映画「明日の記憶」を見て考えたこと
昨日、テレビで話題の映画「明日の記憶」が
地上波初登場とかで、放送していました。
ご覧になった方も多いでしょう。
また、映画館で見た方も多いかもしれません。
見た人にいろいろな感慨を起こさせる映画でしたが、
私には「きつい」映画でした。
地上波初登場とかで、放送していました。
ご覧になった方も多いでしょう。
また、映画館で見た方も多いかもしれません。
見た人にいろいろな感慨を起こさせる映画でしたが、
私には「きつい」映画でした。
<続きはここから>
何が「きつい」かと言えば、
主人公が、自分と年齢の近い同じ業界の人間だという
非常に身近な設定で、若年アルツハイマーになること。
広告制作の世界に身を置いていて、
少なからず人さまに知恵を貸して
生計を立てている人間が
「頭が使い物にならなくなる恐怖」は、
私には何とも切実に身に迫るモノがあって、
いろいろな職業の人がこの映画から感じる恐怖があるだろうけど
本当にどんなホラー映画を見るよりも怖かった。
主人公には、娘がいてその結婚が近い、
しかもできちゃった婚で孫も生まれる。
それがまた、「記憶」ということを浮き彫りにする。
これから記憶を増やしていく赤ん坊と、
その記憶が無くなっていく主人公の対比。
ラストシーンがまた「きつい」。
思い出の地から帰ろうとする主人公を迎えに来た妻に、
「大丈夫ですか」と言い「駅まで一緒に」という。
名前を尋ね「いい名前だ」とつぶやく。
彼は、一晩で、妻の顔を忘れたのだ。
主人公にとっては、中途半端に記憶があって、
恐怖心にさいなまれるよりも
自分を支えてくれる妻の顔すら忘れることで、
訪れる安寧はあるでしょう。
でも、その妻の気持ちは。
忘れられた人はどうすればよいのか。
きっと、監督は(ひょっとするとプロデューサーである渡辺謙は)
下手な希望を与えるエンディングは描けなかったのだろう。
残酷なようでいて、絶望の淵にあって未来を受け入れることが、この二人には必要であり、そこからしか新たな関係が生まれないこと。
そしてそれが、実は、二人にとって綱渡りしながらも進む道なのだと。
先日、大学の先輩の奥さんが亡くなったことを書きましたが、
その時も感じた、もし自分の身に起きたらという気持ちが
この映画を見ていても、何度もおそってきて、そのたびに
涙が止まりませんでした。
妻と一緒に見ていたのですが、彼女はどう思ったのだろう。
「先にぼけられても、自分が先に死ぬのもいや。
長生きして、元気なガンコじじいになったあなたに、
おじいさんお粥ができたわよというのが夢なんだ」
と見た後で言っていましたが。
アルツハイマー病を治す(元に戻す)クスリは今のところみつかっていないようです。メカニズムはだいぶわかってきて、進行を止めることはできるようになったようですが、脳の収縮を元に戻すことはできません。
予防するにも、発症がわかった時点で元には戻れない病気です。発症しないようにするのも難しい。大体発症率は低いのですから。
アルツハイマー病にかかっても、それがその人の人生。そこからの人生を受け入れるしかないのでしょう。難しいでしょうけど。
無名だろうと戦っている人は大勢いるわけで。多くのブログもあるようです。
本当に考えさせられました。
何が「きつい」かと言えば、
主人公が、自分と年齢の近い同じ業界の人間だという
非常に身近な設定で、若年アルツハイマーになること。
広告制作の世界に身を置いていて、
少なからず人さまに知恵を貸して
生計を立てている人間が
「頭が使い物にならなくなる恐怖」は、
私には何とも切実に身に迫るモノがあって、
いろいろな職業の人がこの映画から感じる恐怖があるだろうけど
本当にどんなホラー映画を見るよりも怖かった。
主人公には、娘がいてその結婚が近い、
しかもできちゃった婚で孫も生まれる。
それがまた、「記憶」ということを浮き彫りにする。
これから記憶を増やしていく赤ん坊と、
その記憶が無くなっていく主人公の対比。
ラストシーンがまた「きつい」。
思い出の地から帰ろうとする主人公を迎えに来た妻に、
「大丈夫ですか」と言い「駅まで一緒に」という。
名前を尋ね「いい名前だ」とつぶやく。
彼は、一晩で、妻の顔を忘れたのだ。
主人公にとっては、中途半端に記憶があって、
恐怖心にさいなまれるよりも
自分を支えてくれる妻の顔すら忘れることで、
訪れる安寧はあるでしょう。
でも、その妻の気持ちは。
忘れられた人はどうすればよいのか。
きっと、監督は(ひょっとするとプロデューサーである渡辺謙は)
下手な希望を与えるエンディングは描けなかったのだろう。
残酷なようでいて、絶望の淵にあって未来を受け入れることが、この二人には必要であり、そこからしか新たな関係が生まれないこと。
そしてそれが、実は、二人にとって綱渡りしながらも進む道なのだと。
先日、大学の先輩の奥さんが亡くなったことを書きましたが、
その時も感じた、もし自分の身に起きたらという気持ちが
この映画を見ていても、何度もおそってきて、そのたびに
涙が止まりませんでした。
妻と一緒に見ていたのですが、彼女はどう思ったのだろう。
「先にぼけられても、自分が先に死ぬのもいや。
長生きして、元気なガンコじじいになったあなたに、
おじいさんお粥ができたわよというのが夢なんだ」
と見た後で言っていましたが。
アルツハイマー病を治す(元に戻す)クスリは今のところみつかっていないようです。メカニズムはだいぶわかってきて、進行を止めることはできるようになったようですが、脳の収縮を元に戻すことはできません。
予防するにも、発症がわかった時点で元には戻れない病気です。発症しないようにするのも難しい。大体発症率は低いのですから。
アルツハイマー病にかかっても、それがその人の人生。そこからの人生を受け入れるしかないのでしょう。難しいでしょうけど。
無名だろうと戦っている人は大勢いるわけで。多くのブログもあるようです。
本当に考えさせられました。
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