あの世界遺産、本当は伊豆下田に建つはずだった?




12月28日の午前中はまだ帰省渋滞が始まる前でした。


東名も新東名もまったくスレスのない交通状況で、


自宅を発ってから1時間半程度のドライブで、この地に辿り着くことができました。







伊豆の国市 韮山です。








韮山でこの幟が立つと言えば、あの場所…。






韮山反射炉。


萩反射炉(山口県萩市)と共に日本で現存するただ2つの実用反射炉です。


2009年に萩反射炉と合わせて「明治日本の産業革命遺産」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)暫定リストへ掲載され、


昨年7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として正式登録されたばかり。







1840年(天保11年)のアヘン戦争による西欧諸国の驚異に対し、韮山の代官だった江川英龍は危機感を覚え、


海防政策のため、鉄砲の鋳造に必要な反射炉の建設を幕府に訴えました。


その嘆願は13年後の事件を受けて正式に受け入れられることになります。





1853年(嘉永6年)の黒船来航です。



当初反射炉の築造はこの地ではなく、実は別の場所になる予定でした。


築造翌年の1854年(安政元年)、下田に入港したペリー艦隊の水兵が敷地内に侵入するという事件を経て、


築造場所が伊豆の下田から韮山に変更されたという経緯があります。






あるいは「下田反射炉」と呼ばれることもあったかもしれません。




1855年(安政2年)に江川英龍は志半ばで死去しますが、跡を継いだ息子の江川英敏が築造を進め、


韮山反射炉は1857年(安政4年)に完成しましたが、


現代は巨大な建造物が身近に溢れています。






遠目に全高16メートル弱の反射炉が見えた時は、正直言って「小さい」と感じましたが… 






近寄ってキャプションを読みながら周囲を回り、見上げると、


その存在感に圧倒されます。










トラス構造の鉄筋は地震大国である日本がゆえの改修措置だったとのこと。









60年前は筋交いの無い姿だったようです。










観覧料はご覧の通り。中学生が子ども料金なのはありがたい。伊豆の国市民であれば無料だそうです。






ところでこの地に訪れるまで、素朴な疑問がずっと頭にありました。









反射炉はいったい何の反射をもって反射炉と呼ばれるのかと言うことですが… 







燃焼室で発生した熱を天井や壁で反射させるから。反射された熱はロストルに集中されて金属の精錬を行います。
















現在は鉄鋼の精錬では使われないメカニズムですが、


銅の製錬や再生アルミニウムの融解炉としては用いられる方法だそうです。




こちらでは鋳鉄製と青銅製の大砲が製造されました。






そのレプリカが、反射炉の脇に設置されています。











来る時は気付きませんでしたが、帰路に無料の駐車場へ戻るため、


古川にかかる橋をよく見れば… 







砲弾を模した飾りがありました。






混雑を避けた撮影を心がけたため人影が写っていませんが、ひとたび観光バスが訪れると、


あっという間に人だかりが生まれます。


ガイドボランティアの方々がお忙しそうでしたが、その精力的なお姿には頭が下がります…(^^ゞ 








韮山を後にして次の目的地へ向かいます。




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No title

蛮社の獄で捕らえられた高野長英の逃亡をしばらく匿った宇和島藩主、
伊達宗城が彼に作らせた砲台、久良砲台のある天儀ノ鼻を5年前に撮影しましたが
寂れ果ててそこへ行くことも危険な道路でした

過去を将来に伝える発想が日本に乏しいことを残念に思います

No title

元々ヨーロッパの文献から学び、反射炉を作り上げたということは本当に凄いことですよね。


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