【成年後見】

20231123_150231688-1金融機関に保佐人就任の届けに出向いて、窓口で「同意権はないのですね?」と聞かれた時、保佐開始の審判書に事件番号が2つしかないので「ないです」と答えた瞬間、「あ、保佐の場合、同意権は元々あります」と回答。

窓口の人も、そう思われていたようで、抜き打ちテストのようでした。

申立ての印紙代は、後見の場合は、開始の審判分のみで800円。保佐は、開始と代理権付与で1,600円。補助の場合で、同意権も入れる場合は2,400円。

「認知症の程度の軽い方ほうが、申立て費用が高くなる」と言うと、関係者からは意外がられますが、包括的な代理権がある後見より保佐。保佐より補助のほうが、申立ては複雑になる構造です。

ご本人に、保佐や補助の代理権目録、補助の同意権目録を理解してもらうのも大変。

大阪家裁本庁の最近の運用では、事実上、ほぼ裁判所の面接が省略されていて、申立てに関与した司法書士が『説明状況報告書』を作成。「司法書士がどんなふうに説明したかと、それに対する本人の反応は」などを書くようになっているのですが、

保佐・補助の場合、どれだけの字数を打ち込むのか、という量になります。

ご本人に拒否があるのも「後見より補助」なので、後見制度の利用自体に抵抗があるのに、難しい言葉が並んだこの目録はなんぞや。難しい言葉も、簡単に言い換える力も問われています。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所「コラム138 大阪家庭裁判所における後見の書面審理(成年後見)」

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2024年12月 2日 (月)

マイナカードがあると住所異動届にひと手間かかる【成年後見】

Pxl_20241108_035444493マイナンバーカードにとって、ひとつの節目となるのが、今日、12月2日。

「政府は、本人確認書類のリストから、健康保険証を外す方針」というニュースを見て、思い切ったことするもんだなと思ったのですが、「そして、健康保険証の代わりに資格確認書を入れる」というのですから、何やっていることか、分かりません。

先週、「マイナンバーカード保有」の被後見人さんの、住所変更の手続きをしてきました。

正確には、住所の異動届は出したものの、マイナカードの暗証番号が分からない。そのため「暗証番号再設定のための書類。本人の住所に確認書を送るので、それを持って改めて来て下さい」ということで、改めて行ったのですが、「後見人であれば、確認書の送付は不要だったのにな」と、マイナカードの担当者。

「マイナンバーカードの住所変更届」を手書きしながら、「なんでまた紙で書かすんでしょうね」と聞くと、「よく言われるんですが、我々は国の出先機関なので、言われたとおりするしかありません」と。

被後見人さんらの住所異動の手続き。マイナカードを保有されていることで、余分な手間がかかるのは、引き続き変わりません。

12月2日から「健康保険証が使えなくなるから、マイナンバーカードを作らないといけない」という解釈は誤解、ということも、併せて。

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2024年11月22日 (金)

特別弔慰金国庫債券の申請と相続手続き【相続・成年後見】

Pxl_20241020_061539981 現在、第十一回の特別弔慰金国庫債券の償還期間中。来年が、5年分の5年目となります。

戦没者の遺族に対する弔慰金を、国債形式で償還されているもの。そういう意味では、日本もまだ、戦争を引きずっていることになります。

特別弔慰金国庫債券の手続きには、一番最初は、被後見人さんが持たれていたので、関与することになりました。他所の郵便局では、取扱い不可。印鑑を届けてある郵便局で、その年の分を切り離して、現金を受け取ります。

しかし、その次の弔慰金の申し込みをしている最中に、亡くなられました。

次は、被保佐人さんが「過去に国債を持っていたのを見た」という証言をもらって、区役所で調査。まだ受付期間中であったため、区役所での申請は間に合いましたが、国債が届くまでに亡くなられました。

最近では、純粋な相続手続き(夫婦間)を取り扱ったのと、被補助人さんが持たれていたはずの国債が見当たらなかったので、郵便局経由で日銀に再発行の申請。今年の分を、受け取ったところ。

郵便局、日銀。それと、住所地の役所が関与する、珍しい手続き。

全体像が見えたところで、備忘録としてコラムにまとめました。「特別弔慰金国庫債券の相続手続き」です。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 コラム84「特別弔慰金国庫債券の相続手続き」

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2024年11月20日 (水)

「理性的な問いと、不合理な答え」

Pxl_20241113_033926407 後見人等として、被後見人さんらの自宅不動産の売却をするケース。

実は「自宅を売却しないと、お金が足りない」というケースは少なくて、売却するのは、管理上の都合。

昨今、自然災害が増えていることで、周囲に迷惑を及ぼす可能性であったり、空き家のままというのは、防犯上好ましくないため、といった事情を書いて、裁判所に提出することが多いです。

居住用不動産の売却の場合は、裁判所の許可が必要、とされています。

一方、「売却しないと、お金が足りない」ケースでは、ことごとく、ご本人の抵抗を受けています。

長年住み慣れた自宅、好んで施設に居るわけではない。細かいお金の計算は分からない。でも、戻れるならば自宅に戻りたいと思われているのですから、それも仕方がない。でも、後見人である私は「後見人なんだから、何とかしてください」と利害関係者から、言われるわけです。

「お金が足りないから、このままでは施設に居れないです」という正論も、周りから見たらどうなのか。

後見人というのは、本人が嫌だと言っているのに、他人様の家を売却して、ひどいことする人なんだなと思われないよう、親族さんであったり、施設の方も巻き込んで、精神的なケアもしてもらいつつ進める、しかありません。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 成年後見サイト「住んでいた不動産(居住用不動産)を売却する手続き」

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