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2024年11月27日 (水)

株式会社の定款認証手数料にまた改正が入る件【会社設立】

Pxl_20241124_01563963912月1日から、株式会社の定款認証手数料に、また改正が入るようです。

「資本金が100万円未満」「取締役会非設置」「発起設立で、発起人3人以内」

という要件を満たせば、今、3万円に減額されているところ、さらに1.5万円に減額。ひと言で言えば、公証人に負担を押し付ける政策です。

資本金が100万円未満ということは、99万円台以下になるわけで、資本金「50万円」だったらまだしも、12月1日以降に設立された会社で、資本金「99万円」という登記簿を見たら、私が金融機関の立場だったらですが、口座開設は見送っていただこう、と(あくまでも一個人の感覚です)。

依頼者の方には、せっかくなら100万円にしておいたほうが、口座の作りやすさが変わるかもしれませんよ、と申し上げると思います。

それと、定款認証は、公証人業務の中では定型的で、手数料が高い部類に入る手続きと言われていましたが、司法書士だって、依頼者が独自に勉強して作られた定款を持参され、「この内容で定款認証を段取り欲しい」と言われたら、負担が重たいです。

自分の中にある形を崩されると、一から見ないといけない。だから「定款認証は定型的なのに、公証人費用5万円が高い」という目では、見てはいなかったです。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所コラム007「会社設立費用の比較」

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2024年11月25日 (月)

『自分で会社を清算しました(幻冬舎)』

Pxl_20241125_081354758 会社の「解散から清算結了」の手続きの中には、登記上のことに限っても、いろんな論点があって、悩むことが多い手続き。

中でも、難しいのは、税理士さんが付かれていないケース。

清算事務報告書の数字で、なぜか司法書士が、あれこれ悩むことになります。

ところで、『自分で会社を清算しました』は、他の専門書とは異質で、経験者の話であれば面白いのかもと、買ってみました。複数の専門書を引用しながら、書かれています。

「専門家といえども法律の解釈を誤ることはあり得る。また、実務経験の長い専門家が執筆した文献は、現在有効でない古い知識に基づいて執筆されていることもあり得る。ひとつの文献のみに依拠しているとそういった誤りをその分野の専門家でない者が見つけるのは難しいが、複数の文献を読み比べれば専門家でなくても誤りに気付くことができるかもしれない」(本書のまま)

私が調べごとをする際も「これは正しいのか」という、自分のフィルターを通して見るようにしていますが、「経験の長い専門家」のほうが、疑われるのですね…。

この本の中では、清算結了の登記が終わった後に、印鑑の廃止届を法務局に出されていたり(→司法書士からすると、まさか。すでに登記簿が閉鎖されてるのに、わざわざ印鑑の廃止届とは、想像もできません)、清算結了後に銀行口座を解約して利息が発生したとされていたり(→それはありなのか)、専門家が書いた本だと、これは書かれないだろうな、という部分はありました。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所コラム20「株式会社の解散から清算結了までの流れ」

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2024年11月21日 (木)

登録免許税法別表一の商業登記の区分【会社登記】

Pxl_20241121_032231080 登録免許税法、別表第一にある、商業登記の区分。

普段は、あまり気にすることはないですが、気付かぬうちに区分が変更になっていると、がっかりします。

例えば、私が受験勉強をしていた時、「その他の変更」は「レの3万円」でしたが、今は跡形もありません。「解散ヨ、継続タ」と、暗記していたものです。

同じ「登録免許税3万円」でも区分が大事なのは、同じ区分の変更登記を同時にする場合、何種類登記を入れても、合計3万円で済むため。

2007年に出版された『組織再編の手続』では、資本金を変更しない合併と、その他を変更登記を同時にする場合は、同じ「ネ」区分のため3万円という記載があり、どこかで「ネからツに変わったはず~」と、区分が変わった経緯を調べようとしたものの、調べられず。

2016年に出版された『組織再編の手続(第2版)』を買ってみると、ちゃんと「ツ」区分となっていました。

「資本金の変動がない吸収合併」と「目的変更」を同時に申請し、別区分と読み違えて「登録免許税を6万円」で申請。補正した経験がきっかけで、ホームページにも書いたのに、そのホームページの区分も古いままでした。

そして、区分が変わっていることを確認するために、新版を買う司法書士…でした(残念ながら、リーガルライブラリーには、本が見当たらず)。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 コラム100「吸収合併の手続きと登記のポイント」

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2024年11月18日 (月)

登記完了後の登記簿謄本を法務局で受け取る理由

Pxl_20241118_074627119オンライン登記申請システムを利用し、午前中、法務局堺支局に、「速達での郵送」で請求した登記簿謄本が、夕方には事務所に届きました。

登記簿謄本代(実費)500円と、速達代300円のみの負担。普段、郵送での請求は使わないので(普段は、法務局にある『私書箱』に入れてもらうように指定)、そんなスピードで仕事しておられるとは、知りませんでした。

ちなみに「普段、郵送での請求を使わない」のは、法務局から戻ってくる登記簿謄本=お客様にお返しする登記簿謄本に、折り目を付けられるのが嫌、という、子供みたいな理由です。

「折り目を付けられた登記簿謄本」に対し、お客様がどう思われるかは分かりません。「こんなものだ」と気にされない方が、ほとんどであるならば、司法書士の勝手な美意識です。

一時期、申請者「司法書士吉田浩章」の欄に、「折らないで送って下さい」と入力することで、法務局は、大きな封筒で折らずに郵送してくれていた時期もありました。ある時「今後はやめて下さい」という連絡があってやめた、記憶があります。

急がない用事は、まとめて堺東で済ませます。自転車で10分走って、堺の法務局に現物を取りに行く、ということにしています。

だから、ウチの事務所の登記簿謄本代の実費は、1通480円です。

郵送で請求する場合の1通500円で請求しても、お客様には分からないところですが、実費は実費なので、実際にかかった費用だけ、請求書の右側に入れています。

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2024年11月15日 (金)

合同会社の社員(役員)が死亡した時の登記

Pxl_20241114_230346159合同会社は、株式会社に比べると設立費用が安くて、10年ごとの重任登記も不要。

「とりあえず法人格があれば」というケースで好まれている会社形態ですが、友人同士で設立される時に、片方が亡くなられた時はどうなるでしょうかと、お話しして、最終的に、株式会社を選ばれたことはあります。

というのも、合同会社の社員(出資者でもある役員)が亡くなられた時の登記。

シンプルな論点なのに、登記の方法が確立されていない、のが現状。専門書を並べて読んでみても、「私見」しか出ていません。論点を避けられている本も、あります。

でも、『商業・法人登記500問』の記述は、一歩前進しているような気が。

登記の実務が「なんとか説」に左右される状況は、司法書士として、とても困るのです。

設立される時から、途中で亡くなられることを想定してもらうのも、難しい。司法書士が「そこ」に拘り過ぎると、何を細かいこと気にしてるねんと思われかねないですが、「作りやすい」というメリットだけじゃなく、リスクもちゃんと説明しましたよ、という記録くらい、残しておいていいのかもしれません。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所「コラム005 合同会社 運営上気をつけること」

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2024年10月30日 (水)

債権者として合併の個別催告を受け取った場面【会社登記】

Pxl_20241030_041112733mp 官報の取扱店が、他紙の公告掲載も取り次いでくれるようになったので、便利になりました。

「公告をする方法」が他紙(官報以外)のため、ひとまず、合併公告の前提となる決算公告について、他紙への取次ぎを頼みました。

「他紙への決算公告」→「官報と他紙への二重公告×2社分」で、債権者への個別催告は省略する方針です。

私自身、債権者として、合併に関する個別催告を受け取ったことが、一度あります。

被後見人さんが入所されている施設。全国に施設がある大手事業者で、「敷金」がありました。施設を退所する際は、債務を清算して、施設から返してもらえる性質のものなので、施設からすると預り金。施設利用者が、債権者となります。

私は職業で取り扱っているので、「合併に関する催告書」が、どういう意味なのか理解できますが、一般の利用者さんからすると、意味不明です。個人的には、ここまで催告をする必要はなんじゃないかと感じましたが、会社法上は「金額をいくら以上を債権者として扱う」といった規定がないので、厳密に考えると、やらざるを得ない、ということに?

官報&他紙への二重催告は、個別の催告が漏れたことにより、後で問題にならないようにする趣旨で、費用もかかる話なので(基本的に、他紙の掲載料は官報より高い)、その都度、会社さんに選んでもらうようにしています。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 コラム53 合併時の個別催告省略のためのW公告(会社登記)

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2024年10月25日 (金)

会社さんの「印鑑届」だけのご依頼【会社登記】

20230914_125928137_20241025125101株式会社さんから「印鑑届だけ」のご依頼を受け、印鑑をもらって、法務局に移動しました。

「30分程度で完了する」とのことでしたが、印鑑届だけ大阪本局に出しておいて、印鑑カード発行と印鑑証明書発行からは堺に戻ってから。別便で移動しました。

待ち時間を考えると、どちらでもいいと思って、法務局には聞かずに出掛けましたが、大阪市内に本店を置く会社さんでも、印鑑届から「堺の法務局でできた」とのこと。

代表取締役を2名置かれている会社さん自体が少ないですが、「印鑑届を両名出されている」という例は、もっと少ない気がします。

例えば、社長と会長が共に印鑑登録すると、社長が承知していないのに、会長が会社の実印を押して、不動産の売却ができてしまう、状態にもなります。

だから、本当に「双方が印鑑を届ける」ことでいいですか、ということは、念押しで確認します。

おまけの論点で、「取締役ABCで、代表取締役A」のところ、「代表取締役をAB」にして、新たにBの印鑑届をしたとしても、Aの印鑑登録は残ったまま。「Aの実印はもう使用しない」趣旨のご依頼であれば、「Aの印鑑登録を廃止する」届出が必要、となります。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所 コラム22「商業登記の取扱庁が堺支局に」

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2024年10月21日 (月)

「死亡診断書」は死亡を証する書類になるのか【商業登記】

20230803_1442181962-4後見人をしていた方が亡くなられて、なおかつ、親族さんがおられない場合に手にするのが「死亡診断書」の原本。

A3の用紙が、左側に役所に出す死亡届、右側に医師の死亡診断書になっていて、そのまま役所に提出されます。提出しないと、火葬ができません。

だから、役員変更登記の死亡を証する書類として「死亡診断書」が上げられているのに、違和感持っていました。司法書士のサイトあちこちにも、「商業登記ハンドブック」にも書かれてあります。

今回「いざとなれば、住民票を取ればいい」やと、「死亡診断書のコピー」を法務局に出してみたところ、「使えません」と。

「コピーだからダメなんですか」と聞くと、「余分な情報が入り過ぎているから。報告式の死亡届に印鑑がいらないので、そっちのほうがいいです」と、話をそらされました(しかし、死亡届に押印不要とは、知らなかった)。

後見のお仕事をしていなければ、「死亡診断書の原本」の流れは見えません。「死亡診断書で登記が通った」という例があれば、原本は物理的に出せないはずなので、どうやって?という点、情報欲しいです。

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2024年10月17日 (木)

商業登記の司法書士報酬は安い傾向

20230803_1442181962-3商業登記の事件簿に番号を振ると、ほぼ1か月ぶりの商業登記であることに、気付きます。

「ホームページ経由の商業登記」というのは、好んで受けたいとは思っておらず、継続や紹介のお客様中心となります。

今回の報酬見直しで、商業登記の報酬にもメスを入れよう、と考えているのですが、どこも報酬がお安いです。ならばと、「商業登記といえば、この司法書士事務所」という事務所さんが何件かあるので、ホームページで報酬欄を探してみましたが、公開されていませんでした。

実現しないでしょうけど、「はじめてのお客様に対する初期費用」みたいなのがあっても、いいんじゃないか、とも考えています。

今日は「代表者の変更」ということで、たくさん印鑑を押してもらましたが、「真実性を担保するため」という趣旨です、とご説明していました。代表取締役の辞任届に「個人の実印&印鑑証明書」を求める機会は少ないですが、時と場合によります。

吸収合併の登記の準備も、進んでいます。合併の登記は、2年に一度~1.5年に一度くらいのペースで、ご依頼いただいています。

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2024年8月 1日 (木)

器がないところに水は入らない【司法書士事務所の運営】

Pxl_20240730_085007930商業登記、定款変更+役員変更登記のフルコースを申請。

事件簿を見ると、7月の商業登記の申請は1件のみ。不動産登記の申請は8件のみ。。。

それよりも、受付管理システムへの入力は、「7/4受付」の次が、「7/17受付」に飛んでいるので、その間2週間程度、新規のお仕事が入っていなかった、ことになります。

その裏では、予定が詰まっている中で、救急搬送で振り回されたり、夜中まで電話に追い回され、大変な毎日でした。

月が変わって、風向きが変わりました。

上手いことなっているのは、物理的にも、精神的にも、お仕事をお受けできる環境を整えておかないと入ってこない、ということ。器がないところに、水が入らないのと、同じことです。

継続的にご依頼いただくお客様からのお仕事が続く時は、ホームページからの問い合わせが止まります。また、その逆の現象が生じることもあります。

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